2. 悪い知らせ
とても申し訳ありません。
以前の作品を削除してしまいましたが、展開が少し早すぎると感じたため、方向性を変えて、もっと落ち着いて別の新しい作品を始めたいと思いました。
時間をかけてしっかり向き合い、支えながら作っていきます。
この物語は、きっと本当に面白いものになると思います。
火曜日だった。
今回は大和はちゃんと早起きして、時間通りに仕事に着いた。
「おはようございます、店長」
「ははは、そんなに堅苦しくしなくていいよ。名前で呼んでくれて構わない」
大和は休む間もなくコーヒーを淹れ続けた。
カフェのテレビではニュースが流れていて、前夜、わずか三分間で複数人が殺害されたと報じられていた。
発見された遺体は全員、笑顔だったという。
それを聞いて、大和は不安になった。
休憩時間になり、昼食を買いに外へ出た。
大和はたこ焼きが大好きだったので、迷わず行きつけの屋台へ向かった。
「いつものください、カミナリさん」
カミナリ:40歳。
大和の家族ぐるみの知人で、17歳の頃からたこ焼き屋台を続けている。
大和は一人っ子で、先週、両親は仕事の出張で家を空けていた。
「仕事はどうだ?」
「正直、すごく順調です。でも、かなり疲れます」
大和はたこ焼きを頬張り、一口一口を楽しんでいた。
数分後、食べ終わって時間を見ると――また遅刻しそうだった。
「クソッ!」
大和は走り出したが、店の入口には怒った顔の木村が立っていた。
「いやいや、落ち着け大和。もう入らなくていい。今日は帰ってくれ。
――なぜなら、お前はクビだ!」
木村はそう言い放ち、扉を勢いよく閉めた。
大和はその場に崩れ落ち、泣き出した。
なんて運が悪いんだ。
しばらく泣き続け、自分の人生と運命を呪った。
その不思議な場所で――
赤い水晶の球を通して、大和が泣いている姿が映っていた。
「ケッキ、何を待っている?」
「ククク……安心しろ。俺に任せておけ」
大和の携帯が震えた。
ヒヨリからのメッセージだった。
『こんにちは大和。元気にしてる?
今日、街の中心で会えたら嬉しいな』
大和は緊張した。
気分は落ち込んでいて、行くべきか迷った。
自分の暗い気持ちで、ヒヨリを困らせたくなかった。
それでも、行くことにした。
『わかった。そこで待ってる』
家へ戻る途中、大和はうつむいて歩いていた。
すると誰かとぶつかり、二人とも地面に倒れた。
顔を上げると、顔に刺青の入ったスーツ姿の男だった。
まるでヤクザのように見えた。
大和は慌てて立ち上がり、男を助け起こした。
「す、すみません!わざとじゃありません!
どうか、何もしないでください!」
男は立ち上がり、埃を払って微笑み、大和に近づいた。
「気にするな、坊や。大丈夫だ」
男はそのまま歩き去った。
大和は胸をなで下ろした。
大事にならなくてよかった。
家に着くと、ヒヨリとの約束の準備をした。
お金と、いつか“初めての友達”に渡そうと取っておいたプレゼントを持った。
大和は少し元気になり、駅へ向かった。
電車に乗るため、早めに到着した。
駅でヘッドホンをつけ、夢中になっている漫画を読んでいた。
『チョコの冒険』第21巻。
電車の乗車時間は約30分だった。
――その時、肩を叩かれた。
あのヤクザだった。
「また会ったな」
大和は凍りついた。
男は不気味な笑みを浮かべ、笑いながら肩を掴んだ。
「そんなに怖がるな。
この見た目で誤解されがちだが、俺は善人だ」
大和は言葉が出なかった。
青ざめたまま、次の駅に着いた。
そこは街外れだった。
男は電車を降り、背中を軽く叩いた。
「じゃあな、坊主」
我に返った大和は、再び漫画を読み続けた。
やがて目的地に到着した。
駅の階段を上ると、最後の段にヒヨリが立っていた。
「ひ……ヒヨリ、こんにちは」
「こんにちは、大和。どうしたの?緊張してるみたい」
「あ、いや、なんでもないよ……
それより、その服装、すごく似合ってるね」
「本当?ありがとう!
ファッションが大好きだから、そう言ってもらえて嬉しい」
二人は街の中心を歩いた。
レコードと音楽ショップに入り、特別仕様の限定アルバムに目を奪われた。
二人とも、世界的に有名なシティポップ歌手・クリスタルの最新アルバムを探していた。
それはクラシック音楽の棚の奥に、まるで誰かが隠したかのように置かれていた。
同時に手を伸ばし、取り出す。
――最後の一枚だった。
すぐにレジへ持って行き、購入した。
その後、服屋へ行き、ヒヨリは服をリメイクするための服を選んだ。
大和は時間を見て焦った。
夕食に誘いたかったが、財布の中はほとんど空だった。
別れを選んだ。
「急でごめん、ヒヨリ。
ちょっと用事ができてしまって……」
「そっか……大丈夫。また今度会おう」
電車に乗り、大和は少し落ち込んだ。
また別の機会があるはずだ。
駅から家へ歩く途中、ニュースを見た。
黒ずくめの男が殺害され、遺体は笑っていた。
誰かに追われている気がして、走り出した。
家に着くと、鍵をかけ、ベッドに倒れ込んだ。
(心の中)
「最悪な一日だ……
ヒヨリとの時間は良かったけど、夕食に誘えなかった。
仕事はクビ。お金もない。
親に知られたら家を追い出される……」
人生に意味がないと感じた。
友達はできたが、それだけでは足りなかった。
その夜、酒を飲みに出た。
夜の店で残りの金をすべて酒に使った。
酔いながら街を歩き、見上げると高いビルがあった。
迷ったが――決めた。
苦しみを終わらせよう。
階段を上りながら、ヒヨリの顔が浮かんだ。
屋上に着き、腕を広げ、叫び――
涙を流しながら、飛び降りた。
「俺の番だ」
空中で叫び続ける大和。
突然、誰かに抱きとめられた。
涙で視界がぼやけ、誰かわからない。
目を閉じた。
――死んだと思った。
天使か、悪魔か。
目を開けると、自分の部屋だった。
目の前にはスーツ姿の男。
体の半分は人間、もう半分は黒い霊体のようだった。
大和はパニックに陥った。
「落ち着け、大和。
お前を助けに来た」
男は微笑み、手を差し出した。
大和は信用できなかったが、男は近づき、抱きしめた。
「辛い日々だったな。
でも、もう終わりだ。
これからは俺がそばにいる」
大和は強く抱き返し、泣いた。
人生が良くなると信じた。
――確かに良くなる。
だが、この世に無料の救いなど存在しない。




