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植民地

女王は、静かに、しかしはっきりと問いかけた。


女王

「では、ローマ公国は――

 これより全て、我らエリザベス王国の領地でよろしいかしら?」


その言葉は確認だった。

だが同時に、拒否が存在しない問いでもあった。


使者の喉が、小さく鳴る。


ローマ公国使者

「……はい」


一瞬の逡巡ののち、使者は深く頭を下げた。


ローマ公国使者

「ローマ公国は、

 国土、人民、統治権のすべてを、

 エリザベス王国に委ねます」


大広間の空気が、わずかに変わる。

それは勝利の熱ではなく、

地図が塗り替えられる音だった。


セリオ

「……併合、確定ですね」


アレン

「戦争より、こっちのほうが重いな」


ナギは腕を組み、女王を見た。


ナギ

「言質は取ったな」


女王

「ええ。これで曖昧さは残りません」


サクラは会話を聞きながら、首を傾げる。


サクラ

「国って、そんなに簡単に増えるんですね」


ナギ

「簡単じゃない。終わっただけだ」


女王は使者に向き直り、告げる。


女王

「安心なさい。

 あなた方を“滅ぼす”つもりはありません」


使者の肩が、わずかに震えた。


女王

「ただし、“戻る”こともありません。

 今日からあなた方は、

 エリザベス王国の民です」


それは宣告であり、

この戦争の、最後の決着だった。

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