夢を、見た。
夢を、見た。
貴方が、傍に居てくれた頃の。
あまりの喜びに、ぎゅっと胸が締め付けられる。
これは、夢。
夢を見ながら、私はそう思った。
だって、貴方には、もう…逢えない。
世界は壊れてしまったから。
世界を、壊してしまったから。
忘れたくなくて、記録しようとあがき。
記録する度に薄れていく記憶に怯えて、記録する事がつらくなり。
消えて欲しくなくて、必死に留めようと、記録する事から逃げた。
どうやっても、私の行いは、あの頃を遠ざけて。
貴方を思い出せなくさせる。
それが怖くて。
でも、記録しなくては、想いも消えそうで。
だから、いつも、書こうと試みる。
書いた端から薄れる記憶に、抗いたくて。抗えなくて。
本当の姿なんて。見たこと無いし。肉声も、知らない。本名だって知らない。
でも、愛しいひと。
貴方を、まだ。
私は想っているのだと、突き付けられて、胸が痛くて目が覚めた。
きっと、私は未だに、夢の中。