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銃弾と攻撃魔法・無頼の少女  作者: 立川ありす
第11章 HAPPY HAPPY FAIRY DAY
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ささやかな冒険の結末

「にゃ~」

 ドアの隙間からでてきたのは、子猫だった。

 黒とグレーの縞模様の、小さくて可愛らしい子猫だ。


「この子はアメリカンショートヘアね」

 明日香は顔を輝かせ、眼鏡の位置をくいって直しながらうんちくを吐いた。

 その仕草に何か反応してほしいのかもしれない。

 だが、子猫はそんな明日香は無視して園香の上履きをカリカリする。

 目当ては手にしたクッキーだろう。さらに、


「ああっ!? ルージュ待って!」

 ドアの向こうで幼い少女の声がして、影は動きを止めた。

 そしてドアに引っ掛けた何かを外すガタガタという音に続いて、


「あ!」

 見覚えのある少女が出てきた。

 子猫は幼い少女の腕に飛びこみ「なぁ~」と鳴く。


「おばけの正体はあんたたちか」

 舞奈はやれやれと苦笑する。

 子猫を抱いた幼い少女は、執行人(エージェント)エリコだ。


「貴女は3年生の一之瀬えり子ちゃんね」

 明日香はやや面喰いつつも、物知り顔で言った。

 意地にでもなったか、眼鏡をくいっとするのも忘れない。


 舞奈もエリコの本名を聞いたのは初めてだが、チャビーや園香は完全に初対面だ。

 うっかり知人面をする前に先手を打ったのだろう。

 そういったところは抜け目ない。


「えり子ちゃん、ネコちゃん、クッキーを食べる?」

 園香は気にせず袋を差し出す。

 エリコ――一之瀬えり子はおずおずと2枚受け取り、1枚を食べる。

 もう1枚を子猫に差し出す。


 子猫は美味そうにクッキーをかじる。

 そして、えり子を見上げて「なぁ~」と鳴く。


 そんな様子を見やって舞奈は笑う。

 何だか初めてネコポチを見たときの様子と似ている。


「えり子ちゃん、どうしてこんなことをしたの?」

「それは……」

 園香の優しげな問いかけに答え、えり子はポツリ、ポツリと話しはじめた。


 えり子は子猫を、学校帰りに見つけたらしい。

 だが大通りに近いそこは、人も車もたくさん通る。

 だから安全な学校に連れてきて、音楽室でこっそり飼い始めたのだそうな。

 それが1週間前のことだ。


 ルージュという名も彼女の命名だ。

 たしかフランス語で何かの意味があったはずだ。

 カタリ派の祓魔術(エクソシズム)を修めた彼女らしい。


 そういえば、そんな状況もネコポチと似ている。


 奴も例のビルの入り口で鳴いていたところを、チャビーが見つけて世話をしていた。

 だが、ある日、ネコポチはチャビーの前から姿を消した。

 魔道具(アーティファクト)の魔力を吸収し、魔獣マンティコアと化したのだ。


