魔法を求めて
「版画を量産できるようになったおかげで、Dexが10も上がったな……」 私は指を鳴らしながら言った。 「でも、そろそろ魔法も覚えたい」
ちらっと横を見る。 魔法のことなら――この人だ。
「セリオ、ちょっといい?」
「なんだい?」
「新しい魔法を覚えたいんだけど、どうしたらいい?」
セリオは少し考えてから、指を三本立てた。
「方法は三つある」 「まず一つ目。魔導書を読むこと」 「これは……正直に言うと、かなりIntが高くないと無理だ」 「ナギには多分、無理」
「言い切るな」
「事実だからね」
セリオは続ける。
「二つ目。魔法使いを食べること」
「待って」
「爪とか髪でいいなら協力できるけど」 「ある程度“肉”を食べないと効果が出ないらしい」 「だから――」
セリオは肩をすくめた。
「僕が死ぬ可能性が高い」
「却下で」
即答した。
「で、三つ目は?」
「モンスターを食べること」 「法則は一応あるけど、何を食べたら何を覚えるかはランダムだね」
「なるほど……」
私は少し考えて、手を叩いた。
「じゃあ決まりだ」
「え?」
「今から四人でダンジョン行こう」
アレンが露骨に嫌な顔をする。
「また碌でもないこと考えてるだろ」
「失礼だな」 「成長のためだよ、成長の」
セリオは苦笑した。
「……まあ、モンスター相手なら安全だしね」
私はにっと笑う。
「よし、実験開始」 「次は何の魔法が出るかな?」
――嫌な予感しかしないダンジョン行きが、こうして決定した。




