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春の渚  作者: 角谷 刮
10/14

(10)偶然

こんにちは。

まさか、(10)まで続くとは思ってもみませんでした(笑)

これも、いつも読んで頂いてる皆様のお陰です。

本当に有難うございます。


では、春の渚10話どうぞ。

家に着くと、一星は、階段を上がり、直ぐに自分の部屋へと上がって行った。

そして、勉強机に座るとスクールバックから勉強道具を取り出し、静かに勉強を始めた。

カタカタと静かな部屋に中にペンをノートに滑らせる音だけが、鳴っている。


数時間経つと、一星の部屋まで聞こえるくらいの大きい声が聞こえた。


「一星!ちょっと買い出し行って来てくれなーい?」


一星の母親が、一階の階段の手前で大きい声を出し一星を呼んだ。


「はーい!」


一星も、大きい声で応答した。

勉強道具を片付けて、一階に降りて行く。

親から現金を受け取り、玄関の扉を開けて、外へ出た。

時間的にも空の色は暗くなってきており、カラスが、遠くへ飛んでいた。

一星は、少し早めに歩き、スーパーへと向かって行った。


スーパーに着くと、一星は、ポケットから折られたメモを取り出した。

それには、今日買う食品名が、書かれてある。

突然後ろから、ポンっと方を叩かれた。


「あ、咲希さん…。」


一星は、目を大きく見開き驚いたように言った。


「こんな時間にどうしたの?」


咲希は、笑顔で聞いた。

歩きながら、一星と咲希は話をしていた。


「母さんに頼まれてちょっと買い出しに。」


「偉いのね。」


一星は、照れたのか頭を掻いた。


「逆に咲希さんはなんでここに?」


一星は、顔を傾けて質問をした。


「国語のノートが切れちゃって。」


「真面目ですね。」


一星は、にっこり笑うとそう言った。


「そんな事ないわ。」


二人は、その後レジに向かい、会計を済ませた。


「あまりしっかり二人で話した事ないものね。」


「た、確かにそうですね。」


一星は、少し二人と云う言葉に照れながらも、言葉を返す。

咲希は、少し前に前進した。


「じゃあ、また、学校で。」


咲希は後ろを向きながらそう言うと、家へ帰って行った。

一星も、自分の家へと戻った。

もう、店へと向かった時間よりもすっかり暗くなっていた。

一星は、重い荷物を両手で持ちながら、走った。


「ただいま。」


一星は、大き声で言うと、玄関で靴を脱ぎ捨て、リビングへと向かった。


「買って来てくれた?」


「うん」


一星は、母親に買った品物を渡した。


「それじゃあ、お母さんはご飯作るから一星は、お風呂に入ってなさい。」


「うん。わかった。」


サーっと、シャワーを浴びろ音が鳴り響いてる中一星は、上を向き今日咲希と会った事を振り返っていた。

お風呂に浸かると今日の疲れが、一瞬で取れるような気がした。

奥からはいい匂いがして来ていた。


風呂から上がると、リビングに向かった。

リビングには、ビーフシチューと牛乳が置いてあり、両親はもう席に着いて食べていた。

一星も席に着いた。


「頂きます。」


一星は、そう言うと、ご飯を食し始めた。

大きく口を開け頬張った。

口の中には、香りが広がり噛んだ食感は絶妙だった。


あっという間に一星は完食した。

一星は、歯を磨くと、自分の部屋へと直行した。

部屋のドアを閉めて、ベッドへと向かった。

掛け布団も被らずバタリとその場で、寝てしまった。


「あれ?ここは。」


そこには、咲希と未桜と翔が居た。

一星は、そこに走って向かった。

しかし、三人に、何故か追いつく事は出来なかった。


「待ってよ!」


一星は、大声を出した。

だが、三人は振り向かず先へと向かっていく。

一星は、走っている、つもりなのだが何故か前に進まない。


一星が、目を開けると朝であった。

さっきのは夢。


「なんだったんだろぅ。」


一星は、ボソッと言うと、頭を掻いた。

ベッドから降りると、一階へ向かって行った。


リビングに行くと、両親共に起きていて父は新聞を読み、母はスマホをいじっている。

一星の朝食トーストパンも用意されていた。


「おーい!いっせーい!」


外からは元気のいい声が聞こえて来た。


「ごほっごほ!」


一星は、びっくりして喉にパンを詰まらせ、自分の右手で胸を叩き、なんとか、胃の方まで辿り着かせた。

急いでパンを口の中に放り込むと、走って外へ向かった。

読んで頂き有難う御座います。

とても、嬉しく思います!

良ければ、コメントを貰えると有り難いです!


投稿日;18:00分

毎週日曜日

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