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同人作家
【ナギ、知って頭を抱える】
エリザベス王国、執務室。
ナギは一冊の本を机に叩き落とした。
ナギ
「……なんだ、これは」
表紙には金文字。
『第二百十号室注解書
――沈黙と距離の神学』
セリオ
「ローマ公国支部で作られたそうです。
既に第三刷まで行っています」
ナギ
「誰が許可した」
セリオ
「“教義の自由解釈”は認める、と……」
ナギ
「言った覚えはあるが、
ここまでとは言ってない」
ページをめくる。
ナギ
「……“同室であることは神の祝福”?」
さらにめくる。
ナギ
「……“視線が交わらないのは、信仰が成熟している証”?」
ナギは本を閉じ、机に突っ伏した。
ナギ
「ただの……同人誌だろ……」
アレン
「世界は、それを聖典扱いしてる」
ナギ
「やめろ」
セリオ
「ちなみに続編の構想もあります」
ナギ
「聞きたくない」
ナギは天井を見上げた。
ナギ
「……戦争より、こっちの方が止められないな」




