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会議で布教

王城内・軍事会議室(その後)。


神の一言で会議が半壊したあと。

なぜか一番元気だったのは、教祖サクラだった。


「つまりですね!」


サクラがバン、と机を叩く。


「我らには」

「数を数える必要がないのです!」


「いや数は数えろ」

将軍が即ツッコむ。


サクラは聞いていない。


「なぜなら――」


くるっと振り返り、ナギを指差す。


「こちらにいらっしゃるのが」

「我らが神!」

「神ナギ様だからです!!」


ナギは椅子に座り、足をぶらぶらさせている。


「そんなに期待されると困るんだけどなー」


「謙虚!!」

サクラが即反応する。


「見てくださいこのお姿!」

「後光!」

「浮遊!」

「さっきの『減らせばいい』発言!」


「全部神の証です!!」


貴族たちがざわつく。


「いや、発言はだいぶ危険では……」

「神基準だと普通なのか……?」


サクラは勝手に布教を始めた。


「神ナギ様はですね」

「戦場に降りるだけで」

「敵の士気が下がり」

「半数が帰りたくなり」

「残りは存在を悔い改めます!」


「そんな能力ないよ?」

ナギが首を傾げる。


「あります!!」

サクラは即断言。


「なぜなら神だからです!!」


「論理が雑だ!!」


女王が静かに止めに入る。


「教祖サクラ」

「これは軍事会議です」


「承知しております!」


サクラは深々と頭を下げ、


「だからこそ」

「神の素晴らしさを」

「全軍に周知すべきだと!!」


「待て」

「布教するな」

「今は戦争中だ」


将軍たちが口々に止めるが、


「大丈夫です!」


サクラは満面の笑みだった。


「すでに資料を作ってきました!」


「用意いいな!?」


サクラが配り始めた紙には、

でかでかとこう書かれていた。


―――

【神ナギ様に祈るとこうなる】

・敵が減る(予定)

・怖くなくなる(気分)

・たぶん勝つ

―――


「たぶん!?」


アレンが頭を抱える。


「セリオ」

「うん」

「これ、現場に出したらまずくないか?」


「まずい」

「でも止められないな」


ナギは資料を覗き込んで、にこっと笑った。


「へぇ」

「わたし、そんな万能なんだ」


「はい!!」

サクラが即答する。


「神ですから!!」


「じゃあ」

ナギは無邪気に言った。


「期待に応えなきゃね」


その一言で、

軍事会議室の温度が一気に下がった。


サクラは感動して跪く。


「やはり我らの神!!」

「自覚を持たれました!!」


女王が低い声で言う。


「……誰か」

「この教祖を止めなさい」


誰も動かなかった。


こうして、

サクラの過大評価と暴走布教により、

戦争はいつの間にか

**宗教イベント扱い**になりつつあった。


なお、

神本人が一番事態を軽く見ていることに、

この時点ではまだ誰も気づいていない。

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