前へ目次 次へ 31/163 シスター初めてBL本を読む ルミエルが朝目を覚ますと、なぎは机に突っ伏して眠っていた。 机の上には、一冊の薄い本。 何気なく手に取った瞬間、ルミエルは固まった。 そこに描かれていたのは、210号室の二人――アレンとセリオだった。 「……これは……」 理解した途端、胸の奥がざわつく。 祈りの言葉も、聖典の一節も、頭からきれいに抜け落ちた。 なぎの方を見る。 寝息は静かで、何も知らない顔をしている。 ルミエルは本をそっと閉じた。 知らなかった感情が、確かに胸に残っていた。