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現状確認
王城内・軍事会議室。
さすがにここは、サクラ教会議室とは空気が違った。
地図が広げられ、将校と貴族たちが並んでいる。
女王が静かに口を開いた。
「現状確認を」
軍務大臣が一歩前に出る。
「北方、聖ローマ公国。
確認されている兵力、およそ十万」
室内がざわつく。
「続いて東部」
「ザビエル陛下率いる反乱軍」
「こちらは三万前後と推定」
女王は眉一つ動かさない。
「つまり」
「挟撃されれば、合計十三万」
貴族の一人が声を上げた。
「我が国の動員数は?」
「直轄軍、地方貴族の兵を含め――」
軍務大臣は一瞬、言葉を選び、
「**最大で七万**」
沈黙。
誰かが呟いた。
「……数が足りない」
女王は即座に決断した。
「全貴族に出陣命令を出します」
「動員可能な兵はすべて前線へ」
「はっ!」
書記官が慌ただしく走り出す。
老貴族が慎重に言った。
「ですが女王陛下」
「兵数差は、ほぼ倍ですぞ」
女王は玉座から立ち上がり、はっきりと言った。
「承知しています」
そして一言。
「だからこそ」
「負けられません」
重い空気の中、
誰も反論できなかった。
――なお、この会議室の外では、
サクラ教教祖が雑用を引き受けて走り回っている。
だがそれは、また別の話である。




