怪文書086号【青い死に至る黒】考察会議③
《紫月》
線虫の発した青い光はオーラなの?
《綺璃》
いや、特定の物質を閉じ込めている細胞の膜が壊れることによって起こるとされていたよ。専門的になっちゃうから、詳しくは検索してみて欲しいんだけど。
《麗夜》
そっか、人間も青く発光する可能性があるってことか。
《綺璃》
僕は青い死に関してはその説を推したいかな。
《闇魅》
「黒い。」については?
《綺璃》
実はあんまり考えてない。いくら考えても、全部に当てはまってしまうからね。
《紫月》
例えば?
《綺璃》
そうだな、闇魅の外国人説。僕たち日本人は外国人が手本書のような文字を書けないと思っている。だけど、誰でも書けるんだよね。
《麗夜》
どうやって? 手本書のような文字は俺たちだって書けないよ。
《綺璃》
僕は外国人が日本人に何か伝えようとしていたからこそ、手本書のような文字になったんだと思っている。
《紫月》
どういうこと?
《綺璃》
書き手の外国人はまだ日本語に不慣れだった。そこで、犯人に関して読み手に伝えたかったが、文字がイマイチわからない。だから、書き手は手本書の文字を、ライトを下から当てるとか、窓を使うなどして、透かしてなぞった。だから手本書のような文字だった。
《闇魅》
あなた、すごいわね。感心します。
《綺璃》
ありがとう。「黒い。」に関して、犯人或いは罪人を意味する日本語を調べたときに真っ先に出てきたのが、「クロ」という言葉だったとしたら、「黒い」と表現するのもわかるかな。句点の意味はわからないけどね。
《麗夜》
烏天狗よりありそうじゃねぇかよ。
《紫月》
オオクワガタは?
《麗夜》
オオクワガタは最初からネタだろうよ。
《紫月》
は? 本気なんだけど。
《綺璃》
まあ、まあ。烏天狗もオオクワガタもあり得ると思うよ。
《闇魅》
烏天狗がオオクワガタに化けていたのかもね?
《麗夜》
んなことあるかよ!
《紫月》
バカにしてる?
《綺璃》
この文書、「黒い。について書き残す」と言っていながら、漠然としていてあまり書かれていない。だから、「黒い。」は何にでもなれるんだ。そう考えてみると、烏天狗でもオオクワガタでも当てはまるんだよ。
《闇魅》
そうね、後半部分で詳細が書かれているかと思いきや、「捕まえたら自分はどうなるのか」と言っているわ。
《麗夜》
そうね、じゃねぇんだよなぁ……。
《闇魅》
動くことぐらいしかわからないわね。
《紫月》
ちなみに、オオクワガタは「黒いダイヤ」とも呼ばれてるからね。後半部分の「黒い。」は全部オオクワガタに変換したらぴったりだから!
《麗夜》
なんでも当てはまるって綺璃が言ってたろうよ。
《紫月》
ぐぬぬっ……。
《麗夜》
句点はダイヤを表してるとかってことはないよな?
《綺璃》
どうだろう、それなら菱形で表す気がする。
《闇魅》
文書の最後、疑問形で終わっているけど、読み手に問い掛けているのかしら。それとも自分の頭にある言葉を書いただけなのかしら。
《綺璃》
闇魅の説だと書き手と読み手は仲間だよね。仲間(友人)を死なせてしまったことへの懺悔かなとも思っていたんだけど。
《麗夜》
懺悔かぁ。「私のせいです」って言葉が二回出てくるからね。「けれども」や「死にました」の連呼も繋がって来るなぁ。
《綺璃》
今回の考察をまとめようか。
《闇魅》
そうね。
《綺璃》
まず「青く死んだ」は発光説でいいかい?
《麗夜》
ああ。失血死よりあり得そうだし。
《闇魅》
自信あるんでしょ?
《綺璃》
まあ、ね。
《紫月》
いいよ!
《綺璃》
次に「黒い。」だけど、これは明確にわからない。仲間に紛れ込んだ烏天狗とでもしようか。
《麗夜》
えっ、マジで?
《紫月》
は?
《綺璃》
マジで。オーラが見える目を持ってしまった書き手がその人を見たときに、黒いオーラを出していた。だから、冒頭の「今日、黒い。」だ。烏天狗が黒いオーラを出すかはわからないけどね。
《闇魅》
そんなのでいいの?
《綺璃》
いいさ。怪文書は元々意味不明だから、考察も意味不明でいいんだよ。意味不明VS意味不明。考察をする過程を楽しむのが、怪文書考察の醍醐味さ。
《闇魅》
そうだったわね。
《綺璃》
烏天狗は人を騙したりもするんだろ?
《麗夜》
ああ。
《綺璃》
それなら紛れ込んでいても不思議はない。書き手は怪しんでいたんだよ。友人と協力して追っていたんだろう。
《闇魅》
何のために紛れ込んだの?




