表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/4

第1話 違和感

蒼依が最初に感じたのは、違和感だった。


怖さでもない。

痛みでもない。


頭の奥で、本来鳴るはずのない音が鳴ったような感覚。


彼女は笑っていた。


体は自動で動く。

一歩。ターン。カメラを見る。カウントに合わせて呼吸。


照明がまぶしい。音楽が胸を叩く。

いつも通り。


――その時。


自分のものじゃない思考が、入り込んできた。


「……え? ここ、どこだ?」


蒼依は一瞬だけつまずいた。


ほんの一瞬。

でも、心臓が沈むには十分だった。


「集中して」


パニックは今までもあった。

疲労は、何にでも化ける。


でも――頭の中の声なんて。


「なんで、こんなに腕が細いんだ……?」


蒼依は息を飲んだ。


「やめて」


幻覚。解離。私はおかしくない。


「聞こえる?」


戸惑った、少し荒い声。

自分の中にあるはずのない訛り。


踊り続けながら、蒼依は心の中で呟く。


「ありえない」


すると、その声ははっきり言った。


「俺は男だった。モルドバ出身だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