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同性愛断罪
ザビエルは210号室の前に立っていた。
アレンとセリオが同性愛に耽っている、という密告を信じて。
「堕落はここだな」
扉を開ける。
中にいたのは、知らない男二人だった。
同じベッド。近すぎる距離。自然に絡んだ指。
ザビエルは叫んだ。
「やはり堕落は事実!!」
「いや、俺たち普通に恋人ですけど」
「神の介入は!?」
「ないです」
「教義違反の煽動は!?」
「ないです」
ザビエルは混乱した。
(……誰も煽っていない) (……神も関与していない) (……なのに成立している)
理解できないものを、
ザビエルは断罪するしかなかった。
「不健全だ!!」
扉を叩き閉め、逃げる。
廊下で呟く。
「……アレン達の方が、
まだ“神のせい”にできた……」




