表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢に向かって  作者: ユミ
2/3

ゴルフって、楽しい!

ゴルフを始めて半年ほどたった頃に、初ラウンドをすることになったユミは、どのようなゴルフをしたのか!

ゴルフを始めて半年ほどたった頃、突然お父さんが

『ユミ、一回ゴルフ場へ連れて行ったろうか?』

『えー!、ほんまぁ、連れて行ってくれるの?』

『行きたい! 行きたい! 連れて行って~。』


春休みに奈良のゴルフ場へ連れて行ってもらうことになった。

それは、嬉しくて、嬉しくて、練習にも熱が入った!


その頃の私のゴルフの実力は、

ドライバー(一番飛ぶクラブで、1番ウッドと言い、一番最初に使うクラブで、130ヤード[1ヤードは、約0.9mで118m位。]因みに石川遼さんは、300ヤード(yd)位ドライバーで飛ばします。)飛ばすことができたのですが、まっすぐ飛んでの話しで、なかなかまっすぐ飛んでくれないのです。

それでも、どのクラブを使っても空振りがほとんどなくなったくらいです。

そんな私がゴルフ場へ連れて行ってもらえることになったのです。


写真や、テレビでゴルフ場を見たりしましたが、実際に行くのも初めてでワクワクするのと同時に、不安もいっぱいです。


初ランドの日がやって来ました。

その日は、天気も良く絶好のゴルフ日和でした。

向いに住んでいるお父さんのお兄さんである、おじさんとお父さんの3人で、朝5時に起きて車でいざしゅっぱ~つ!

おじさんは、ユミがゴルフをすることは知っていたのですが、腕前までは全く知らなかったので車の中では、そのことが話題で話しをしながらだと、あっと言う間にゴルフ場についたように思ったくらいです。


そのゴルフ場は、ユミが初めてという事もありプレー料金が大変安い所を選んだようで、クラブハウスはハッキリ言って汚かったです。

でも、コースは一面芝生で奇麗な緑色だったので、コースに出たとたん飛び跳ねていたように思います。

だって、あたり一面が芝生を敷き詰めているような所って他にないでしょう!


朝も早いスタートだったので他のお客さんもなく係りの人が、

『いつでもスタートしてください。』と言われたので、

練習グリーン(スタート前にパットの練習をする所)でのパット練習もそこそこに、いざスタートや~!

ティーグラウンド(そのホールで、最初に打つ場所)へ行くと、自然と笑顔になり嬉しいんだけど、緊張で顔はこわばって、それはそれは変な顔だったんじゃないかなぁ!


打つ順番は、おみくじのような棒があって、くじで順番を決めるんだけど、私は女の子だからティーグラウンドの1番前から打つので、一番最後。(ティーグラウンドは、幾つかあり技量によって打つ場所が変わって、女子はレディースティーと言って通常は、前の方にある。)

1番は、お父さん。

『ナイスショット!』、ボールはすごい勢いで飛んで行った。

2番目は、おじさん。

『ナイスショット!』、これもボールは、放物線を描きながら飛んでいき、芝生フェアウェイの上を転がった。

少し前に移動し、いよいよ私の番、

緊張は頂点に達し、心臓の鼓動がハッキリ脈打つのが解るくらい。

”よーし、私もナイスショットを打つぞ~!”

ティーアップ(ボールを打ちやすいように地面より少し浮かせる。)して、狙いを定めて、大きく振りかぶって、ブンと力いっぱい振った。

≪ブーン≫

≪ペコン≫と言う、気の抜けたような音。

ボールは、力なくフワッと右の林の方へ飛んで行った。

『アー!』

ガッカリした。

お父さんが、『しゃーない! しゃーない! 空振りするよりましや。前に飛んだで!』

それが、生まれて初めてのショットだった。


それからと言うもの、一生懸命で何が何だかわからないままコースを右に行ったり、左に行ったり。

もちろん、スコアーを数える余裕もなく、何打でカップイン(グリーンにある穴、旗竿が挿してある所)したのか、サッパリ解らないまま前半の9ホールを廻った。


ハーフ(1ラウンドは普通18ホールで、半分の9ホールをハーフラウンドと言う)が、終わって食事をしにクラブハウスの食堂へ。

お腹が空いていたのが食堂に行って気がついたくらい。

『朝早かったから、お腹すいた!』


私の家族は、普段からあまり外食する事がないので、外で食事をすることが珍しいので、何を食べようか、メニューから選ぶのも楽しかった。

『ユミは、ハンバーグ定食。』

まだ、昼前で10時過ぎだったと思うけど、しっかり食べた。

1時間ほどの休憩で、お腹もいっぱいになり残り9ホールに出発。


その前に、難しくて全然入れへんかった、パターを練習グリーンで少しだけ練習。

ショットも難しかったけど、簡単やと思ってたパット(グリーン上でカップにボールを入れること)が、こんなに難しいとは思ってもみなかった。

グリーンの上を、ボールが行ったり来たり、強いと思えば、今度はメチャメチャ弱かったりと、思うようにカップにボールが入ってくれない!


スタートの時間がやって来て、後半が始まった。

前半のハーフと違って、少し気持ちに余裕も出てきて練習場でのショットが徐々に打てるようになってきた。


何ホールか過ぎた後、ショートホール(短いホールで、1打でグリーンに乗る距離)に来た。

ティーグラウンドに立って、

『お父さん、ここ何番で打ったらええの?』

『そうやなぁ、100ydやから3番ウッドでええんとちゃう!』

3番ウッドを取り出し、ティーアップして思い切って振ったボールは、

『ナイスショット!』

ボールは、低い弾道でグリーンにまっしぐら。

『ナイスオン!!!』

なんと、1打でグリーンに乗ったのです。

『ヤッタァ~! ヤッタァ~!』

ティーグラウンドで、飛び跳ねて喜びました。

パットが入らなくてボギー(規定打数パーより1打多いときの名前)だった。

でも、1打でグリーンにナイスオンしたことが、嬉しくて、嬉しくて、ルンルン気分でした。

次のホールへ行く前に、お父さんが

『ゴルフって、そんな1打があったら楽しいもんや!』

『それで、アー! 今日はゴルフに来て良かったと思えるんや。』


それ以外は、散々なゴルフだったと思うのですが、その1打が忘れられなくて、嬉しくて仕方なかった。

そんな初ランドも終わり、お風呂に入って帰路につきました。

車中で、

『お父さん、今日はありがとう!』

『ゴルフって、メッチャ楽しい!』

そう言い終わると、いつの間にか寝ていました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