日常1
「ライオンさんたち、格好良かったねー」
「うんうん、大きくて立派だったね」
チャビーに園香、舞奈たちはリュックを背負って、だらだら歩く。
「例によって、おまえはウサギに怖がられてたけどな」
「うるっさいわね」
軽口に、側の明日香が睨んでくる。
その側には委員長と桜。
後には無口なりに楽しげなテックと、謎の物まねをしているみゃー子。
いろいろあった楽しい遠足の帰り道。
舞奈たちが集団で商店街を歩いているのには、訳がある。
「締めに桜の歌を披露するなのー」
「いや、おめぇんじゃねぇだろ」
桜の妄言に舞奈がツッコみ、その側で委員長が微笑む。
以前のあずさのライブで、委員長が場繋ぎで歌ったブルースは大好評だった。
なので予定がないときは『Joker』で練習をさせてもらえることになった。
もちろん使用料もタダ。
オーナー曰く、契約している【音楽芸術保証協会】から補助が出るらしい。
アーティストの育成支援の名目でだ。
魔術結社【ミューズの探索者協会】の息のかかった著作権管理団体。
芸術により人々の正の感情を喚起し、魔力として利用しようとする組織。
彼らはその目的のために、割と手段は選ばないらしい。
それは良いことだと舞奈は思う。
要は全力で人を楽しませようとする魔法使いの集団だ。
それはともかく、今日は丁度ライブのない日だ。
なのでオーナーから、放課後に何曲か弾いていかないかと連絡があったらしい。
もちろん委員長は好意に甘えることにした。
楽しく疲れた遠足の後に、まったく精力的なことである。
舞奈や皆は付き添いを兼ねた野次馬である。
「委員長の歌って、ステキ! ウサギさんたちも、ハムスターさんたちも喜んでた」
チャビーがニコニコ笑顔で言って、
「うんうん、桜たちのライブも大好評だったのー!」
「ええ、まあ……」
空気を読めない猿に明日香がやれやれと苦笑する。
「けど、そのギター便利ね。歌いたいときにすぐ出せるもの」
冷静に言ったテックに、
「そうなのです」
どこからともなくギターを取り出し構えながら、委員長は笑顔で答える。
その動作が手慣れているのと同じくらい、ギターを好きなのだと感じた。
彼女はギターを素早く正確に、なのにいたわるように優しく扱う。
舞奈にとっての愛銃と似て異なる……何らかの思い入れがあるのだろうか?
そう思って、ふと思い出し、
「そのギター、特注品か? そこらで買えるもんじゃないだろ」
何食わぬ顔で尋ねてみた。
実は動物園で、他支部の執行人と話した。
その際にちょっとあって、委員長の精緻なギターの出所が気になっていたのだ。
そんな舞奈の思惑には構わず、
「『Joker』のオーナーさんから、いただいたものなのです」
委員長は笑顔で答える。
そしてギターを愛でるように小さくかき鳴らす。
「オーナーさんも、昔は音楽をやってらしたそうなのです」
「おさがりって訳かあ」
なるほどなと舞奈はうなずく。
あのオーナーが、その昔はアーティストだったというなら納得だ。
彼女はアーティストに親身だ。
自身は【協会】には属していないにも関わらず。
それに音楽に対しても造詣が深い。
以前に委員長に、門外漢には気の遠くなるような指導をしていた。
たしか何かの音程が半音ずれているのだったか。
そんなオーナーは、アーティストの卵に自身の折り畳み式ギターを託した。
ずいぶん目をかけてるなあと舞奈は思う。
彼女が父親から音楽活動を反対されてるからだろうか?
あるいは委員長の将来性に、それほど期待しているということだろうか?
