2年後の生活6
すみませんお話を確認したところ一部お話が飛んでいるところがあったので投稿しておきます。
まことに申し訳ございませんでした。
カトレアが旅に出てから既に2日が経過していた。カトレアがいなくなったことで俺の日常は少し変わっていた。いつもなら午前に買い出しと掃除をしてお店を開店していたのだが、カトレアがいないことにより店番がいないため店を開けるのが2刻程遅れてしまったのだ。また開店した後も接客や家事などに追われてしまい今までのように研究に時間を使うことが出来なくなってしまった。
生活リズムも少し変わってきていていつもよりも早く起きてお店の開店準備をしたり時間があれば市場にいって魚を安く仕入れている。食費などは出来る限り安くするのに越したことはないのだ。今はカトレアがいないため食事も材料も一人分でいいため普段より一日の食費が安くなっている。また朝の市場で買い物しているためいつもよりも少し安く新鮮な魚を買うことが出来る。
そして何よりもなれないのがこの接客である普段はカトレアがやってくれていたので俺はあまり接客をしてこなかったのだ。カトレアが店を開けるときだけ俺はカウンターに入っていたのだけなので常連さんは顔を覚えているが最近通い始めたお客さんなどはあまり記憶にないのだ。
その証拠にこの二日間カウンターに入っていて常連さんには普通に顔を覚えられていたのだがここ最近から通い始めた人が来たときは「どちらさまですか?」や「新しい売り子の方ですか?」などと言われてしまった。その時の返し文句として「いつもご来店ありがとうございます。一応この店の主です。」っていってきた。
お客さんは「そうだったんですかすみません」などと謝罪をしてくれていた。まあその後仲良くなることが出来たからよかったんだが・・・。
~カランコロン~
暫くするとお客さんが来店してきた。現在はまだ開店してから1刻も経過していないのでおそらくこれから冒険に出かける冒険者だろう。
「いらっしゃいませ」
「こんちわ~あれ今日は奏が店番しているの?」
「ミストか何だか久しぶりに姿を見た気がするなあ」
「まあ昨日まで護衛の依頼クエストで王都の方にいってて今日の朝帰ってきたばっかりだからそれもしかたないよ。」
ミストたちのパーティーはこの街を拠点としている冒険者だ。普段は固定パーティーを組んでいて冒険者ランクは現在この町で活動をしている中では最高ランクのBランク冒険者パーティーだ。Bランクのパーティーはミストの他にもBランクパーティーが4つ存在している。その中でもトップクラスの実力を持っているのだ。
「他のパーティーメンバーはどうしたんだ?いつも4人一緒に店に来るだろ?」
「皆はいつもの宿で寝ているよ、昨日の夜戻ってくるとき魔物に襲われてな護衛対象と一緒に徹夜で戻ってきたら疲れたんだと思うよ。」
「そっか、みんなは元気か?」
「ああ、アレクにコレットもメビィも皆相変わらずだよ、今朝も奏に戻ったことを伝えに行くと言ったら皆ついていくとか言っていたからね、まあ疲れもあると思うから皆休ませてるけど特にメビィとコレットが会いたいって言ってたよ、奏は2人から好かれているのかな。」
「そうなのかな?まあ嫌われるよかマシだけどな」
ミストのパーティーは4人でリーダーのミスト・サブリーダーのコレット・このパーティーのエースであるアレク・パーティーの最強の盾であるメビィの4人で成り立っている。ミストは主に槍を使った近・中距離で戦ったり場合に応じて弓などを使いながらパーティー全員に指示を出している。コレットは後方から魔法で攻撃している魔法士である。あまり見たことはないが接近戦もできると言っていた。
アレクは剣士でありチーム1の火力を持っている。パーティー単位やソロの時は片手剣のみで戦っているが護衛の時や他のパーティーと組む時は盾を持ってタンクとしても活躍している。メビィは聖と風の魔法属性を持っているため結界師として防御壁を張ったり簡素な回復魔法をかけながら戦っている。
この世界で回復魔法というのはとても貴重なものであり中級以上の回復魔法を使うには聖と水の魔法適正が必要となるが初級魔法なら聖の適性を持っている人なら使うことが出来る。ただ初級回復魔法にできることは簡素な傷を治したり少量の体力の回復程度でありそれ以上の事は聖と水の魔法適正を持つ人たちでなければできない。そのため冒険者や騎士団では聖の魔法適正を持つ人はとても重宝されているのだ。
このパーティーは前衛1中衛1後衛2の4人は少々アンバランスではあるがその分連携が取れているので特に問題がないと言われている。ただ一つ問題なのはアレクが突っ走りやすく少々女癖が悪いということぐらいだと思う。
「君も元気そうで安心したよ。そういえばカトレアはどうしたの?」
「ああカトレアは依頼を受けてレイーゼに行ってるよ、帰ってくるのは8日後位かな。」
「そう・・・」
「何か用があったのか?」
「いや特に用はないよ、ただ君と一緒にいなかったのを不思議に思ってね。」
確かにこの店を始めてから俺とカトレアはほぼずっと一緒にいたからその印象が強いんだろう。
「まあたまにはそういうこともあるさ。」
「さて、僕もそろそろ戻らせてもらうよ、疲れがたまったのかな眠いや」
「その方がよさそうだな。まあお大事に」
「うん、今度はパーティーメンバー全員で来るね。そうだ帰る前にこれだけは買っていかないと。」
ミストは売り場からポーションを5つと照明用の魔道具を持ってきた。ポーションは一つにつき銅貨5枚で魔道具は銀貨30枚のため合計が銀貨55枚になっていた。
この町で生活する人の一か月の平均収量は銀貨120枚でありわかりやすく言うと金貨1枚と銀貨20枚となる生活費が銀貨40枚ほどなのであり一般の人からすればかなり高額になるのだが、Bランクの冒険者は月に金貨3枚なのである程度は余裕があるのだろう。
「毎度あり、じゃあ皆にもよろしく言っといてくれ。」
「うん、わかった、じゃあまたね」
「ああ、また」
ミストが出ていった後2、3人お客さんが来て買い物をしていった。このお店に来てくれるお客さんはミストのように世間話をしてから帰る常連さんや目的の物だけ買って帰る人に分かれる今日来てくれたお客さんは常連さんばかりだったのであまり暇な時間がなくお店を閉めることが出来た。
お店を閉めた後俺は本日最後の仕事を果たすために準備を整えてから家をでた。