 チャビーは必死にネコポチを探した。

 舞奈は仲間と共にマンティコアを倒し、子猫を救いだした。

 そして子猫はチャビーの家の猫になった。


 だが、えり子の家は母子家庭で、猫を飼う余裕もないらしい。

 桜の家にも猫はいるが、共稼ぎの貧乏子だくさんの中に猫1匹紛れこむのと、母ひとり子ひとりでギリギリの生活をする中で猫を飼うのとでは訳が違う。


 もちろん執行人(エージェント)のえり子は給金を貰ってる。

 だが、それが仕事人(トラブルシューター)とはいえSランクの舞奈より極端に多いことはない。

 家計の足しにするので精一杯だろう。


 だから彼女は、子猫を学校でこっそり飼うことにした。

 給食を少し取り残し、夕方にこっそり音楽室を訪れて子猫に食べさせていた。


 だから音楽室にはパン屑が散らばっていて、猫の鳴き声がした。

 そしてそれが、おばけの噂の元になったのだろう。


 さらに、今日の昼間、チャビーと園香は、3年生に例の噂について聞きこみをした。

 どうせ夜に音楽室を訪れることも話したのだろう。

 それにより、えり子も今夜、音楽室に人が訪れることを知った。


 深淵を見つめる者は深淵に見られているという。

 同じように噂を探っていたチャビーたちも、噂に探られていた訳だ。


 だから、えり子は子猫の秘密を知られまいと、来訪者を追い返す計画を立てた。

 おばけの噂を逆に利用して。


 彼女は皆が下校した後もひとりだけ帰らず、音楽室に潜んでいた。

 ベティが見回りをしたはずだが、見落としたのは大雑把な性格故か。


 そして椅子や机を積み上げ、カーテンをかぶせて『おばけ』を作った。

 そう言われて見てみると、中々の力作だ。

 3年生のえり子が大きな机をひとりで積み上げるのは無理だと思うが、彼女は天使を呼び出して手伝わせることができる。

 声は音楽室の機械で作ったらしい。


 だが、どちらにせよ子猫をこのまま音楽室で飼い続けることはできない。

 連れこんで1週間で噂になったのだ。

 猫1匹を誰にも気づかれずに匿い続けるのは不可能だ。

 そんなことは、誰よりもえり子本人がわかっているはずだ。

 それでも――


 ――室内から違和感。


 思わず見やる。


 次の瞬間、おばけが崩れた。

 怖ろしげに見えるよう歪に積み上げられた机や椅子が、バランスを崩したのだ。


 音楽室の床に、壁に、いくつもの椅子や机がぶちまけられる。

 凄まじい倒壊音と衝突音。

 えり子は子猫をかばい、チャビーと園香は身をすくめる。


 さらに、ドアから大きな机が飛び出してきた!


「あっ!」

 机が飛来する先には、園香とえり子。


 この学校の音楽室で使う机は2人用の長机だ。

 そんなものが、ごく普通の女子小学生に勢いよく激突したら、どうなるか?


 とっさに園香父が動こうとするが、間に合わない。

 えり子や明日香がこっそり術で対処する余裕もない。


 ――そなたが病院に担ぎこまれるビジョンが見えた。


(ああ、なるほどな)

