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それぞれの立場

王城内・サクラ教会議室。


最初に言っておく。

この宗教はおかしい。

そして、それを一番楽しんでいるのが教祖本人だ。


王城の一室。

円卓を囲む一同の前で、サクラが晴れやかな顔で立っていた。


「では改めて、役職の確認をします!」


声がやけに弾んでいる。


「まず――こちら」


サクラは円卓の中央に視線を向けた。


そこには、小柄な少女がふわっと浮いている。

後光つき。仕様らしい。


「ナギ様。

このお方が――神です」


ナギはにこっと笑って軽く手を振る。


「よろしくねー」


異論?

あるわけがない。

光ってる。


「次に、ルミエルさん」


「はい、神ナギ様」


即座に跪くルミエル。

信仰心が安定している。


「ルミエルさんは聖女です」


「光栄です」


「そして」


サクラはアレンとセリオを見る。


「アレンさん、セリオさん」


「はいはい」

「聖人だよな」


二人は当然のように跪いた。


「今さら驚くことでもない」

「もう三年目だしな」


「ですよね!」

サクラは満足そうに頷く。


周囲がざわつく。


「え、前から!?」

「既成事実だったの!?」


「では最後に」


サクラは胸に手を当てた。


「私、サクラ」


一拍。


「このサクラ教の――教祖です!」


アレンとセリオがうなずく。


「知ってる」

「でも一番大事なのは次だろ」


「はい!」


サクラは満面の笑みで続けた。


「序列は、最下位です!!」


「うわぁ……」

「清々しいな……」


女王が思わず口を開く。


「……嫌ではないの?」


サクラは即答した。


「最高です!!」


「!?」


「神と聖女と聖人の下で」

「現場を回し」

「雑務をこなし」

「責任だけを背負う!」


両手を広げる。


「教祖の鑑です!!」


ルミエルが感動したように頷く。


「尊いですね……」


アレンが小声で言う。


「セリオ」

「うん」

「この人、向いてるよな」


「向いてる」

「一番やばい方向に」


ナギは楽しそうにまとめに入った。


「じゃあ確認だよ」


指を折る。


「わたしが神」

「ルミエルが聖女」

「アレンとセリオが聖人」

「サクラが一番下」


「はい!!」

サクラが元気よく返事する。


「雑用でも伝令でも支給管理でも!」

「なんでもやります!!」


「教祖が率先して下っ端やる宗教って何……」

女王は頭を抱えた。


ナギは後光を強めて結論を下す。


「うん」

「今日もいい宗教だね」


こうして――

教祖が最下層で大喜びしているという、

前代未聞かつ訂正不能な宗教パーティが、

今日も平和に機能していたのだった。

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