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シスター初めてBL本を読む

ルミエルが朝目を覚ますと、なぎは机に突っ伏して眠っていた。

机の上には、一冊の薄い本。

何気なく手に取った瞬間、ルミエルは固まった。

そこに描かれていたのは、210号室の二人――アレンとセリオだった。

「……これは……」

理解した途端、胸の奥がざわつく。

祈りの言葉も、聖典の一節も、頭からきれいに抜け落ちた。

なぎの方を見る。

寝息は静かで、何も知らない顔をしている。

ルミエルは本をそっと閉じた。

知らなかった感情が、確かに胸に残っていた。

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