 このままならない世界が、舞奈に何をさせるつもりだったのかようやくわかった。

 だから動くのは一瞬だった。


「危ない!」

 園香父がそうするより速く、机を背にして園香とえり子の前に立ちふさがる。

 2人の瞳が驚愕に見開かれ――


「――!!」

 舞奈の背中に大きな机が激突した。

 跳ね返った机は派手に宙を舞い、けたたましい音を立てて廊下を転がる。


「マイちゃん!」

「舞奈君!?」

「……!?」

 園香は両手を口に当て、園香父もえり子も驚愕の表情を浮かべて舞奈を見やる。

 明日香は声もなく、チャビーは悲鳴すらあげられずに目を見開く。だが、


「イテテ。あんな大きなテーブルを、どうやって積んだんだ?」

 舞奈は笑う。


 鍛え抜かれた舞奈の肉体を、飛んできた机ごときで傷つけることはできない。


 なぜなら、机がいくら大きいからってマンティコアほどじゃない。

 それにカギ爪も牙もない。

 異能力を使うわけでも、完全体に転化する訳でもない。

 ただ飛んでくるだけだ。


 そこで背中を絶妙な角度に傾け、避弾経始の要領で弾いたのだ。

 運動エネルギーを引き受けずに受け流したから、跳ね返った机は派手に飛んだ。

 なので舞奈の身体にダメージはない。


 それを苦もなくやってのけるのがSランクだ。

 一見すると普通の女子小学生だが、舞奈は【機関】が認めた最強だ。しかし、


「舞奈君! 私と一緒に病院に行きなさい!」

 園香父は焦って言った。


「いや、このくらい平気だよ」

「何を馬鹿なことを言っておるんだ! 怪我をしていたら大変だろう!」

 軽薄に笑って手をひらひらさせる舞奈に、園香父は声を荒げる。


 彼は怒っていた。

 舞奈の身を本気で案じているからだ。


 真神家の大黒柱は厳格だが、公平で人情溢れる父親だ。

 だから娘の友人の身体を、まるで自分のことのように心配する。

 そんな父に守られ育ったから、園香は今の園香になったのだ。


 そんな園香も、そしてチャビーも、今にも泣き出しそうな顔で舞奈を見ている。

 彼女らにとって、舞奈は少しばかり運動のできるクラスメートでしかない。

 怪異や異能に銃一丁で対抗する無敵の仕事人(トラブルシューター)ではない。

 だから、この状況で心配するなというのも無理な相談だ。


 舞奈はようやく、鷹乃が観たビジョンの本当の意味に気づいた。

 この状態から彼女らを安心させる手段はただひとつ。

 大人しく病院で検査を受けて、無傷と健康を証明してもらうことだ。


「ここは、わたしたちで何とかします」

 明日香がそう言ってくれたのが渡りに船。

 舞奈は園香父に従って病院に行くことにした。


 園香と父が乗って来た乗用車の後部座席に、園香とチャビー。

 舞奈は助手席だ。


 舞奈は園香父に苦手意識があるので、特に会話はなかった。

 だがシートベルトを面倒くさがったせいか父は「痛むかね?」と気づかってくれた。

 普段は人外の超人に準じた扱いを受けている舞奈からすると、どうも調子が狂う。


 車から病院の玄関口まで、舞奈は園香父におぶさって行った。

 園香父がそうすると言って聞かなかったからだ。

 鷹乃の預言の通りである。


 子供ながら筋肉がみっちり凝縮された舞奈をおぶるのは彼には荷が重い。

 正直なところ大人の彼よりSランクの舞奈の方が体幹もしっかりしてて、逆に舞奈が彼をおぶった方が安定するくらいだ。

 だが舞奈の身を案ずる心意気だけは本物だった。


 舞奈は職業柄、この年代の男性に対してはヤニの臭いを警戒する。

 ヤニの臭いのする大人は、脂虫と呼ばれる危険な怪異だからだ。

 だが、まっとうな人間の大人である彼は、煙草など吸わない。

 だからほのかに香る加齢臭も、まあいいかと思える。


 そんなこんなで診療時間外にも関わらず、園香父が無理を言って検査を受けた。

 その結果、


「かすり傷ひとつない! テーブルがぶつかったなんて信じられん!」

 医者は目を丸くして驚いた。


「筋肉でテーブルをはね返したんじゃ。なんて鍛え抜かれた鉄の様な肉体じゃ!」

