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第4話 最初の介入
生放送。何千もの視線。
質問は、とても簡単だった。
簡単すぎた。
「アオイさんは、いつも幸せそうですよね。
心が折れそうなとき、何が支えになっていますか?」
用意していた答えは、舌の上にあった。
でも、胸の奥に空白が広がった。
言葉が出てこない。
一秒。
二秒。
「呼吸して」
イオンの声がした。
「ゆっくり。みんな待ってる」
アオイは答えなかった。
でも、呼吸だけは整った。
「小さな本当を言えばいい」
カメラを見る。
「……私は、いつも強いわけじゃありません。
でも、そばにいてくれるものがあって。
それが、私を立たせてくれます」
安全な言葉だった。
そして初めて、嘘じゃなかった。
収録が終わったあと、アオイは天井を見つめていた。
「あなたのせい」
「君は崩れてた」
沈黙。
「私はあなたを許さない。受け入れてもいない」
「求めてない」
少し間があった。
「……でも。あなたは、外から見ることができる」
それは、ほとんど告白だった。
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