バーサーカーと戦う
バーサーカーは止まらない。
床を踏み砕きながら、
一直線に突っ込んでくる。
「正面から受けるな!」
アレンが叫び、剣で進路を逸らす。
だが――
ガンッ!!
剣が弾かれ、
アレンの腕がしびれる。
「硬っ!?」
「肉体強化が常時全開だ」
セリオが歯を食いしばる。
バーサーカーは吠え、
自分の腕を噛みちぎった。
血が飛び散る。
その瞬間、筋肉がさらに隆起した。
『マダ……タリナイ……!!』
「痛覚切ってる……完全に狂ってる」
ナギが距離を取りながら呟く。
次の瞬間、
バーサーカーがナギを狙って跳ぶ。
「ナギ!」
アレンが叫ぶ。
ナギは踏み込み、
刃を一閃――
しかし、刃は筋肉に食い込み、
途中で止まった。
「っ……!」
バーサーカーの拳が振り下ろされる。
ドンッ!!
衝撃で床が砕け、
ナギは転がった。
「くっ……!」
「動くな!」
セリオが詠唱を始める。
魔法陣が展開され、
拘束の光がバーサーカーを縛る。
だが――
『オオオオ!!』
筋肉が盛り上がり、
光の拘束が、バチンと弾けた。
「嘘だろ……」
セリオの顔が青くなる。
ルミエルが、
静かに前へ出た。
「バーサーカーは」
「興奮状態が頂点に達すると――」
杖を掲げる。
「内側から、壊れます」
ルミエルの詠唱が響く。
「聖術《断絶熟成》」
次の瞬間。
バーサーカーの体内で、
筋繊維と骨が同時に悲鳴を上げた。
『ガ……ッ……!?』
膨張していた筋肉が、
一気に限界を超える。
内部から、崩壊。
狂気の咆哮は、
喉で途切れ、
鈍い音とともに巨体が崩れ落ちた。
戦場に、
重い沈黙が戻る。




