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法王反乱
――終わりだ。
なにもかも、最悪だ。
私が異端者として裁かれる日も、遠くない。
神に仕え、秩序を守り、血を被ってきたこの身が、
最後に与えられる名が「異端」とは。
だが、まだ終わってはいない。
現在、最もキリスト教徒が多いのは――
隣国、聖ローマ公国。
あそこでは、まだ神の名が力を持つ。
裁きが恐れられ、祈りが政治を動かしている。
女王は国を選んだ。
ならば私は、信仰を選ぶ。
サクラの教えに屈した王国に、もはや未来はない。
ならば外から、正義を持ち込むしかない。
聖ローマ公国と手を組む。
名目は「信仰の回復」。
実態は、王権への聖戦。
反乱だ。
内からではなく、外からの。
神は沈黙している。
だが、沈黙は否定ではない。
――私はまだ、神に選ばれている。
そうでなければ、
ここまで生き延びているはずがない。




