101/163
サイクロプスの肉団子
サイクロプスの残骸を前にして。
ルミエルは、無言で頷いた。
「……肉団子にしましょう」
「その発想、どこから来るんだ」
セリオが即座に突っ込む。
「挽き肉ですので」
ルミエルは当然のように答え、
みんち状になった肉を手に取った。
手際がいい。
血抜き、香草、塩。
迷いが一切ない。
「いや待て」
アレンが真顔になる。
「それ、元は――」
「気にしないでください」
「団子です」
丸める。
次々と。
ゴロゴロと、
巨大な肉団子が並んでいく。
「サイズ感が狂ってる」
ナギが引きつった笑みを浮かべる。
火を通すと、
じゅわっと脂が弾けた。
香りが、
異様に良い。
「……くそ」
セリオが敗北したように言う。
「普通に美味そうなのが腹立つ」
全員で、食べる。
一口。
「……っ」
アレンの目が見開かれる。
「……これは」
ナギの声が震える。
「力、入ってくる……」
体の奥から、
熱が湧き上がる。
【効果発動】
・STR 大幅上昇
・VIT 上昇
・物理攻撃力 上昇
・ノックバック耐性 上昇
「完全に脳筋飯だ……」
セリオが呆然と呟いた。
ルミエルは満足そうに頷いた。
「良い肉団子です」
ナギは箸を止め、
ぽつりと言う。
「……ダンジョンってさ」
「ほんとに、美味しくなるんだね」
ルミエルは微笑んだ。
「はい」
「下層ほど、特に」




