(9)違和感
春の渚9話です。
PN変更いたしました。
数ある小説の中で、この作品を読んで頂いて有難うございます。
一星達はいつもの様に学校向かう。
「なーんか、翔のいない登校は、違和感を感じるね。」
先頭にいる未桜が、上を向いて言った。
「フフッ。
確かにね。」
咲希は、そう言うと笑いながら答えた。
「ねぇ!帰り翔の病室に行ってから帰ろ!」
未桜は、二人に聞いた。
「いいよ。」
「私も今日は、問題ないわ。」
こういう時には、未桜の元気な性格が、役に立つのである。
三人は、翔の病院に行く事を約束した。
学校着いて、三人は自分達が行く教室へと、足を運んだ。
一星は、自分のクラスに着くと、机の上にバッグを置いて、教科書を取り出すと机の下に付いてる所へ入れ、バッグをロッカーの中へ入れた。
席に着き
HRが、始まるまで読書して待っていたのだが、次第にどんどん著者の心理描写に魅了され、滑り込んでいった。
「ほら。皆!ホームルーム始めるぞ!」
この先生の言葉は一星には聴こえてなかったらしく、ずっと本を読んでいた。
「おい!一星!聞こえているのか?」
「わっ!すいません。」
一星は、びっくりした様子で誤った。
「これからがいいとこだったのに…」
一星は、ちょっと愚痴ってはいたが、そこからは真面目に話を聞き出した。
すると、先生が翔の事について喋り始めた。
「あぁ、翔君の件なんだが、皆に重大なお知らせがある。
翔君は、今病院で寝ているのだが、意識がない。」
「何故意識がないんでしょうか。」
と、クラスの子が聞いた。
「翔君は、今脳死状態だ。」
クラスが、ざわめきだした。
「静かにしろ!」
クラスは先生が注意した瞬間静かになった。
「確かに、翔の件で辛いのは分かる。
でも、翔だって辛いんだ。」
そう言われても、高校生には辛い話であった。
一星は、昨日あれだけ泣いても、やはり、改めて聞くとまた、涙が溢れそうになった。
そのくらい一星は、苦しかったのだ。
休憩時間に入ると、未桜と咲希がやって来た。
「やっぱり、一星のクラスでも話になってるか。」
未桜は、来て早々と、そこに目をつけた。
「う、うん。僕も最初は、びっくりしたもん。」
「でも、今は落ち着いているのね。」
「学校だからね。」
三人は、翔の話で休み時間を終えた。
教科担任が一星の教室に入ってきた。
「じゃあ。私たちは戻る!
翔の事考えるなとは言わないけど、勉強もしなさいよ!」
未桜は、一星に注意するが、正直未桜も人の事を言える成績ではない。
号令と共に、授業が始まる。
一星は、真摯に勉強に向き合えた。
しっかり、ノートも取れているしむしろいつもの一星より、出来ていた。
学校が終わると、未桜と咲希が一星のクラスまで向かいに来た。
三人で病院まで自転車で向かった。
「そういえば、病院行き終わった後、どうする?」
未桜は、唐突に二人に聞いた。
「僕は、帰る予定だけど。」
「私も。」
二人は、未桜の問いにそっけない感じで返した。
未桜は少し寂しそうな顔をした。
「じゃあ。仕方ないか。」
未桜は、あっさり諦めた。
病院に着き受付で手続きを終えると、走って翔の病室へと向かって行く。
ガラガラと扉を開けると、翔はいた。
全く動いた様子もなく。
ただ、三人の空気が、どんどん悪くなっていった。
「翔。
目を覚ます事は、もうないんだよね?」
未桜が、俯いて言った。
やはり、ここに来ると三人のテンションは一気に下がる。
確かに友人がこの状態なので、この空気になってもおかしくはない。
「うん。」
一星も顔を俯かせて言った。
「じゃあ。帰るか。」
未桜は病室の扉を開けて出て行った。
咲希と一星もそれに続いて帰った。
「やっぱり、どんよりとした空気無理だわ!
一星あんた男なんだから、シャキッとしなさい」
未桜は、大声を出して言い放った。
「そんなの無茶だよ。」
一星は、弱々しい声で言った。
咲希は、笑って見てるだけである。
病院を抜けると、めいめい自転車の乗り込み、三人は、ペダルを漕ぎ始めた。
「よーし!今から十字路までね!ビリッケツは、ジュース奢りね」
未桜は、笑顔で言った。
「待ってよー。」
一星はスタミナも運動神経もないので一番遅い。
何故か咲希は、地味に早い。
十字路まで来ると順位は、やはり一位は、未桜 二位が咲希 三位に一星だった。
そこから、三人は家に帰るので別れて、帰って行った。
読んで頂き有難う御座います。
今後も続けていくので、宜しくお願いします。
毎週日曜日
18;00分