 診断結果もそこそこに、舞奈の肉体がいかに強靭なのか、これほどの筋肉を維持するためにどれほどの鍛錬が必要なのかをとうとうと語り始めた。

 最後の方はテレビの超人みたいな扱いだった。

 なので結局、普段と変わらない感じになった。


「マイちゃん、よかった」

 けど園香がしがみついてくれたので、まんざらでもなかった。


 園香父は医者に丁重に礼を言い、受付で時間外加算分を含めた結構な額を払った。

 舞奈が立て替えると言ったら、睨まれた。


 同じ頃、学校の音楽室。


「いやー、ボスや舞奈様は、こんな楽しそうなことをしてたっすね」

 ベティは2人用の長机をひょいと持ち上げて運ぶ。


「別に楽しんでないですよ」

 その横で、えり子と一緒に机を運びながら、明日香はやれやれとため息をついた。


 さらにその側では、空飛ぶブタが2体で机を運んでいた。

 えり子が召喚した天使だ。


「……ごめんなさい」

「いえ、貴女を責める意図じゃないから」

 凹むえり子に慌ててフォローする。


 珍しく気づかわしげなのは、えり子の事情を少しばかり知っているからだ。


 彼女の父親は脂虫だった。

 そして彼女が必要に駆られ最初に『習得した』呪術は【屍鬼の処刑エグゼキュシオン・デ・モール・ヴィヴァン】だ。

 横柄で邪悪な脂虫を擁する家庭ではよくあることだ。

 その中で幸運なのは、えり子と母親が生き残ったことだ。


「怒ってないの?」

「いちおう学校に状況説明はしてもらうけど、わたしからも取り成すわ」

 微妙にはぐらかすような明日香の答えに、だが強張ったえり子の表情が少しゆるむ。


「ほう、良い先輩っぷりではないか」

 教卓に腰かけながら、そう言って笑ったのは鷹乃だ。

 膝の上で、縞模様の子猫がえり子をはげますように「なぁ~」と鳴く。

 そして鷹乃の手の中のクッキーをかじる。


 えり子が先ほど語った事情は、すべてではない。


 彼女が学校帰りに見つけた子猫は脂虫にいたぶられ、今まさに殺されそうだった。

 それをえり子が術と機転で救い、治療した。

 音楽室で飼っていたのも、外で飼うのが心配だからという理由だけではない。

 効果時間の短い【いつわりの治癒(プスド・ソワン)】を毎日かけなおすためだ。


 それを知っているから、そもそもこの場に彼女を責める者などいない。


「口を出す暇があるなら手伝ってくれないかしら」

「そうしたいのは山々じゃが、式神が偵察用のものしかおらぬのでのぉ」

「……いえ、人間の手と足で」

 明日香は口をへの字に曲げる。


 鷹乃は様子が気になって来ていたらしい。

 廊下の窓の外を横切った影は、彼女の式神だ。


 ちなみに、ひとりしかいない守衛のベティが呑気に作業してるのも、校門に式神を停めて見張りをさせているからだ。


「けど、ボスが一時期より気さくになったのは本当っすよ」

「……うん」

 ベティが言って、えり子も言葉少なく同意する。


「貴女たち……」

 明日香は睨む。


 えり子と知り合ったのは、明日香が【機関】にいた頃だ。

 明日香よりさらに幼くして【機関】の一員となったエリコに、似たような境遇の年の近い先輩がいるとニュットが勝手に引き合わせたのだ。

 当時のえり子は術が使えるだけの完全な非戦闘員の扱いだった。

 だが明日香が【機関】を去ってから、後釜のように執行部に配属されたと聞く。


 鷹乃は明日香が幼いころから友人で、ベティも割と以前から部下だった。


 実は皆、舞奈より古くから明日香を知っている。


「安倍明日香よ、例の娘からメールがあったぞ。検査の結果、志門舞奈は怪我ひとつしておらなんだそうな。まあ順当であるな」

 鷹乃は携帯片手に笑う。


「他人の携帯を勝手に……」

 そんな鷹乃を一瞥し、明日香は口をとがらせる。


「……良い子ね」

 えり子はぼそりと、ひとりごちる。

 鷹乃を見やり、鷹乃が持った携帯を見やり、うつむいて机を運ぶ。

 そんな後輩を見やって明日香は口元に笑みを浮かべ、


「ある意味、彼女は特別なのよ」

 だから【機関】と【組合(C∴S∴C∴)】が総力を挙げて救出に動いた。

 そう言外ににじませて。


 えり子はこくりとうなずく。そして、


