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マーセナリーズ!  作者: かとー
一章:居候する事になった護衛対象
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1-2

『昨日の昼頃。アークボルト社が原因不明の爆発がありました。この爆発に巻き込まれアークボルト社の社長、デルスター・アークボルト氏が死亡しました。警察は事故と殺人事件両方の線で捜査をして……』



 翌日のニュース番組でも大きく取り上げられていた。昨日の爆発があって俺は速攻で家に帰っていた。

 アークボルト社。堅実な武器と特異な弾丸で僅か数年で武器販売業界でトップグループに躍り出た会社だ。

 特異かつ最大の特徴は放たれた弾丸が放電して周りを感電させるアークボルト弾を販売している事だ。その威力は携帯シールドを貫通し電子機械を簡単に破壊する。

 値段の高さと敵味方無差別攻撃という欠点を除けばここぞという時に使う強力な道具として主に軍や傭兵に広く広まったのだ。


「しかし物騒だな。あんな所で爆発とは普通ありえねよ。ここじゃねえんだから」


 酒場でたまたま出会ったクラークが話している。傭兵が多いここや治安が悪いスラム街ならともかくあそこの周辺は富裕層が多い。事件もこっちの3分の1以下の発生率である。



「少なくとも事故じゃないな。どう考えても人殺しだな」


「ちげえねえ。あそこであんなの事故なわけねえしな」



 クラークは空になったジョッキを持ち上げてビールのお代わりを注文した。



「まあ、俺らには関係ないからいいか。どうせ警察がなんとかすんだろ」



 そう言ったクラークはすぐにやってきたビールのジョッキを勢いよく飲み干しため息をつく。ジュースじゃないんだからそんなよくガブガブ飲めるな。



「オラァ!何ぶつかってんだよ姉ちゃん!親友が大怪我したじゃねえか!」


「い、いでえーーっ!う、腕がが折れたーーっ!」



 外から男の怒鳴り声が聞こえる。どうやらどっかのチンピラが脅迫まがいの事をしているみたいだ。面倒臭いが入り口で叫ばれると酒が不味くなる。止めに入ろう。クラークは酒を飲むので忙しくついて来なかった。



「慰謝料払えやコラァ!」


「痛え!いて……あぁぁぁあぁああ!?」



 酒場の扉を開けると野次馬が取り囲んでおりその中心に肩を痛がっていた(ふり)をしていた男が少女の足で腕を踏まれていた光景が目に入った。男の腕は変な方向に曲がっていた。



「な!お、おま。何親友を踏んでんだコラァ!」


「あら?折れてもないのに痛がっていたので本当に折ってやりましたのよ?どうやら本当に痛そうにしてますわね」


「い、いでえーーっ!マジ!マジで痛えーーっ!」



 肩までかかる長さの金色の髪。その髪と同じ色をした目。服装はでかいフードで隠していたのでわからなかったが少なくともここいらで暮らしているような少女ではなかった。彼女にはどこか上品なにおい(比喩的な意味で)がした。



「い、慰謝料を……」


「慰謝料は無理ですが治療費は払いますわ。即金で50万Cクレジット。それでどうですか?」



 男が怒鳴る前に少女が金の取引用の端末を出してきた。腕の治療費を差っぴいても余裕でお釣りがくる金だ。



「ふ、ふざけんな!折って金を出せば済むと思ってんのか!本当にすまないと思ってるなら俺たちと一緒に……」


「はい、ストップ。これ以上はやめとけ」



 流石にヤバイなと思った俺は少女とチンピラ2人の間に割り込む。



「なんだ、お前!邪魔するんじゃねえ!」


「いいか?俺はお前らの事を思って言っているんだ。どこで脅迫したのかわかってんのか?」


「知らねえな!なんせ別の星からやってきたからな!」



 強がっているロン毛の男と本当に痛そうに腕を抑えているスキンヘッド。どうやら本当に知らなそうだ。ご愁傷様。



「てめえ、ぶっ殺して…….うおっ!?」



 ロン毛が銃を抜こうとした瞬間急にそいつが宙に浮いた。



「あら。この子ここがどこなのかわからないみたいね。少し教育しなきゃね。うふふ」



 いや、ママさんがロン毛首根っこを掴んで浮かしたのだ。小脇にはスキンヘッドを抱えている。



「じゃ、私は少し『教育』していくからあの子の事はよろしくね」



 そのまま2人を抱えて店に戻っていく。野次馬も散らばっていき目の間には少女だけが残った。



「あー、その。怪我はなかったか?」


「怪我はさせましたが怪我はしてませんわ。しかしあなたが来るまで誰も助けに来ませんでした。ただ見ているだけ。全くこれだから下々の人間は」



 少女は明らかにここにはふさわしくない人間だった。爆発があったビルの周りにある高級住宅、そこに住んでいるのが似合うような感じ。



「へえ、すみませんね。お嬢様には刺激が強すぎたでげすか?」


「あら?ここではそんな風に話すのが普通なんですの?」



 わざと三下口調で話したが少女には伝わらなかったようだ。



「んなわけないだろ。どうしてこんな所にやってきたんだ?」


「来たくてここに来たわけではありません。偶然やってきただけ……」



 突然少女が険しい顔をする。少女の目線の先を見てみるとこれまたここには似合わない小綺麗なスーツの男が2人、何かを探すように歩いていた。



「追っ手か?」


「あらよくわかりましたわね。下々の人間の癖に」



 一々腹がたつ事をいう奴だ。



「職業柄わかるんだ。とりあえず酒場に入ろう。そこなら追っ手をまけるはずだ」


「……まあ信じてみましょう。ここは慣れていませんし」



 俺と少女はいそいそと酒場に戻っていった。


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