舞奈がそんなことを考えるうちに、一行は『Joker』に到着した。
出迎えてくれた妙齢のオーナーに皆で挨拶する。
そして委員長は客席から直接ステージに上がって歌い始める。
他の面子は客席に座って委員長の練習を見学する。
そんな中、舞奈がオーナーにギターのことを尋ねてみると、
「わたしがっていうか、仲間が……そう、仲間が使ってたギターなのさ」
そんな返事が返ってきた。
「これでも昔は、ちょっと名の知れたバンドをやっててね。同じグループに手先の器用な奴がいて、そいつがいろいろ作ってくれたのさ」
「それって、思い出の品なんじゃないのか?」
彼女の答えに、舞奈は思わず首をかしげる。
つまり、あのギターは昔の……おそらく今はもう会えない仲間が遺したものだろう。
「そいつを手放しちまって良かったのか? まあ委員長を高く買ってるのはわかるが」
「弾きたい奴が持っててくれた方が、ギターだって喜ぶさ」
舞奈の疑問を笑い飛ばすようにオーナーは答える。
けど彼女の横顔は、どこか遠くを見ていた。
それが何処なのか舞奈は少しわかる気がした。
長くもない人生の中で、たくさんの大事なものを失ってきた舞奈だから。
そんな感傷に浸りかけた舞奈に構わず、
「それに、必要ならまた作ってもらえばいいさ」
オーナーはそんなことを言い出した。
「……あいつは良い顔しないだろうけど」
その言葉に舞奈はビックリ仰天した。
「!? 近くにいるのか? その仲間とやらは」
「今でもこの街にいるよ」
「な、なんだって!?」
なんだよ遺品とか、そういう話じゃなかったのか。
舞奈は思わずズッコケかけて、
「そもそも、あのギターのメンテナンスはあいつじゃなきゃできないし」
「それもそうか……」
続く台詞に納得する。
なるほどギターだって他の道具と同じだ。
最高の状態で使いこなすには、小まめなメンテナンスが必要不可欠だ。
それができないなら、せっかくの宝も持ち腐れだろう。
しかも件のギターは特別製の折り畳み式だ。
メンテナンスにも相応な職人技が必要なのも道理だ。
たとえば設計した本人とか。
要は舞奈が銃のメンテナンスをスミスに頼っているようなものだ。
そんな風に舞奈が納得していると、
「興味があるなら会ってみるかい?」
「いいのかい? そんな簡単に」
「あんたみたいにある意味特別な子供には、あいつの腕前が役に立つさね」
言いつつ手近なメモに、その知人とやらの居場所を書き記してくれた。
舞奈もずいぶん高く買われたものだ。
知人の店とやらは、どうやら委員長の家の近くにあるらしい。
……というか統零町のはずれだ。
なので委員長がひととおり曲を弾き終えた後、舞奈は件の店へ行くことにした。
皆と別れ、統零町に家のある委員長と明日香とも別れてから、メモを頼りに歩く。
軍人街を進み、教会の前を通り、周囲は人気のないゴーストタウンになっていく。
「この方向って、まさか……」
新開発区とさほど変わらぬ廃ビルの通りに既視感を覚えつつ、
「……ここだな」
メモの場所と確認する。
廃ビルの隙間にポツンと建つ見知ったビルを見上げると、
『画廊・ケリー』
古びた看板がかけられていた。
看板のネオン文字の、『ケ』の字の横線が消えかけている。
……まあ妙齢のオーナーの友人で、器用な職人と聞いた時点で気づくべきだった。
舞奈はやれやれと肩をすくめる。
そして、ふと気づいた。
オーナーは、かつての音楽仲間とも言っていた。
ということはスミスは昔は音楽活動をしていたのだろうか?
そういえば舞奈は、彼の過去をほとんど知らない。
そんなことを考えていると、
「あーら志門ちゃん、いらっしゃい」
店の奥から、普段と変わらぬハゲマッチョがあらわれた。
いつもながらのスミスだ。
水色のスーツを着こんだマッチョの店主がしなを作って歩く。
その様は、実はアーティストっぽい振る舞いだったりするのだろうか?
