(10)偶然
こんにちは。
まさか、(10)まで続くとは思ってもみませんでした(笑)
これも、いつも読んで頂いてる皆様のお陰です。
本当に有難うございます。
では、春の渚10話どうぞ。
家に着くと、一星は、階段を上がり、直ぐに自分の部屋へと上がって行った。
そして、勉強机に座るとスクールバックから勉強道具を取り出し、静かに勉強を始めた。
カタカタと静かな部屋に中にペンをノートに滑らせる音だけが、鳴っている。
数時間経つと、一星の部屋まで聞こえるくらいの大きい声が聞こえた。
「一星!ちょっと買い出し行って来てくれなーい?」
一星の母親が、一階の階段の手前で大きい声を出し一星を呼んだ。
「はーい!」
一星も、大きい声で応答した。
勉強道具を片付けて、一階に降りて行く。
親から現金を受け取り、玄関の扉を開けて、外へ出た。
時間的にも空の色は暗くなってきており、カラスが、遠くへ飛んでいた。
一星は、少し早めに歩き、スーパーへと向かって行った。
スーパーに着くと、一星は、ポケットから折られたメモを取り出した。
それには、今日買う食品名が、書かれてある。
突然後ろから、ポンっと方を叩かれた。
「あ、咲希さん…。」
一星は、目を大きく見開き驚いたように言った。
「こんな時間にどうしたの?」
咲希は、笑顔で聞いた。
歩きながら、一星と咲希は話をしていた。
「母さんに頼まれてちょっと買い出しに。」
「偉いのね。」
一星は、照れたのか頭を掻いた。
「逆に咲希さんはなんでここに?」
一星は、顔を傾けて質問をした。
「国語のノートが切れちゃって。」
「真面目ですね。」
一星は、にっこり笑うとそう言った。
「そんな事ないわ。」
二人は、その後レジに向かい、会計を済ませた。
「あまりしっかり二人で話した事ないものね。」
「た、確かにそうですね。」
一星は、少し二人と云う言葉に照れながらも、言葉を返す。
咲希は、少し前に前進した。
「じゃあ、また、学校で。」
咲希は後ろを向きながらそう言うと、家へ帰って行った。
一星も、自分の家へと戻った。
もう、店へと向かった時間よりもすっかり暗くなっていた。
一星は、重い荷物を両手で持ちながら、走った。
「ただいま。」
一星は、大き声で言うと、玄関で靴を脱ぎ捨て、リビングへと向かった。
「買って来てくれた?」
「うん」
一星は、母親に買った品物を渡した。
「それじゃあ、お母さんはご飯作るから一星は、お風呂に入ってなさい。」
「うん。わかった。」
サーっと、シャワーを浴びろ音が鳴り響いてる中一星は、上を向き今日咲希と会った事を振り返っていた。
お風呂に浸かると今日の疲れが、一瞬で取れるような気がした。
奥からはいい匂いがして来ていた。
風呂から上がると、リビングに向かった。
リビングには、ビーフシチューと牛乳が置いてあり、両親はもう席に着いて食べていた。
一星も席に着いた。
「頂きます。」
一星は、そう言うと、ご飯を食し始めた。
大きく口を開け頬張った。
口の中には、香りが広がり噛んだ食感は絶妙だった。
あっという間に一星は完食した。
一星は、歯を磨くと、自分の部屋へと直行した。
部屋のドアを閉めて、ベッドへと向かった。
掛け布団も被らずバタリとその場で、寝てしまった。
「あれ?ここは。」
そこには、咲希と未桜と翔が居た。
一星は、そこに走って向かった。
しかし、三人に、何故か追いつく事は出来なかった。
「待ってよ!」
一星は、大声を出した。
だが、三人は振り向かず先へと向かっていく。
一星は、走っている、つもりなのだが何故か前に進まない。
一星が、目を開けると朝であった。
さっきのは夢。
「なんだったんだろぅ。」
一星は、ボソッと言うと、頭を掻いた。
ベッドから降りると、一階へ向かって行った。
リビングに行くと、両親共に起きていて父は新聞を読み、母はスマホをいじっている。
一星の朝食も用意されていた。
「おーい!いっせーい!」
外からは元気のいい声が聞こえて来た。
「ごほっごほ!」
一星は、びっくりして喉にパンを詰まらせ、自分の右手で胸を叩き、なんとか、胃の方まで辿り着かせた。
急いでパンを口の中に放り込むと、走って外へ向かった。
読んで頂き有難う御座います。
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投稿日;18:00分
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