がんばれよ
諸君、おはようございます、こんにちは、こんばんは。
タイトルの通り、俺はラノベ主人公である。
毎日朝はかわいいツンデレ幼馴染が起こしに来るし、美人な転校生はなんだか俺を気に入ってるし、
男が苦手な学級委員長も俺のことを気にしてるみたいだし、
血の繋がってない妹は俺にベッタリだし、
この前は家に急にサキュバスやらなんやらが出てきたし、
まあなんやかんや詰め込みすぎたかんはあるが、ここまで来れば自分も自ずとわかってくるのである。
俺はラノベ主人公ってことぐらいは。
俺にだけ異様に美少女が寄ってくるし、ラッキースケベなんて日常茶飯事だ。確かに嬉しい、
オトコとしてはとてつもなく嬉しいことなのだが、
嬉しくないのだ。
と言っても、俺はヤレヤレ…女ばっかよってきてうっとーしーぜ…まったく…というタイプではない。
ついでに言うとホモでもない。
俺には好きな人がいるのだ。
なんでか知らないけど俺は物凄く一途な奴みたいで、そいつのことが好きで好きで仕方がないのだ。
しかし俺の好きなやつは今までつらつら並べてきたラノベの中の量産せ女達とは違う。
名前は佐倉千代子。
本当の本当に、地味で平凡な、どちらかというとブスな女なのだ。
ラノベ主人公ならば、そんなブスと付き合うこと容易いだろう、と思われるかもしれないが、いやほんとにそんなことはなく、俺は「ラノベ主人公」だからこそ、ブスなんかとは付き合わせないとさせんばかりに世界が邪魔をしてくるのだ。
具体的に言うと、そのブスと話そうとすると量産製女が邪魔をしてくるのだ。
そのおかげで、俺は今も芋生活を送っている。美少女に揉まれながら。
タイトル通り俺は、幸せになれないラノベ主人公なのだ。