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ガドレイグ共和国のイニア

ようやく、現地です。

よろしくお願いいたします!

えっと妙な、マニアックな趣味とかではないよ?

誰に言ってんだか分からないけど。

刀マニアとかではないよ!

多分『武器』って聞いて、神社の御神刀を考えたんだ!

いや、私の周りで武器って昔からお社にあった刀位だし。

大体、現代日本で武器ってそんな思い付かないから!


「これは随分と美しい武器ですね?」


なのに何故か女神様は満足気に見つめくるし、おかしいでしょ?

神様に訓練された時に使っていた剣とかとも違うし、家でも刀なんて触った事も無いのに何でこれが出るかな⁉


とりあえず武器も持ったし、準備完了。

そろそろ出発だと、女神様も″転移陣″を準備し始めてくれた。

あ、派手に光りの線でデカイ魔方陣が目の前に描かれてく!

スゴ!


「さあ、シオン?準備は整いました。こちらへ来て下さいね?」

少し笑顔が堅い女神様が手招きしているのを私は見つめ、頷き歩み出る。

この先に彼の少年がいる。

この世界を救うための第一歩だ。


***


その日、僕は家の用事で約束していた近所の幼友達と遊びに行く事が出来ず気持ちが少し沈んでいた。


それは、一週間前から楽しみにしていた鉱山跡地の探索だった。

探索という冒険ごっこにすぎないと周りの大人達は言うけど、今日は特別な日だったので更に沈んでしまう。

時期的には少し速いがこの、『ガドレイグ』共和国周辺では今この数日こそが魔素が急激に高まる。

そうすると、跡地とはいっても魔石鉱山跡地に僅かに残ってい残晶ざんしょうは蛍火を放ってとても綺麗なのだ。

だけど家の用事で断らないといけないなんて・・・。

僕はいつも一緒にいる二人の友達の事を思った。


***


私は日本と言う平和な島国に生まれ、育った。

それはとても幸せな事だったのだと、今この半日を過ごし思った。

首都圏の表と裏。

大きな貧富の差。

種族の差別。

ありとあらゆる理不尽が弱い立場の人を食い散らかす世界。

それが、私が任された世界だった。



少年の名は『イニア』といい、このガドレイグ共和国の東南部に位置するアーキッドと言う田舎の村に住んでいると言う。

都市部よりは周りとの『差』はないのが田舎だと女神様は言っていたが、やはり裕福とはほど遠い厳しい生活らしい。


本日の夕方、原因不明の時空の歪みがこの世界に現れると言う。

女神様達はその現地からの影響を食い止める為に、やはり現地に行くと言っていた。

その際、彼の少年らはその影響に巻き込まれてしまうからと、私に救出クエストを出したのだと言う。


何でも世界には『運命の加護』に導かれる者と言う人々がいるらしい。

彼らは『運命ヒカリイロ』や『覇王お うしょく』とも、『竜鱗りゅうりん』とも、『鍵』とも呼ばれ、力の強さによってこれらの言葉の階級の様なものはあるがいずれにしても『世界をる変える力』と呼ばれている。

そんな彼らは時空の歪みが発生した場合、一番、運命そのものに大きな影響を受け本来の使命を果す事が出来なくなり結果、世界の運航に悪影響を及ぼすといった事態が起きてしまうのだ。


それが今回だ。

一人目の少年は突然現れた″異様な魔物″に住んでいた村が襲われる。

その事態は回避不可能な時空の流れで出来ている事から、巫女である私が″介入″して流れを変えろというものらしい。


クエストは『運命の輪』の加護を持った二人を歪みが作った厄災から守る事。

それは正に世界の命運に関わる使命。



風が冷たくなってきた。

日が暮れる。

時空の歪み。

これがそうなのかは正直分からないが、風が圧迫感を含んだきがした。

もうすぐ、運命の黄昏が訪れる。

彼の少年にとっても、私にとっても。



これが、世界を崩壊から守る巫女である私が″今の世界で″した初めての仕事になるのであった。

長い夜が次回から始まります!

よろしくお願いいたします!

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