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小説家になろうラジオ大賞6

お嬢様の寝言は、未来の予言

作者: 夜狩仁志

なろうラジオ大賞6 参加作品。

テーマは「寝言」2巡目

 幼少期、お父様が私の寝言を偶然耳にし、それが後日本当に起こった、という事件から、

 どうやら私の寝言は未来を予知しているらしいです。


 子どもの頃は気にしてませんでした。

 しかしそのうち、周囲が騒ぎ出し深刻化していきます。


 遂に国の方針さえも、私の寝言で決めるようになりました。

 私は身の安全のため、王宮の一室を与えられ、そこで生活することに。


 ここは食べ物も美味しいし、

 安眠のためのマッサージもしてくれるし、

 広大なお風呂も独り占め。

 ベッドもフカフカ!


 しかも王宮では王族ともお近づきになれます。

 普段近くでお目にかかれない皇太子殿下も、一緒にお茶までしてくれます。


「この紅茶はいかがですか? 安眠効果があるようですよ」

「私には畏れ多い……とても美味しいです」


 贅沢できて良いことばかり!

 と思っていましたが……


 夜、私の寝言を聞き漏らさないように、夜通し常に神官が近くで監視。

 不正を防ぐために、必ず5人以上付き添います。

 毎晩、ベッドを取り囲む神官。


 気が散って眠れない!


 年頃の乙女が、寝衣の姿を見られるなんて!


 そしてストレスが蓄積されて不眠症に。

 さらに予言がでないプレッシャーで寝れずに……


 こんな生活、やめてやる!


 そう思った時、殿下が心配して尋ねてこられました。


 今までの不平不満をぶち撒けるわ!

 そして、ここから追放させてもらう!


「もうこんな生活嫌なんです! 毎晩、寝顔を見られて!」


 愚痴はヒートアップし、酒も要求!



 ……気がつけば、ベッド上?


 頭が痛い……

 飲み過ぎて記憶が……


「気が付きましたか?」 


 私の顔を覗き込むのは、優しく微笑む殿下。


「皆のもの、聞いての通りだ。御神託が下された。すぐに準備に取りかかれ!」


 御神託?

 もしかして私、何か寝言でも?


「あ、あの……殿下、私なにか言いましたか?」

「寝言で、皇太子と結婚しなければこの国は滅ぶ、と」


 な!?


 こうして私は皇太子妃としてプライバシーは保たれ、そのまま宮殿に住むことに。


 本当に寝言でそんなこと言ったのか?

 酔いのせいなのか?

 それとも殿下の嘘……


 今となっては分からない。

 けど、あの頃のように監視されることはなくなり、ゆっくり眠れることに。


「おはよう、よく眠れましたか?」

「はい……あの、寝言は言ってましたか?」


「ええ、私をもっと愛しなさい、と」


 ……たまには独りで寝たい。


 でも、

 正直、殿下と添い寝した方が、安心して眠れる……

 なんて直接口にできないから、寝言でもいいので言ってくれないかしら?

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