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巫女と人々の領域

帰って参りました、わがや

何となく、釈然しゃくぜんとしない気持ちを抱えてもいるがとにかく帰って来た!

ああ、一週間と二日が恐ろしく長かった。ふ

何か、もうしたくないんだけど?


しっかし何だろう?島に戻ってきたら力がみなぎってくる様な感じが・・・?

やはり、わがやは安心するねかね?

そんな事を考えながら首をかしげ、ついでに肩や首を回したり伸ばしたりして伸びをする。

やはり疲れてる、これ絶対。

でもクエストはもうひとつあるし・・・。

正直、このまま寝込みたい。

次の事は明日以降!とか、ある訳ないか。


『シオン、島で最も高い聖堂へ来て下さい。』

「⁉」

突然頭に、意識の壁をこじ開ける様な感覚を帯びた声が流れ込んできた。

思わずその場に膝をつく。

いや、この声女神様⁉何してんです⁉貴女!

思わず胸中で叫び、ふらふらと立ち上がる。

「・・・島で、一番高い所にある聖堂?」

まだ痺れた様な感覚の残る頭を振りながらと呟く。

まあ、考えるまでもなくあのやたら豪華で大きな聖堂の事だろうと思いつつ歩き出すのだった。


「・・・は?」

住まいとして使っている部屋の前を通過して指定されだ場所、聖堂へ向かった私。

あー、部屋で休みたい。

内心愚痴りながらも聖堂の大きな扉を押し開ける。

ああ、やっぱりデカイ。

最初に来た時にも思った感想だ。

この長くデカイ通路の突き当たりに謎の祭壇や触れる事の出来ない魔方陣があった筈だと進んで行く。

こんな所で最後のクエスト?確か導きがどうとか言ってたな、女神様。

思い出しながら祭壇に向かって行く。

だがその途中で様子がおかしい事に気付く。


魔方陣の光が以前よりはるかに、何だか分からないくらいに強くなっているのだ。

え?これ異常事態とかだよね?

前は光る線以外には光ってなかった筈の魔方陣それは、今は全体がド派手に輝いている。

ナニナニナニナニ⁉どーなってンの⁉

唖然と立ち尽くしたまま、内心絶叫する私。

私、何かしましたっけ?

『その魔方陣に触れてみて下さい。』

再び女神様の声が頭に流れ込んでくる。

え、これに触れと?一回、拒否られてるんですけど。

また、すんのか⁉とか思いつつ指先から。

「・・・。」

あー!わずらわしい‼一気だ!

まさに殴り込む様に魔方陣に手を叩き付け、意識を手放したのであった。




なん、だ?

私はあの魔方陣に手を叩き付けた後は、どうなった?うわっ⁉

気付くと両膝をついて天を見上げていた私は膝の下に視線をやり仰天した。

「島・・・。」

真下に私が先程までいた『聖堂』が見える。

いや、下って言うか遥か下に。

何処だ、ここ⁉どーなってンのここ⁉

周りも不思議な薄い色の付いたガラスの神殿で空に透けている。

高所恐怖症じゃなくて良かったな、私!

バカな事を考えながら頭を抱える。

ダメだ!これ、どういう状況だ⁉

一人、うんうん唸っていると少し前方が明るく照らされる。

今度は何なの⁉

ウガーッ‼と、勢いつけて顔を上げる。

そこにはこの状況を作り出した元凶げんきょうと思われる存在がふわふわと浮いていた。

ニコニコして、何なのこれ、女神様‼


私の顔を見た女神様は困った様に微笑んでいる。

見てて腹が立つほどに。いや、ホント。

まあ、女神様あっちも笑みがひきつってるし、言いたい事は分かってんだろうけど。

「これ、ラストクエストですか?」

「・・・あ、ええ。」

いきなり切り出したからか女神様の反応がおかしいけど、構う気もないし、正直もう早くクエスト終わらないかなとか思いながら話の先を促す様に視線を送る。

何だかしてる態度がアレな気がするなぁ。


「二つのクエスト、お疲れ様です。ここからは少し慎重なクエストになります。始める前に幾つか説明と注意事項についてお話します。」

いきなりね?どうした、女神様。何だか、マジにキリッとしましたね。

何始めるの?

そんな考える私を前に口を開く女神様。

「最後のクエストはまさに″運命を導く″行為そのもの。『ここ』に運命に身を預けられる者を呼び寄せる為の力を発生させる術を使用がそれです。」

ん?人を島に呼ぶ?いやいやいや、来る訳ないでしょ?

何言ってんだこの女神様ひとと、目を剥くが気にもせず話は続く。

「この術は一種の選別でもあり、やはり住民は選ぶ必要があります。」

まあ、アーティファクト満載の神様直管轄の島に誰彼構わず来たらたまげるわ、私が。

「そもそもシオン、貴女は島とそれ以外のクエストの現場。何か違う感じがしませんでしたか?」

あ、いきなり話題振ってきた。

こっちの反応無視して喋りまくってたのに。

しかもクエストの現場って。

工事現場じゃないんだから。

「シオン?」

あ、そうだった。違う感じがしたか?

何かあった?強いて言うなら力がみなぎってきた気がするくらい?

わがやに帰って来たからですかね?」

その時の感じを説明しながら女神様を見上げる。

すると、大きく頷いて女神様は足下の島に視線を送ると、再び口を開く。

「その通りです。この島はある種″神域″に該当するので、同じ惑星内であっても別の力の流れがあります。」

へー、始めて知った。

今始めて聞いたからだけど。

「だからここに来る事の出来る人とを選別する必要があるのです。」

「力がみなぎってる土地にですか?何か不具合でも?私、変わらないですけど。」

「貴女は″巫女″で、神域に属していますから。」

あ、そうだった。

何だか、女神様の表情変で言葉に含みがある気がするけど。

「シオン、その″力がみなぎっている感じ″は本来は異常な事なのです。通常の生き物の領域とは異なるのですよ?」

それはすなわち、通常の生き物にとってはただの危険地帯でしかない。

女神様⁉島、危険地帯なの?え?私、大丈夫?

「先程も申し上げましたが、貴女はこちら側に属していますから大丈夫です。」

あ、そうだったと二回目の安堵。

なら、何?

何を選別するのか?いや、待てと私は女神様から視線を外して島を見た。

このクエストは島に入れる人を探して連れてくるって事か?

大丈夫かと、ゆっくり女神様に視線を向けると、やはりゆっくり頷くのが見えた。

何だか説明会になってしまいました。

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