首をかしげる舞奈の前に、
「おー! しもんだ!」
リコも元気にやってきた。
なので舞奈も「よっ」と挨拶してから、
「……『Joker』のオーナーに紹介されて来たんだが」
メモを手にしたまま、苦笑交じりに言ってみた。
スミスは怪訝そうな視線を返す。
ちょうど奥から鼻孔をくすぐる料理の匂いが漂ってくる。
何か美味いものを作っていたのだろう。
他の誰かに言われるまでもなく、スミスは器用だ。
銃の手入れができて、加工もできて、楽器の細工もできて、そのうえ料理もできる。
そう考えれば、昔は音楽も嗜んでいたと言われても納得できる気がする。
久しぶりにご馳走になりながら、スミスに昔話をせがむのも悪くない。
そんなことを考えながら慣れた調子で店の中に入ると、
「あら、舞奈さん」
「こんにちは、舞奈ちゃん」
「あんたたちも来てたのか、珍しいなあ」
楓と紅葉に出くわした。
正確には、4人掛けのテーブルに着席していた2人と目が合った。
「舞奈さんも一緒にご飯を食べませんか?」
「そりゃまあ、そのつもりだが……」
状況が飲みこめぬまま、誘われるがまま椅子に座る。
「おー! 4人でごはんだ」
隣の椅子にリコが跳び乗り、はしゃいだ様子で足をバタバタさせる。
舞奈も床に足がつかないのは同じだが紅葉や楓の手前でバタバタはしない。
そんな微妙な意地を張る舞奈に構わず、
「ふふ、あたたかい夕食は心と身体の双方を癒し、元気づけますよね」
楓は満面の笑みを浮かべて言った。
「あんたたちは、毎日、豪華な夕食を食ってるんじゃないのか?」
首をかしげる舞奈に、
「その、昨日は姉さんが手作りの晩御飯を作るって言ってね……」
紅葉が暗い声で答えた。
その打ちひしがれた様子に皆まで聞くのも躊躇われ、
「……できないんなら、誰かに教えてもらえよ」
できるだけ優しい口調で言ってみた。
夕飯が予期せず御釈迦になる悲しみと辛さを、舞奈も知らないわけじゃない。
それに正直なところ、そろそろ腹がすく時間なのは事実だ。
なのでスミスが皿を並べる様を、4人でわくわくした目で見守る。
そしてテーブルの中央に香り立つ鍋が置かれ、エプロン姿のハゲマッチョが慣れた手つきでよそうと同時に、4人は熱々のシチューに襲いかかった。
そして腹もくちくなった頃、
「けど意外だったよ、あのフォーカードのスミスに、こんな近くで会えるだなんて」
上機嫌に紅葉が言った。
「しかも、こんな素晴らしい手料理までご馳走になれるなんて」
すっかり空になった皿と鍋を片づけるマッチョの背中が、こそばゆそうに揺れる。
「……なんだそりゃ。ファイブカードの親戚か?」
舞奈は聞きかじった知識で軽口を返す。
たしかファイブカードは10年以上前に活躍した超有名なロックバンドだと聞いた。
彼らの曲はロックの定番曲になって今でも歌い継がれている。
なので門外漢の舞奈すら、何曲か彼らの歌を知っている。
だからスミスたちも、それにあやかって適当なバンド名を名乗ったのだろう。
そう思った。だが、
「親戚っていうか……原点かな?」
「どういうことだ?」
訳知り顔で言った紅葉に問いを返す。
まず紅葉がロックに造詣が深いとは意外だ。
……否。
音楽のリズムとスポーツの体捌きには、動きという共通点があるように思える。
かくいう舞奈も近接銃術におけるタイミングを計算だけで計っている訳じゃない。
それがリズムだと言われれば納得もできる。
だから芸術家の楓より、スポーツマンの紅葉に音楽を語られたほうがピンとくる。
……聞くところによると楓の歌は微妙らしいし。
それより、ファイブカードはロックの定番だ。
その原点とは如何な意味だろうか?
