決められた出会い
乙ゲーいまいちわかってない私が書いてみました。
転校生の名前のふりがなが間違ってました。
皆さん、はじめまして。
私の名前は、夕咲凪。
前世の名前は夕崎真菜です。
どうやら、私には前世の記憶があるみたいなのです。
前世の私は、平々凡々でした。
容姿、普通。勉強、そこそこ。運動、普通…のどこにでもいる女でした。
ただ、1つ変わっているとすれば…。
イケメンが大嫌いということでしょうか。
テレビでイケメンを見るだけで吐き気がして、ラジオなどでイケメンボイスを聞いただけで頭痛がしたり。
それはもう、重度のイケメン嫌いでした。
まぁ、そんな私は不幸なことに事故に遭い、たった十六歳という若さで世から去ったのです。
…そのはずなのですが。
気づいたら、美少女に生まれ変わっていたのです。
しかも、なんだか見覚えのある姿。
それは、私の友達が大好きだった乙女ゲームの主人公。
なんと、イケメン嫌いの私は乙女ゲームの主人公に転生してしまったのです。
…何てこったい。
前世の記憶があるからか、転生してもイケメン嫌いは健在。
友達が大好きだった乙女ゲーム"咲き乱れる恋心♪"略して咲き恋の主人公は、とっても無邪気だが私にはとても演じれそうにない。
…え、そんなんで物語が成り立つのかって?
意外と、成り立つんですよね…。
攻略対象のイケメンを避けまくっても勝手にイベントは起こる。
そして、行動や台詞は何故か視界の下らへんにご丁寧にも表示されるんです。
例え、その台詞を言わなくても攻略キャラクターは決められた台詞を喋るしね。
本編となる高校二年生になるまで、ちょこちょこあったイベントは仕方なくこなしました。
…すごく大変でしたけど。
イベントがあった次の日は、必ず寝込んだなぁ…。
とにかく、本編となる高校二年生までのイベントは主人公として渋々やったんですよ。
…でも!
本編となる高校二年生のイベントは無理っ!
今までとは比べ物にならないぐらいイベント多いし、イケメンとの接触がありすぎる。
私の体がもたない。
と、いうことで私主人公やめます!
* * *
始業式。
中学のときから仲がいい篠原彩月とは、同じクラス。
ゲームでは、ここで私が抱きついて「やったねー!」というのだけれどそんなことはしない。
「凪。ついに高校二年生だね。」
「…うん。本編が始まるね。」
彩月は私をかわいそうなものを見る目で見る。
くっ…!そんな目で見るなら変わってよね!
内心思うのだが、答えは分かりきっているので言わない。
彩月も私と同じ転生者らしい。
私はその時初めて知ったのだが、この世界転生者が結構いるらしい。
今のところ、攻略対象の男の中に転生者がいるという情報はない。
「ね、彩月。私、イケメンと無縁の生活送れるかな。」
「無理でしょ。一年のときだって避けまくってもダメだったんだから。諦めて、主人公演じれば?」
「それは、私に死ねといってるのかな?」
「…なんで、よりによってあんたが主人公に転生しちゃったのかしらね。」
「本当だよね。」
あはははーと呑気に笑ってみる。
でも、内心不安でしょうがなかった。
…平和に過ごせますように!
* * *
視界の端に文字が表示される。
『自分の席につき隣の席の男子に"はじめまして!夕咲凪です!よろしくね!"と無邪気にいう』
それを全力で無視しながら席につく。
隣のイケメンを視界に入れないようにしながら荷物を整理し始める。
「はじめまして。僕の名前は斉宮海斗。こちらこそよろしくね。」
私は何も言ってないのに台詞を喋り始める。
ぐぅ…!イケメンボイスのせいで頭いたくなってきた…!
頭痛と吐き気をこらえながら荷物を片付ける。
それが終わると隣の…えぇっと斉宮くんだっけ?その子の声が聞こえないように前の席の彩月と喋り始める。
斉宮くんは台詞を言い終わると席をたち友達のところへ行った。
ホッと一息つく。
「大変よね、あんた。」
「うー。誰か、変わってくんないかなぁ。ほら、よくあるモブキャラがいきなり逆ハー状態になんないかな。」
「まずないでしょ。諦めなさい。」
「イヤ。これは私にとって死活問題なの!」
「はぁ…。前世も今もイケメンと関わりがあるんだからちっとは、慣れなさいよ。」
「むーりー。嫌いなもんは嫌いなの。生理的に無理っ!」
そうそう、皆さん聞いてくださいよ!
私、前世でもイケメンと関わりがあったんですよー。
まず、兄貴と弟がイケメン。
幼馴染みもイケメン。
クラスでよくちょっかい出してくるやつもイケメン。
羨ましいと思った人!
今すぐ変わってよね!
私は、毎日死にそうだったんだから!
変わってくれる人、随時募集中よ。
「あ、先生きた。」
「あれ、もうそんな時間か。」
「攻略対象の中で一番人気の転校生が来るわよ。」
「うえっ!?わ、忘れてた…。ど、ど、どうしよう!?」
「落ち着きなさい。どうあがいても関わり持つんだから。」
「いやぁぁ…。」
机に突っ伏して、泣きそうになっていたら先生が入ってきた。
「みんな、おはよう!今日から2‐Aの担任を勤める高梨久信だ。よろしくな!」
この、無駄に熱い先生もイケメンだ。
残念(?)だが、イケメンボイスではない。
イケメンボイスの基準?
そら、私がイケメンボイスだと思ったらアウトだ。
思わなかったらいいという話だか、無理な話だ。
無意識に思ってしまう。
ちなみに、この先生。
一定の条件をクリアしたら攻略できるキャラだったりする。
攻略キャラクターの中では三番目に人気だ。
「突然だが、転校生を紹介するぞ!」
その一言でみんながざわめく。
私は、耳を塞いで机に突っ伏していた。
どうか、どうか、転校生くんの案内役に選ばれませんように…!
無駄だとわかっていても、必死に願う。
「ん?夕咲、調子でも悪いのか?」
「いえ。大丈夫です。」
「そうか?無理するなよ?」
先生に心配されて渋々頭をあげる。
…ん?こんな台詞あったっけ?
突然だが、転生者と転生者じゃない人の見分けかたを教えよう。
見分けかたは簡単。
決められた台詞以外も喋るか喋らないか。
それだけ。
行動もパターン化してたら転生者じゃない。
「じゃあ、入ってきてくれ。」
高梨先生ってもしかして転生者!?
と考えていたが、先生の声で考えを中断した。
教室のドアを開けて、転校生が入ってくる。
イケメンなので女子がきゃあきゃあいっている。
そんな中、イケメンなので頭痛と吐き気に苛まれながら違和感を感じていた。
あれ?おかしい。
頭が痛くてまともな思考が出来ない中、違和感は強くなっていく。
「咲々宮冬夜です。よろしく。」
咲々宮冬夜。
攻略キャラクターの中で一番人気。
普段は、温厚で爽やかな優等生。
けど、本当は我が儘でドSな俺様。
…なハズ。
今は、温厚で爽やかな優等生キャラ。
そう、決して不敵に笑わないはず。
その笑みが。
前世でよく知っているやつに重なって。
嫌な予感がした。
けれど、ここで限界だった。
長時間(五分にも満たない)見つめていたせいで私は、意識を放棄した。
五分以上は無理…。
薄れゆく意識のなか彩月の心配する声を聞きながら倒れた。
本文に出てくる乙ゲーの名前が現実にあるゲームと被っている場合は教えてください。
すぐ、なおします。
アドバイス待ってます。