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序
この世界から光が奪われた時、
大地がわたしを支えてくれるなら、
わたしは希望の光をなくさない。
この世界が沈黙に覆われた時、
大地がわたしを支えてくれるなら、
わたしは大地の歌を忘れない。
風に揺れる緑のささやき、
川のせせらぎに応える小鳥たちの歌声。
すべては大地が生み出した
大地の歌だ。
雲と踊り、波を追いたてる風が問いかける。
わたしの休むところはどこかと。
海はこたえる。
この先にそれはある。
大地がある限り、
安住の場所はいつもそこにあると
だからわたしは、
絶望の暗闇に包まれようと、
決して、希望を捨てはしない。
決して、歌声を忘れない。
大地がわたしを支えてくれる限り。
闇は打ち破られる。
すべての希望と歌声を奪えるものなど、
この全宇宙のどこにも存在しないのだ。