そんな舞奈の疑問に答えるように、紅葉は語った。
フォーカードは15年くらい前に結成されたロックバンドらしい。
舞奈やリコが生まれる前、紅葉や楓も物心つく前の話だ。
メンバーは、その名の通り4人。
ボーカルのクロード。
ギターのライト
ベースは紅一点のクイーン。
そしてドラムのスミス。タフでマッチョなイメージのあるドラムを、なよっとしたオカマが担当していたことで少し話題になったらしい。
彼らのラフな活動とラフな音楽は、技術の高さと共にファンの間で評価された。
パートもきっちり決まっている訳ではなく、ボーカルは全員がしてたし、ギターとドラムが入れ替わることもあったらしい。
だが数年の活動の後、メンバーが入れ替わった。
ドラムのスミスが抜けて、代わりに2人の新メンバーを迎えた。
2人目のボーカルであり女性メンバーのジョーカー。
そしてスミスからドラムを引き継いだキング。相撲部主将だった彼の巨躯は、オカマに劣らぬインパクトとして界隈の注目を集めたらしい。
「ガタイだけで有名になるって、どんなデブだよ」
苦笑する舞奈の前に、
「ふふ、この子がキングよ」
スミスは壁のコルクボードに留められた1枚の写真をはがして、テーブルに置いた。
古びた写真の大半を占めているのは、ギターを構えた長髪の肥満児だ。
ドラムの専属ってわけではないらしい。
彼のガタイを足元の猫と比較すると、縦は舞奈の1.5倍、横は4~5倍ほどか。
なるほど、こんなのがドラムをガンガン叩いていたら、そりゃあ目立つだろう。
他の5人のメンバーなんて、写真の隅に追いやられている。
そんな酷い絵面なのに、見ていて飽きないのは皆が楽しそうだからだ。
皆がお気に入りのギターを抱えて、側の仲間を意識して笑う。
肥満児が場所を取りまくる微妙な状況すら、心の底から面白おかしい。
面子が6人いるということはメンバー交代の際に新旧の皆で撮ったのだろう。
そして、舞奈はこの写真を見たことがある。
校長室の机の上で、古い額縁に入っていた写真だ。
今は小さく萎びた校長は、ロックの定番となった有名バンドのメンバーだった。
そしてスミスも。
その事実に、なんだか舞奈はワクワクした。
隣で聞いていたリコも、話を理解していないなりに雰囲気だけは察したのだろう。
写真の隅の女性(仮)を指差して「スミスだ」と笑った。
なるほどスミスだ。
マッチョな今のスミスとは真逆に、一見すると女性に見えるほど華奢で細身だ。
なのにどう見てもスミスなのは、身のくねらせ具合があまりにわざとらしいからだ。
一目見てスミスだとわかる。
今のマッチョな体格でそうする様も大概だが、当時もかなりキワモノな扱いだったのではなかろうか。
そんな舞奈の微妙な表情は無視して、紅葉の話は続く。
彼らはグループ名をファイブカードへと変え、新たな一歩を踏み出した。
同時にクロードはエースへと、ライトはジャックと改名した。
ボーカルはエースとジョーカー。
ギターはジャック。
ベースはクイーン。
そしてドラムはキング。
たまにドラムとギターが交代することはあるものの、パートはほぼ固定になった。
ボーカルも2人の専属になった。
そのほうが客の受けが良かったからだ。
元相撲部主将の力強いドラムと、ジョーカーの魅惑的な歌声、そして古参メンバーの地力が相まって、ファイブカードは当時の一世を風靡した。
それでも何事にも終わりは来る。
今から10年ほど前、ファイブカードは解散した。
彼らが最後に歌った曲は『GOOD BY FRIENDS』。
これまで支えてくれたファンへ、そして一足先に去った仲間へ贈る歌として……
……それから10年が経った今、すべては伝説と化した。
彼らの歌はロックの定番曲となり、ロックを目指す者たちに歌い継がれている。
委員長もそうだし、先日に戦った萩山光もそうだ。
スミスは写真を、コルクボードに再びピンで留める。
すると古びたロックバンドの写真が、その他の写真と一緒にスミスの人生の一部になった気がした。
そして舞奈は、ふと思う。
こうしている今も、いつか彼にとって思い出のひとつになるのだろうか?
