ファラグナという名のプロローグ3
更新遅くなってすみませんでした。
女性と男性の2人が2m手前まで近づいてきた。その後一泊おいてから女性が少し前にでて衝撃の事実を口にした。
「ごめ~ん、別の人達と間違えて呼んじゃった。元の世界に戻すことが出来ないからこっちの世界で生活してね♡」
「え?すみませんがもう一度言ってもらえますか?」
「だから、間違えてあなたたちをこっちの世界に呼んでしまって元の世界に戻してあげたいんだけどそれはできないからこっちの世界で暮らしてね?」
「「「ええ~~~~!!」」」
女性に言われたことをすぐに受け止められたものは誰もいなかった。皆どうしたらいいのかわからないようだ。それもそのはずよくある異世界転移物だと魔王を倒したり呼び寄せた術者に帰還する方法を聞けたりするのだが、この世界に来てしまうともう地球に帰ることが出来ないと言われたのだ。
今までみんなが絶望までしなかったのは夢だと思っていたりきっと帰れる方法があるからそれまでの辛抱だと思っていたからなのだ。
「あの、本当に帰る方法はないんですか?」
「うん、ない」
小泉君の質問に対して間を開けずに強く真面目な口調で言ってきた事からどうやら事実として受け止めなければならないようだ。その言葉を聞いたからか先程よりも暗い雰囲気がにじみ出ていた。
「異世界転移とか二次元だけにしてほしいぜ、自分が転移するとかまじシャレになってねーよ」
彼はクラスで一番アニメやラノベが好きだった。名前はたしか氷川智樹よくラノベみたいな主人公に俺はなるんだって言っていた彼でも実際に体験すると不安の方が大きいようだ。
かくいう俺も異世界転移とか言われても信じることが出来ないでいた。元の世界でやり残したこと、今まで続けてきた仕事、自分にとって大切な人、両親、友達など正直これが夢であってほしいと思っている。
でもこれはもう変えられようのない事実であり、受け入れなければならない現実である。
「少し時間をくれませんか?この気持ちを落ち着かせたいので・・・」
「おっけー、じゃあ1時間後ぐらいにまた来るよ」
そう言うと2人はその場から姿を消した。歩いて去っていくのではなくどこかにワープしたかのように一瞬で消えてしまった。
「すげぇ」「まじかよ」「消えたぜ」「うそ・・・」
2人が俺たちの前から一瞬で消えたことによりあちらこちらから色々な声が上がっている。だがそれは同時にこれが地球ではないことの決定的な証明でもあった。地球において人や物が瞬間的に移動することなど不可能なのだから。
俺たちは与えられた1時間で決断をしなければならなかった。この世界で生きていくという決断を・・・。
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~1時間後~
俺たちは1時間友達同士(仲間)でこれからどうするか話し合っていた。俺はコージ、梨花、玲奈、翼の5人で相談していた。
5人で1時間弱話した結果俺たちはこの世界で暮らす事を決意した。5人で助け合いながら生きていく・・・これから・・・ずっと・・・・・・・・・。
「そろそろ覚悟は決まったかしら?」
声のした方を見ると先程の2人組が戻ってきていた。大体1時間位で本当に戻ってきた。俺たちは2人の方に向き直り話を聞く姿勢に入った。
「どうやら覚悟が出来たみたいねじゃあこの世界についてかる~く説明するわね」
この世界の名前は『ファラグナ』君たちの世界からみたら異世界って言う表現が正しいかな、『ファラグナ』は科学ではなく魔法が発達した世界だよ。この世界には人間以外の種族も存在しているよ。森の守護者エルフ、大地の精霊ドワーフ、獣人種、人族、そして魔人種だ。
エルフの特徴として美形が多く耳が少し長くとがっている。長寿で500年近く生きるものもいると言われている。基本的にエルフは『エルフの深淵』と呼ばれる森の中からでてこない。また他種族が『エルフの深淵』に入っても決してエルフの里にはたどり着くことが出来ない。他種族がエルフの里に行くためにはエルフの案内がないとたどり着くことが出来ない。
ドワーフは主に鍛冶士や木工師、建築士などの仕事についていることが多い、特徴として低身長で長寿で約300年近く生きることが出来る。エルフよりは長く生きられないが人間や獣人種に比べれば倍近く生きることができる。基本的に人間の町や『ドワーフ鉱山』と呼ばれるところに住んでいる。
獣人種の特徴は人間に動物の特徴(耳や尻尾など)が現れている。獣人の種類によって能力が少し違う。獣人には犬、猫、兎、狼の四種が存在している。犬種は嗅覚に優れ、猫種は視覚がよく夜でも昼と同じように物をとらえることが出来る。兎種は聴覚に優れている小さな声でもつぶやきでも拾うことが出来る。狼は力が人間よりも強い、また満月の夜に狼に変化することもある。
獣人は人間と仲が余りよろしくなく奴隷として働かされている国もある。また獣人には獣人の王国があるためそちらに人間が行くと嫌悪されたり少しでも悪いことをすると捕まってしまう。人間の国の中でも獣人を差別せず協力して生活している国や、町も多々ある。
悪魔種は魔王を中心として政権を作っている。現在人間種・エルフ・ドワーフ・獣人種と悪魔種は戦争状態にある。悪魔種は太古に大虐殺を行ったため他種族すべてと戦争状態にある。悪魔種の寿命は300年ほどだと言われている。滅多に攻め込んでくることはないが攻め込んできたら全面戦争になるかもしれない。
人間は王様、貴族、騎士、平民に分けられている。王様がいるのが王都『フレール』という名前だがほとんどの人が王都と呼んでいる。人間同士でも貴族は平民を見下していたりいろいろと面倒ごとがあるらしい。詳しくは自分で感じてくれということだった。
異世界らしい事といえばはやりギルドだろう冒険者ギルドと商業ギルドの二つが存在している。商業ギルドはその名の通り商業を中心に仕事をしている。
冒険者ギルドは町の人や貴族、王(国)、ギルドからの依頼をこなしてお金を貰うところであるまた。魔物を討伐して討伐部位を持ってくることで報酬を貰うことが出来る。
ギルドにはランクがあり、S・A・B・C・D・Eに分かれている。はじめはEランクからスターとしてクエストを成功したりギルドに認められるとランクが上がっていくのである。
以上が大雑把な説明である。
これから俺たちはこの世界『ファラグナ』で生きていくのだ。
8月も残りわずかとなってしまいました。プロローグはあと1話あるため今週中に更新していきたいです。