「ちなみに貴女がそうなったら普通に【機関】【組合(C∴S∴C∴)】双方が動くことになるわ」

 明日香は口元に笑みを浮かべて、言った。

 えり子は驚いて明日香を見やる。


 当然と言えば当然の話だ。

 えり子は魔道士(メイジ)だから【組合(C∴S∴C∴)】には彼女を守る義務がある。

 そして【機関】も構成員を守るために動かねばならない。


 えり子は明日香を見やる。

 明日香は珍しく挙動不審に目をそらし、


「……当然ながら【掃除屋】にも依頼は来るわ」

 ぼそりと言った。


 えり子の顔に安堵が浮かぶ。

 そんな様子を見やり、明日香はますます目をそらす。


 そんな2人を見やってベティと鷹乃はこっそり笑う。


「例の娘も志門舞奈も、直帰するようじゃ。わらわたちも片づけたら帰るかの」

「……鷹乃さんは何もしてないけど」

「それはそうと安倍明日香よ、猫好きなのか? この調子でメールしてたら例の娘も不審がると思うのじゃが」

「だから、なに勝手に他人のメールを見てるのよ!」

 明日香は珍しく声を張りあげた。


 ……そして再び舞奈たち。

 病院を後にした一行は、園香父の車で帰路についていた。


「だから平気だって言ったろ?」

 皆を安心させるように、舞奈はわざと得意げに言ってみた。


「……娘をかばってくれて、ありがとう」

 園香父が、小さな声でそう言った。


「そんなの当然だよ」

 そう言って舞奈は笑った。


「舞奈君、家はどこかね? 今日は遅いから送っていこう」

 園香父にそう言われ、舞奈は困る。


「いんや、新開発区の方っすから……」

 冗談めかして言ってみたら、父にギロリと睨まれた。

 適当なこと言ってると思われたらしい。


 だが園香父はすぐに前を向き、


「なら家に泊まっていきなさい」

 その言葉に、後部座席の園香とチャビーがビックリする。


「いいんすか?」

 舞奈も少し驚きながら問い返す。

 たしか舞奈は彼から出入り禁止を言い渡されていたはずだ。


「こんな時間に君ひとりで家まで歩くつもりかね? ご両親には私から事情を話そう」

 それならタクシーで帰らせるという手段もあるのだろうが、舞奈の性格柄、それだと勝手に途中で降りて変なところに行きそうだと思ったのだろう。

 おおむねその考えは正しい。


 それに誰かの身を案じるということは、そこまで考えるということだ。

 だから、その気遣いを無駄にするのも忍びなくて、


「そんじゃ、お言葉に甘えます」

 言いつつ携帯を取り出し、管理人の固定電話にかける。


『志門か!? おまえからかけてくるなんて、どういう風の吹き回しだ!?』

 相変わらずの怒鳴り声に、思わず耳から携帯を話す。


『まさか、おまえの追ってた何とかが、旧市街地を滅ぼすなんて言わんだろうな!?』

「安心してくれ、そういうんじゃなかった」

 苦笑する。


「今晩、友達の家に泊まることになった。帰るのは明日だ」

『……お、おう、そうか』

「だから、あー……心配しないでくれ」

 運転席の園香父を何となく意識しながら付け加えた一言に、一瞬、電話の向こうが戸惑う気配。そして、


『おまえがどうかなるような何かあったら、こっちは心配どころじゃないわい!』

「そりゃそうだ」

『……先方さんに迷惑かけるんじゃないぞ!』

「わかってるよ」

 普通の家の親みたいなことを言ってきた通話を切って、園香父に向き直る。


「家の人、おっけーだって」

「そうか」

「よかったね、マイちゃん」

「やったねマイ!」

 園香とチャビーが歓声をあげた。


 その後、折角だからとチャビーも交えて真神邸で夕食をご馳走になった。


 食後には園香父と一緒にチャビーを家に送り届けた。

 園香父は行きは2人の小学生、帰りは舞奈をかばうように車道側を歩いた。


 無論、車道側から何かされた場合に的確に対処できるのは彼ではなく舞奈だ。

 だが今晩だけは、そんな野暮は考えず、大人に守られる気分を味わった。


 そして、真神邸に戻ってから風呂を借りた。


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