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聖堂と女神様の独唱

始めます。

よろしくお願いいたします!

先に聖堂が見つかったが、今度のこれは、大聖堂である。

ナニコレ⁉可笑しいでしょ⁉

建物の幅その物が広いと言うのに、全部回廊みたいにしてあるのだ。

真ん中に敷かれた赤い絨毯も金糸でサイドに刺繍を施した立派な物で、床も壁も白く磨かれ天井の窓から降り注ぐ光が眩しい事。

それが一番奥の少し高くなった場所にある祭壇のような所まで続いている。

ただ、私この世界の神様知らないから祭壇が神様か別の何かを奉っていても分からないんだけど。

あ、あの女神様か?


「光る、模様?」

いや、魔方陣ってやつだ。ほら、RPGで出てくるやつ。


全体の輪郭は丸いそれは金色の様な光の線で描かれ、立体映像よろしく、目の前でくるくる回っている。

中々の大きさがあり、そんなものが映画のスクリーンかプロジェクターみたく写し出されて回りゃ眩しいのなんの。

何なんだこれは?本当に。


触れられないのか?

悪いものの様な気はしなかったし・・・、何か。


一度周りを見回して再び魔方陣に視線を戻し手を、ゆっくり伸ばす。

しかし、後少しで触れる!と言うところで突然火花がちり、声にならない言葉が頭の中に「まだ、触れるな」と怒鳴ってきた気がして飛び退いた。

「何なの・・・?」

あ、声がかすれてる。びっくりしたわぁ。いや、多分これは今触れる物じゃないわ。

何となくそう納得すると、ひとまず大聖堂を出た。


いや、本当にさっきのは驚いたわ。


内心、びくびくなまま、大聖堂の扉を閉めて何度目かの深呼吸。

暫く、アレ忘れよう!

本気で思ったのであった。


***


さて、何をするか?大体拠点はざっくり見て回ったので。

とりあえず荷ほどきをしながら考える。

もう昼過ぎくらいのようだし、あまりウロウロは出来ない。

だから、出来るだけこの周辺の探索にしたいんだが。

城壁内でも里山みたいな場所に面した所や坑道みたいな所もあったし、この土地特有の文化だったりの記載された書物などを、実は女神様からもらっていたりもする。

そう、植物辞典みたいな物とか。


***


この荷物の選定は、今までの学習結果等で得たポイントを消費して得る事による。

私は道具しゅだん書物ちしきを重視して考えて、このラインナップとなった訳だ。

生活用品やらは初期の所持品だし、やはり選ぶなら貴重な物を取らなくちゃね?

何だっけ?

何しても失われない道具アイテム

あ、『アーティファクト』だった。


***


光が降り注ぐ神殿の円卓の間に女神は佇んでいた。

考えるは最後に送り出した巫女の事だった。



彼女前向きで、はとても優秀だった。

教育期間を思い返して、それがまず抱いた感情だ。

他の巫女は一週間近くを″故郷への帰還を願い″焦心していたのだ。

まあ、無理もない。

たった十代半ばの少女が故郷に帰る事も出来ない状態で″世界の為に別の世界で使命を果たせ″等と言われれ無理もない。

そう、あの少女『シオン』が異常なのだ。

故郷への帰還が不可能で、自身が使命を果たさなければ世界が終わると話すと、最初は渋っていたがあっけらかんと「それじゃあ、仕方ない」と納得して説明を受け始めた。

我々神々が言う事を何とも思わないのか?と問えば「女神様達は嫌な感じもしないし、切羽詰まってて大変そうだし。私にも関係ある事でしょう?」と、言って退けた。

勿論その通りなのだが・・・。

だが、そこで彼女の″刻印″と追い立ちを思い出した。


そもそも、神社の巫女のであり神託の類いへの馴染みがあり、彼女自身僅かだがある種″カン″の様な力があり我々と世界の状況を、本人は何となくと言いながらも理解していた様だ。

故に、事の重大さに頷いたのだろう。


もうひとつは、彼女が『竜刻印の巫女』だからだろう。

本来刻印の巫女は、上下の地位などないがこの刻印は特別である。

『幻想級・特質系刻印・竜刻印』。

全ての絶望を希望へ換え導く役を持ち、神々への干渉が可能な最強を冠する刻印。

またの名を『最後の希望』。

今回の様な崩壊の力が強い代に、まるで救いの如く現れる存在。

この刻印の巫女が生きている限り、いくら崩壊の力が強くても世界は滅びないと言われている。

まあ、それだけ″敵″の力も強く崩壊の力も強力なのだが、巫女の歴史には数代に一度こういう巡り合わせがくると言う。



それらを考えながら、彼女の事に意識を戻す。

巫女の行動への助言を含む介入は、基本的に禁止されており巫女が考えて行動する様を見届け、最低限の干渉に留める事が神々の決りです。

『巫女=人間』が自分たちで危機を脱したという事が重要な為です。

本来、神々はこの『世界意思の流れ』には干渉が許されていない。

だが、危機に貧したもの達が自力で動いたと言うなら問題はない。

それが本来守るべき対象だったから、僅かに手を貸したという程度なら、″世界の修正力″も作用してはこないのだ。


これが、いつから続いているのかは分からない。

しかし、全ては″ナニカの意思のままに″動いているに過ぎない。


ーーー旅立ちの時。

我々神々は与えられる『アーティファクト』を巫女達に選ばせる。


「それじゃあ・・・。」

彼女は基本の衣類等以外は、現地の島に関する智識を記した書物と今までの教育で習得した技能を行使する際に使う道具に、当面の消耗品を選んでいった。

勿論、消耗品以外は全て『アーティファクト』だ。

普通の衣類に見えても壊れないし、汚れても払うなどすればもと通り。

書物は見ための薄さからは考えられない程のページ数と智識がつまっており、濡らそうが何をしようが最良の状態が保たれる。

だか、他の巫女とは違い消耗品や趣向品が殆どない。

良いのか?と問うと「現地で調達する」と言い他の書物を確認していた。

「巫女は身体能力含む全てが他の人を遥かに上回ってるんでしょ?神々の使いと称される程に。」

なら、なんとかなるさ、と。


私はあの巫女に次の可能性を見た気がして、困った様に微笑み返して空をあおいで考える。

やはり、彼女が『竜刻印の巫女』である、と。


何だか、シオンちゃんが少しに・・・。

やたら、女神様の独り言とか回想です。

あと、シオンちゃんが何なのか、でした。

次回、シオンちゃん本格行動開始です!

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