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食料問題の解決
焚き火の前で、鍋が静かに煮えていた。
肉は均等に切り分けられ、静かに器へと配られていく。
ナギは一口、慎重に噛んだ。
味は淡い。癖もない。
――だからこそ、飲み込むまでに時間がかかる。
ナギ
「……味じゃねえな、これ」
誰も返事をしない。
ただ、黙って噛み、飲み込む。
「食える」
「生きるためなら、食える」
その言葉だけが、焚き火の音に混じった。
ルミエルは、配給を続けながら、
負傷兵や倒れた仲間の遺体には、一切目を向けなかった。
鍋に入るのは、いつも陣の外から運ばれてきた肉だけだ。
ナギはそれに気づき、視線を伏せる。
ナギ
「……線は、越えてねえってわけか」
二口目は、少しだけ早かった。
腹が満ちると、思考が落ち着く。
不安は残るが、恐慌は起きない。
女王はその様子を見渡し、静かに息を吐いた。
女王
「兵糧の心配が消え、秩序も乱れない。
よく統率されています」
ルミエル
「当然です」




