エリシアとサディア4
遅くなってすいません。
今回はサディアがメインです。
サディア視点
私たちは町を出て暫くしたところで盗賊につかまってしまった。私たちを守ろうとしてくれた冒険者は検討むなしく帰らぬ人となってしまった。
盗賊のアジトに連れていかれた私たちは殺されることを覚悟した、そうでなくても家族はバラバラになるだろうと・・・
でもその予想に反して盗賊たちは私たちを一緒の檻に閉じ込めた。最初は何が目的だったのかよくわからなかった。食べ物も少量だがもらえていた。
でもその食べ物はあまりにも少なく家族4人全員が生きていくには足りなかった。
お父さんは自分の食べる分を成長期のわたし達に与え水だけで生活していた。
そんなあるとき私たちは偶然彼らの目的を聞いてしまったのだ。
おそらく彼は酔っていたのだろう普段は喋らないことを教えてくれた。
あの家族には少量の食べ物を与えている。だがそれでは生きていけないおそらく両親が先に死ぬだろう。両親がいなくなれば子供は抵抗する気もなくなってくるだろう。そうしたら奴隷商人でも売って金にしてやろう・・・・。
私たちは彼らの作戦を知ったとたん脱出できないかを考えた。そして彼らが宴会を開いている最中に逃げ出すことに成功した。
たがあまり食事をとっていなかった私たちの移動速度は遅く長時間の移動が出来ない状況だった。そんな時森の中からオーガがあら荒れたのだ。
私たちは必死に逃げた荷物を捨て全力で走った。それでもオーガの方が早かった。その時お父さんが隠し持っていた魔道具をオーガに投げつけた。その魔道具はすさまじい光を放ちオーガの視界を奪った。
その隙に私たちは距離を稼いだそれでもあまり離れることが出来ないと分かった両親は私たちに最後の言葉をかけた。
「エリシア・サディア行きなさい、ここは父さんと母さんが時間をかせぐから・・・」
「エリー、サディーのこと守ってあげてね・・・。私たちも後から必ず追いかけるから・・・」
「うん・・・わかったサディーの事は私が守るよ・・・。」
「い、いや、お父さん・・・、お母さん・・・。」
「エリー、もし私たちと合流できなかったら『朝露』に行きなさい・・・私達はそこの店主と親しかったからきっと力になってくれるわ・・・。」
ドスン・・・ドスン・・・ドスン・・・
「くそ・・・もう追いついてきやがった・・・。」
「時間がないわ・・・さあ、早く・・・」
「サディー逃げるよ・・・走って・・・」
お姉ちゃんはそう言うと私の左手を掴んで走り出した・・・。
それを見たお父さんとお母さんは覚悟を決めたように大きな足音のする方向に向かって走り出した。
「まって、お父さん、お母さん、行かないで――――――」
窓から優しく光が入り込んでくる。私はその光を感じてゆっくりと体を起こし始めた。
ここはどこだろう・・・あたりを見渡すと物がきちんと整理されていて部屋も白をメインに家具がそろえられている。大人っぽくも少し女の子らしいそんな感じの部屋だった。
誰のヘや何だろう?私の部屋はこんなに綺麗に片付いていないしお姉ちゃんの部屋?いやお姉ちゃんの部屋は人形がいっぱいあるしお姉ちゃんはずぼらだから服とか下着とかも散らかっているから違うか、お父さんの部屋はないか・・・お母さんの部屋は私たちの部屋よりは綺麗だけどさすがに此処まできれいじゃないよね。
これからどうしようとりあえず現状を確認しないとまずわたしの服装は最後に来ていた服と変わってないし持ち物は特に何も持ってなかったから気にすることじゃないか。
窓があるからとりあえず外を見てみよう。
わたしはベットから降りて窓を開け外を確認した。
窓の外にはわたしたちが生活していた街セレーネの街並みが映り込んでいた。少し身を乗り出して確認するとこの通りはかなり広い通りでなっており一度だけ父と一緒に魚市場に行ったときに通った道であることを思い出した。
この建物の向かいは八百屋らしくおじさんが朝からせっせと働いていた。窓の下は通行人が多くいてこちらをちらちら見ている人もいたので恥ずかしくなってわたしは窓を閉めて部屋の中に戻った。
「人が大勢いるってことは安全な場所なのかな。とりあえずお姉ちゃんと一緒にいたはずだからお姉ちゃんを探そう。もしかしたら家の人もいるかもしれないし・・・」
わたしはゆっくりと扉を開け部屋の外に出た廊下は人が2人並んで歩いても肩がぶつからないぐらいの広さであり目の前にはまた扉があった。右側は行き止まりで左側も壁になっていた。私は意を決して目の前の扉を少し開けた。
すると部屋の中から美味しそうな匂いが漂ってきたもう少し扉を開けて中の様子を見てみるとわたしより年上だけどお父さんやお母さんと比べるととても若くおそらく成人年齢だと思われる男性が料理をしていた。
顔は前に合わせてもらったお姉ちゃんの彼氏よりもかっこよくて私が凄く好きなタイプだった。
その男性はこちらに気づいた様子はなく楽しそうに料理をしていた。私の家ではお母さんが基本料理をしてくれていてお父さんが料理しているところを見たことがなかった。お姉ちゃんは料理が苦手なのでキッチンに立つことが少なくかという私もあまり得意ではなく一度家族に料理をふるまったときは不味くはないが美味しくもないという微妙な評価だったのだ。
男性が作っている料理からはとても美味しそうな香りが漂ってきていた。そういえば最後にご飯を食べたのはいつだったかな、ちゃんとした料理を食べたのはこの町にいるときだから5.6日前だったはず・・・そういえばおなかすいたな・・・・
「ぐうううう」わたしのおなかが大きい音を立ててなってしまった。その音に男性が気づいてしまったみたいでわたしの方に振り向いた。
その時彼の目とわたしの目がぴったり合っていた・・・・。
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