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エリシアとサディア5

今回は少し短めです。


~奏視点~



扉の方を見るとエリシアの妹のサディアが扉越しにこちらを見ていた。


服装は昨日来ていた服と同じものを着ていたが血や汚れは布団に寝かせる前に魔法を使って綺麗にしてあるのでカトレアの部屋に汚れはついていないだろう。


少女の顔色は昨日よりもよくなっており、自分の足で歩けるほどになっている。魔力も一時は暴走したらしいが今は落ち着いており静かに漂っている。


彼女の顔を見ると目が合い自然と見つめ合う形になってしまった。暫らくすると少女は目をそらしてしまったその直後「ぐうううう~」と少女のおなかがなった。少女は顔を赤くして恥ずかしそうにしていた。


俺は火を消して少女の目の前まで近づき少女の目線に合わせるようにしゃがみ声をかけた。



「サディアちゃんだよね?初めまして俺は奏このお店の店主かな」



少女は俺の問いかけに少し怯えながらもゆっくりと話してくれた。



「サディアはサディアです。此処はどこなのですか?」


「ここは水の街セレーネにある『朝露』っていうお店だよ」


「そうですか・・・」


「サディアちゃんは此処に来るまでの記憶はある?」


「はい、お父さんとお母さん、お姉ちゃんと一緒に出掛けるときに襲われて誘拐されました。そのあと脱獄してオーガに襲われ・・・そうだお父さんとお母さんは無事なんですか?」


「残念だけどお父さんとお母さんが無事かどうかは俺にはわからないこの店に来たのはエリシアとサディアちゃんだけだったから・・・。」


「そうですか・・・一つ質問いいですか?冒険者ランクDランクの人と訓練を積んでいない人のペアでオーガの追撃をかわせると思いますか?」


「正直に言うと厳しいと思う。C級の魔物っていうのはC級の冒険者が4人以上のパーティーを組まないと安全に討伐することが出来ない。仮に一人で討伐しようと思ったらC級上位の実力かB級冒険者ぐらいの実力がないと難しいと思う。」


「そうですよね・・・わかってはいたんです。オーガに向かっていく両親を見たとき助からないって・・・覚悟・・・していたんです・・・でも・・・・でも・・・・」



サディアはその場に崩れて泣き始めてしまった。まだ両親が亡くなったと決まった訳ではないがおそらく生きている可能性は限りなく低いだろう。


俺はサディアが泣き止むまで近くで慰めていた。主人公は泣き止んでいる女性を見ると頭を撫でて慰める人も多いだろうがこの場面でそれは非効率だと思うサディアと俺は初対面であり先程初めての会話したばかりなのでそう言った行為は逆効果だと思う。


暫く寄り添っているとサディアが泣きやんだ顔には涙の跡が残っていたが次第に笑顔になってきた。


「す、すみません、もう大丈夫です。ありがとうございました。」



「ぐうううう~」



再びサディアのおなかが鳴ったよっぽどおなかがすいていたのだろう。



「う~」


「おなかすいたよね?朝ごはん用意してあるから食べようか。」


「ありがとうございます。」



俺は少し冷めてしまったスープを温めてサディアと二人でご飯を食べ始めた。







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