あるいは自分にとって。
そう考えると、なんだか不思議な気持ちがした。
決して悪い気分じゃなかった。
まるで、歌を聞いた後のように。
舞奈がそんな伝説の余韻に浸っていると、
「楓ちゃんに紅葉ちゃん、頼まれた品よ」
「まあ、ありがとうございます」
「ありがとう。たすかるよ」
スミスはテーブルの上にスーツケースを乗せた。
「楓さんたちまでスミスに頼みごとか?」
思わず首をかしげる舞奈に、
「ええ、実は明日香さんの御実家から売っていただいた銃の加工をお願いしていたのですよ。安倍の工房では扱っていない種類の加工らしくて」
楓が答えた。
それが楓たちが、今日、この店を訪れた理由だ。
流石に飯だけ食いに来たりはしないだろう。
「にしても、あいつのところで無理なんて、どんな特別な細工をしたんだ?」
「ふふ、口で説明するより見ていただいた方が」
言ってにこやかにケースを開けかけた手をふと止めて、
「リコはみてても、へいきだぞ! リコはくちがかたいにんげんだから!」
ワクワクした表情でリコに言われ、舞奈がうなずくのを確認してケースを開ける。
正直なところ、舞奈も興味津々だ。
その中に納められていたのは――
「……お、おう。なんだこりゃ?」
舞奈は思わず困惑した。
ケースの中に納められていたのは2丁の銃。
1丁は、FNハースタル社のP90。
未来的なデザインの短機関銃だ。
正確にはP90TR。
レシーバー上部がピカティニーレールになったタイプだ。
もう1丁は、同じくFNハースタルのファイブセブン。
P90と共通の特殊弾を用いる拳銃だ。
こちらも銃身の下側はフレームと一体化したピカティニーレールになっている。
結局、2人は専用弾薬を使用する高価な銃を選んだらしい。
しかもオプション装備を付けまくるつもりらしい。
それはいい。問題は……
「おー! きんピカだ!」
リコが目を丸くする。
そう。
金ピカなのだ。
どちらも樹脂部分は黄金色に輝くゴールドに塗装されている。
P90のレシーバー等の金属部分は、鮮やかな青色のブルーイングが施されている。
成金趣味、という言葉を寸でで飲みこみ、
「こいつに何の意味が……?」
「ふふ、特別な用途に使う品物ですので、相応に気品のある装飾を施さなければと」
「聞いてた以上に美しい仕上がりだね。恩に着るよ、主人」
「紅葉さんも納得してたのか……」
舞奈は思わず苦笑する。
金色と青のコントラストが織りなすそれは、芸術と評しても良いのかもしれない。
だが銃は武器だ。
飾り付けるようなものじゃないだろう。
なんというか、ブルジョワのセンスは理解できない。
そもそも楓は絵画のコンテストで入賞するほどだ。
美的センスは普通なはずなのだが……?
……いや、常人と少しずれた感性を持つ故に、あれほどの美を表現できたか?
どちらにせよ舞奈から見ると、それはロックバンドのオカマと同程度にキワモノだ。
明日香の実家【安倍総合警備保障】で断られたというのも、可能とか不可能とかではなく、そんなのやってられるか! 玩具じゃないんだ! ということだろう。
なんというか、先ほど聞いた話の感動が台無しな気がした。
だが、ちらりと見やると、スミスも銃の出来栄えにまんざらでもない様子だ。
……これも彼と彼女らの人生の1ページになるのだろうか?
そう考えると、なんとも微妙な気分になった。