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春の渚  作者: 角谷 刮
9/14

(9)違和感

春の渚9話です。

PN変更いたしました。

数ある小説の中で、この作品を読んで頂いて有難うございます。

一星達はいつもの様に学校向かう。


「なーんか、翔のいない登校は、違和感を感じるね。」


先頭にいる未桜が、上を向いて言った。


「フフッ。

確かにね。」


咲希は、そう言うと笑いながら答えた。


「ねぇ!帰り翔の病室に行ってから帰ろ!」


未桜は、二人に聞いた。


「いいよ。」


「私も今日は、問題ないわ。」


こういう時には、未桜の元気な性格が、役に立つのである。

三人は、翔の病院に行く事を約束した。


学校着いて、三人は自分達が行く教室へと、足を運んだ。

一星は、自分のクラスに着くと、机の上にバッグを置いて、教科書を取り出すと机の下に付いてる所へ入れ、バッグをロッカーの中へ入れた。

席に着き

HR(ホームルームが、始まるまで読書して待っていたのだが、次第にどんどん著者の心理描写に魅了され、ぬめりり込んでいった。


「ほら。皆!ホームルーム始めるぞ!」


この先生の言葉は一星には聴こえてなかったらしく、ずっと本を読んでいた。


「おい!一星!聞こえているのか?」


「わっ!すいません。」


一星は、びっくりした様子で誤った。


「これからがいいとこだったのに…」


一星は、ちょっと愚痴ってはいたが、そこからは真面目に話を聞き出した。

すると、先生が翔の事について喋り始めた。


「あぁ、翔君の件なんだが、皆に重大なお知らせがある。

翔君は、今病院で寝ているのだが、意識がない。」


「何故意識がないんでしょうか。」


と、クラスの子が聞いた。


「翔君は、今脳死状態だ。」


クラスが、ざわめきだした。


「静かにしろ!」


クラスは先生が注意した瞬間静かになった。


「確かに、翔の件で辛いのは分かる。

でも、翔だって辛いんだ。」


そう言われても、高校生には辛い話であった。

一星は、昨日あれだけ泣いても、やはり、改めて聞くとまた、涙が溢れそうになった。

そのくらい一星は、苦しかったのだ。

休憩時間に入ると、未桜と咲希がやって来た。


「やっぱり、一星のクラスでも話になってるか。」


未桜は、来て早々と、そこに目をつけた。


「う、うん。僕も最初は、びっくりしたもん。」


「でも、今は落ち着いているのね。」


「学校だからね。」


三人は、翔の話で休み時間を終えた。

教科担任が一星の教室に入ってきた。


「じゃあ。私たちは戻る!

翔の事考えるなとは言わないけど、勉強もしなさいよ!」


未桜は、一星に注意するが、正直未桜も人の事を言える成績ではない。

号令と共に、授業が始まる。

一星は、真摯に勉強に向き合えた。

しっかり、ノートも取れているしむしろいつもの一星より、出来ていた。


学校が終わると、未桜と咲希が一星のクラスまで向かいに来た。

三人で病院まで自転車で向かった。


「そういえば、病院行き終わった後、どうする?」


未桜は、唐突に二人に聞いた。


「僕は、帰る予定だけど。」


「私も。」


二人は、未桜の問いにそっけない感じで返した。

未桜は少し寂しそうな顔をした。


「じゃあ。仕方ないか。」


未桜は、あっさり諦めた。


病院に着き受付で手続きを終えると、走って翔の病室へと向かって行く。

ガラガラと扉を開けると、翔はいた。

全く動いた様子もなく。

ただ、三人の空気が、どんどん悪くなっていった。


「翔。

目を覚ます事は、もうないんだよね?」


未桜が、俯いて言った。

やはり、ここに来ると三人のテンションは一気に下がる。

確かに友人がこの状態なので、この空気になってもおかしくはない。


「うん。」


一星も顔を俯かせて言った。


「じゃあ。帰るか。」


未桜は病室の扉を開けて出て行った。

咲希と一星もそれに続いて帰った。


「やっぱり、どんよりとした空気無理だわ!

一星あんた男なんだから、シャキッとしなさい」


未桜は、大声を出して言い放った。


「そんなの無茶だよ。」


一星は、弱々しい声で言った。

咲希は、笑って見てるだけである。

病院を抜けると、めいめい自転車の乗り込み、三人は、ペダルを漕ぎ始めた。


「よーし!今から十字路までね!ビリッケツは、ジュース奢りね」


未桜は、笑顔で言った。


「待ってよー。」


一星はスタミナも運動神経もないので一番遅い。

何故か咲希は、地味に早い。


十字路まで来ると順位は、やはり一位は、未桜 二位が咲希 三位に一星だった。

そこから、三人は家に帰るので別れて、帰って行った。

読んで頂き有難う御座います。

今後も続けていくので、宜しくお願いします。


毎週日曜日

18;00分

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