第1話: 出会い
よろしくお願いします。ゆっくり書くつもりですが、コメント等頂ければより頑張って書きます!
これはある高校生のちょっと不思議な青春の物語。
四月になり桜森高校に入学した。
最初の一週間が過ぎ、みんな新しい友達やグループ作り、部活動見学など、放課後も大忙しだ。
俺は何してるかって?さっさと帰る準備だ。
人と関わるのも面倒だし、必要最低限でいいと思ってる。帰ろうとすると、後ろから幼馴染の藤沢百合に話しかけられた。周りからは清楚で静かで美人と評判だが、こいつは昔っから俺に対してはお節介を焼く奴だ。
「ねぇ律、部活何入るか決めた?私は文芸部にするわよ!」
「なんにも決めてないな、部活入るのが義務ってこの高校おかしいだろ。放課後の貴重な時間を誰かと一緒に過ごすなんて…。時間の浪費だ。藤沢は、まぁ、文芸部だろうな。」
「えー、部活動楽しいじゃん!律も早くしたい事見つけなよー。高校生の本務は勉強と青春なのだ!」
指をビシッと決めてドヤ顔でのたまう。
まぁこいつの事は放っておいて、読者のみんなに自己紹介と行こうか。俺の名前は八鍬律、みんなからは苗字のやくわで呼ばれているが、裏ではヤクザと呼ばれている。顔が怖くて無口で無表情だから、怖がられるのはしょうがない。
名前で呼び捨てで呼んでくるのはこの藤沢だけだ。
「んじゃ、俺帰る、部活頑張れよ。」
そう言って教室を後にする。
「今月中に部活決めないとボランティア部になるからね!ちゃんとやりたい事考えるんだよー!」
「はいはい」
俺は振り向かずにそう言って手を振った。
やりたい事、か。本当になにもしたくない。一人でできる奴か、実質なにもしていない部活動を探すか。明日にでも。
そして昇降口で靴を履いていると、3人組のヤンチャそうな奴らが俺を睨んでいることに気づく。
一瞬、というより、3秒くらい気になって見てしまったが、なにも言ってこなかったので帰ろうとすると
「お、おい!八鍬!ちょっと話がある、体育館裏まで来い。」
なんかめんどくさそうだ。
この3人そう言えば同じクラスだったか?
俺は身長も高いしガタイもいい。近づいて見下ろしながら言う。
「はぁ、ここで話してくれませんか、俺急いでいるので。」
「すぐに済むから、…お願いします…。」
最初の凄みはどこに言ったのか、めちゃくちゃ怖がっている。
そうして渋々体育館裏まで行くと、3人のうちの一人が聞いてきた。
「お前、藤沢さんとどう言う関係なんだ⁉︎つつつっ、付き合ってるのか?」
あぁ、そう言うことか。
「いや、付き合ってないです、ただの幼馴染です。これからも付き合うような可能性は皆無です。では。」
あいつはモテるからな、たまに根性のない奴らが絡んでくる。ただ、藤沢を好きになるのはオススメしない。
こんな奴らの相手は時間の無駄なのでさっさと帰る。
「ぉ、おい!本当なんだろうな?まて八鍬!」
おれは無視してその場を後にした。
はぁ、面倒くせぇ。
体育館裏から出ると、周りの人が増えており、俺のことをチラチラ見ながらヒソヒソ話している。
「さっき体育館裏に行った人だよね、3人も連れ込んですぐに帰ってきたわよ?」
「あいつ相当強いな、1対3で秒殺したらしいぞ」
俺は昔から耳がかなりいい。ヒソヒソ話は全部聞こえる。
はぁ、面倒くせぇ。
へんな噂になりませんように。
少し気分を変えようと学校帰りに神社によってボーッとすることにした。ここは静かで、木々のせせらぎや、鳥たちの声しか聞こえない、お気に入りの場所だ。
気持ちよくなりウトウトしてしまい、ついには眠ってしまった。
「おーい、君、起きなさーい!風邪ひいたしまうぞー!」
ふと覚醒して、自分が神社で寝てしまっていたことを思い出す。慌てて起きるが、周りに人はいない、さっきの声は、夢だったのか?
「おーい、ここだよー!うえうえー!」
そして上を見ると、
なんか丸い物体が浮いている。
正確に言うと、手のひらサイズの丸い薄い赤色プニプニしてそうな物体に、手足が申し訳程度に付いている、もはやカー◯ィに羽がついた様な奴だ。
「な、なんだアンタ?」
「僕かい?僕はフリッツ・クライスラー、昔のしがないヴァイオリニストとさっ」
こうして、俺、八鍬律はこの変な妖精と出会ってしまったことで、さっきまで思い描いていた高校生活とはかけ離れた生活を送ることになるのだった。
クライスラー(ク)「なかなかカッコいい登場だったろう?」
律「いや、おれの目線からだとケツしか見えなかったぞ」
ク「えっ、」
律「丸いからな、アングルには気をつけてくれ」
ク「はい…」