受難(?)の日々の幕開け おまけ
受難(?)の日々の幕開けの後、こんなことがあったとかなかったとか。
◇◇◇
「ガリッグ団長! あのっ、助けてくださいっ!」
アルルはセラフィムの腕の中から、まだ抜け出すことができずにいた。強く拘束されているわけではないのだが、なぜか動けない。
そしてセラフィムといえば、ガリッグがアルルに頼られていることが気にくわない。
「アルル、いいですか? あの男に助けを求めてはいけません」
「え? どうしてっ」
「あの男は、アッチの性癖がありますから」
「アッチ?」
「そう。あとで詳しく教えてあげますが、アルルみたいな子はあの男に近づくだけで危険です」
その訳の分からないセラフィムの台詞に、焦ったのはガリッグ。
「誤解を招くようなことを言わないでくれ!! しかもそれはアンタの…」
何か言いかけていたガリッグは突然ガクっと膝をつき、バタっと地面へ倒れた。
「え、え? ガリッグ団長? どうしたんですか!? 大丈夫ですか?」
「あの男は丈夫だから平気ですよ。さて、アルル。騎士団をやめるために、一応、騎士団総長のところへいきましょうか」
「あ、まって、なに? 俺、い、いやだぁ~~~~」
アルルはセラフィムに腕を引かれ、城の方へと連れて行かれてしまった。
そして、置いてけぼりのガリッグは……。
(あの野郎……俺がしゃべる前に体痺れさせる魔術かけやがった……)
その後半日ほど、ガリッグ団長を探す騎士が大勢いたらしい。
めでたしめでたし?