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マーセナリーズ!  作者: かとー
序章
3/13

0-2

宇宙から落下して目的地に着陸するのに数分はかかる。俺は左手を動かして保存している仕事の内容を再確認することにした。

左手の甲に取り付けられたレンズから仕事の内容がホログラムになって出てくる。

仕事の内容は人殺しと物資の破壊。人のほうの対象は太陽系同盟軍の大尉だった人物。依頼人は唯の一般人からということになってるが大方同盟軍に関係する奴だろう。

場所は太陽系のから少し(光年単位だが)離れたとある惑星。前は金持ちの別荘地になっていたがいまは異常気象でだれも寄り付かなくなっている。そこで異銀河人に軍の武器を横流しをする準備をしているとか。

商売相手はオクト種。クラークと同じ銀河系に住んでいる種族だ。どうやら故郷の惑星でテロを行うらしい。

渡された情報によると今の時間はまだオクト種との商談は始まっていないらしくオクト種が来る前に大尉と売る武器をこの世から消し去る。それが今回の依頼である。

……依頼の再確認が終わり目の前にある小さな窓から景色をみてみる。発射直前は煌めいた星々が見えていたが今では黒々とした雲がみえる。どうやら星の大気圏に入ったようだ。

と次の瞬間激しい衝撃が走る。



【警告。雷が直撃し予定落下地より大幅にずれています。あと制御機能がやられました】



なんてこった!窓の景色が下から上に流れていたのが上下左右めちゃくちゃに動く。どうやら吹っ飛ばされているみたいだ。

どうにかしたいのだがバランスを保つ制御装置は壊れているし何より俺は着地時の衝撃を無くす為に装置に体を固定して動けない。どうしようもないのだ。



「やっぱり急降下は止めときゃよかったかなこりゃ……」



急降下して奇襲をかける。我ながらいい作戦と思ったのだが。

そのままグルグルとめちゃくちゃな動きをしながら落ちていく。恐らく設定した落下地点から大幅にずれているだろう。

出たくても出られない所に落ちんじゃねえぞ。俺はそう思いながら運に身を任せることにした。その前に三半規管が死なければいいんだが。



「雷が直撃しましたが大丈夫ですか?死んでませんよね?」



少女らしい可愛い声が聞こえる。アヤメから無線だ。



「グルグルまわって酔いそうな事を除けば大丈夫だ。それよりお前はどうだ?」


「大丈夫ですよ。3人とも予定通りの着陸地点に着きましたよ。落下の衝撃にお気をつけて。ではではー」



そう言われた直後に衝撃。激しい音を出しながらポッドが地面に擦られている感触が伝わる。更にもう一発強烈な衝撃を受けてポッドが止まったのを俺は理解した。

体を固定していた装置から固定具を取り外す。幸いな事に地面の方に足があるのでそのまま地面に降りる事ができた。

レバーを動かし扉を開ける作業に移る。プシュっと空気が抜けるような音が聞こえて扉が横にスライドする。

目に入った風景は石造りでどっかのご先祖様らしい肖像画や埃を被ったカップなどの調度品。ファンタジーにでも出てきそうな所だ。



「おい大丈夫か?死んだら返事をしな!」



クラークのやかましい声が聞こえたので俺が異世界転生して剣や弓矢で武装した奴らを銃で虐殺する話はナシらしい。



「死んだら返事は出来ないだろうが」


「それもそうだな。お前はどうだ?何処に落ちたんだ?」


辺りを見渡すとポッドの近くに赤い血とその周りには人と思われる部分が見える。

どうやらポッドに轢かれたらしい。ご愁傷様。



「なんか石造りの建物にいるな。あと誰か轢いた」


「ああ、あの城っぽいものか。俺たちがいるとこでも見える。今DBがそっちに向かってる。敵の本拠地に落ちるなんて運がねえな」



そんな所に落ちたのか。予定より500メートル以上離れている。おまけに敵のど真ん中だ。



「とりあえず俺とアヤメで陽動をかけてるからお前はそのまま敵の親玉を殺しに行けよ」


「……ああ、それなんだが」



死体を確認したらある事に気付いた。



「あの轢いたやつ依頼の奴だわ」



顔を確認すると写真の相手と同じ顔だった。影武者じゃない限り恐らく本人だろう。



「おう、ラッキーだな!後は武器庫を探して壊すだけだ……」


「侵入者だ!殺せ!」



緑色の軍服を着た奴が現れた。そりゃ敵地のど真ん中に落下すれば気づくよな。

とりあえず目の前の奴を『解凍』したアサルトライフルで一発。見事に頭に直撃。



「敵さんが現れた!また後でな!」



無線を切り近くにあったデスクをひっくり返して遮蔽物にして相手に備える。

直後唸り声を上げて軍服を着た奴らをが押し寄せてくる。

突出した奴に弾丸をばら撒き相手を止める。反撃で頭に一発当たるが携帯シールドで俺の頭に入ってくる前に金属がかち合った音を出して弾く。

適当に弾丸をばら撒き入り口で立ち往生させる。



「これでもくらえ!」



敵が何かを投げてきた。俺は見た瞬間に何を投げたのか理解しポッドでぶち抜いた穴に走り出す。どうやら相当高いところにいるらしいが手榴弾で爆死するよりかマシだ。



「うおおおおおお!?」



穴から飛び降りた直後穴から火柱が出てくる。明らかに手榴弾で出せる火力ではないだろ、これ。


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