36/163
BLは世界を救う
おい、そこの者。
私が書いた聖書をすべて焼却せよ。
これより、ナギ様の書かれたもののみを聖書とする。
信者にも徹底させろ。
それから宗教画家を総動員し、
ナギ様の聖書を写本せよ。
来月決行予定だった
「恋人のいる者を皆殺しにするアルマゲドン」は保留だ。
すべて、ナギ様のご意志に委ねる。
さくらは、近くの従者に向かって
とんでもない命令を次々と言い放った。
「な、何をおっしゃるのです教祖様!
一番大切な聖書を燃やすなど――」
「黙れ。
もう一度同じことを言わせる気か。
その場合、お前は死刑だ」
「……ナギ様のおかげで、私、理解できました」
さくらは恍惚とした表情で続ける。
「生殖本能ではない、
同性同士の愛。
それこそが真実の愛なのですね」
そして、期待に満ちた目で問いかけた。
「ナギ様。
アルマゲドンは、今すぐ決行した方がよろしいでしょうか?」
「ダメに決まってるだろ」
――あぶねえ。
少しでも遅れてたら、死人が大量に出るところだった。
まさかBLで世界を救うことになるとは。
……この世界、大丈夫か?




