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魔法使いの断末魔  作者: 鯖承まどか
魔法使いの終結譚:第四章 氷術の君主編 後編
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作戦決行の鐘③-026

第二十六話:作戦決行の鐘③


 頼陣家…。本家。


「輝きは途絶えるわけがない…そうだろ?」


 傘下たちをとっちめたラテと光根。


「あんた、キラキラしてるのは装飾だけだろ…」


 ラテはツッコむ。


「とにかく、一度外に出よう」


「ああ……って!、いたのかい…君たち!!」


 光根の目線には三人の頼陣家兄弟たちがいた。


「いつかは裏切ると思ってたぜ……光根…」


「……戦うのめんどくさいんだけどな…」


「封薇、仕方ないでしょう…。お父様の命令なのですから」


「これは酷い…二対三だなんてね…」


「てか、お前らの兄弟って…平気で殺し合いする感じか?」


「ま、そうだね〜、彼らにいい思い出はないよ」


 光根がそう言う途端。武楼が距離を縮め、一撃を放つ。


〝ドガァァァンッッ〟!!!


「あぶねっ!!」


 光根を抱え、破壊に撒きごれず避けるラテ。


「感謝のグッドのありがとうのナイスだよ、ラテ君!」


「ああ、それより…なんだあの一撃」


 武楼が一撃を放った所は跡形もなく消えていた。

 壁の板は消えて、外が丸見えの状態だ。


「武楼兄…本家壊したら怒られるよ…」


「うるせぇな…俺の特異魔法…〝Dan Dan〟はそういう能力なんだよ」


 壊したものを消す。Dan Danは、頼陣武楼の特異魔法である。物は消すことができるが、人間は消すことができない。

 ちなみに、武楼が拳で壊せるものしか消すことができない。


「こりゃ、手強いな…。光根…筋肉ダルマをなんとかできるか!?」


「任せてくれよ…じゃあそっちの二人を頼むよ!」


 ラテは緑色のコートを靡かせ、刀を抜く。


「ほう、刀ですか…」


 メガネをかけたシチサンの男。

 頼陣家三男の頼陣雨音理は頼陣家の中で影が薄い。


「いや、初登場でその説明はなんですか!!」


「雨音理兄、しっかりして…ここで食い止めなきゃなんだから」


「ずっと気になってたんだけどよ…どうしてそんなに父親に忠誠を誓ってるんだ?」


 ラテは疑問をぶつけた。


「子は親に従うものでしょう?、それが家族というものです。」


「私も同意見…。自分勝手に生きたらあなたのような知能の低い人間になる…」


「そうかよ……こっちは洗脳済みってことか…」


「何を言うのですか!!」


 そう言うと、雨音理は手のひらから水を生成した。


「潤せ…乾いた者の心を!!」


 雨音理はそう言い、水を大きくする。


 ラテは刀を構える。


 雨音理の特異魔法は単純な水での攻撃。頼陣雨音理の特異魔法の名は〝泉の水聖〟


「おらぁっ!!」


 ラテは間合いを詰め 、水の攻撃を切り裂く。


「流石に水を切り裂くなんて…そんな単純な特異魔法じゃねーよな…」


「あ、いや、普通に斬れますよ、この水…」



 切られたり殴ったり衝撃を与えると、雨音理の元へ水は帰ってくる。


 超激弱な能力である。


「やっぱ、役に立たない…」


「うぅぅ…そんなこと言わないでください…封薇。お兄ちゃんはこんな弱い技でも誇りに思っているんですよ…」


「うっさい…。私が終わらせるから…。」


〝シュルッ〟


 ラテは突然、茨に締め付けられた。


「〝ラブミースピア〟」


 頼陣封薇の特異魔法……羅雲の呪いにより最近開花した力である。

 効果は二本の茨を操るとシンプルなもの。


「くそ…兄より妹の方が強いってなんだよ!!」


 身動きが取れない。ラテはいち早く大ピンチ。


「そうだね大ピンチこそ、チャンスにだよ!」


 光根はこちらへ向かって走ってきた。


「まぁぁてぇ、野郎!!!!」


「お、おい、光根!おまえ筋肉ダルマも連れてきてんじゃねーよ!」


 武楼の能力発動共に光根は飛んだ。

 武楼の拳の先にはラテ。


「こうなったら…スペクト…。!!!」


「うわぁ…眩しい!!」


 〝ズシャァッッ〟


「いってぇっ…。って、茨が…」


 ラテに巻きついていた茨は武楼の能力により消滅していた。

 

「いったっ、何やってるの…武楼兄!!」


「くそっ、今度こそ…」


「うぅぅ、私モロにくらったんですけど…」


 三人が目を向ける先には、構えを取るラテ。


「やっちゃえ!ラテ君!!最強の強い強力でストロングな必殺技を放つんだ!!」


 光根はそう言って、ラテに向かい、応援の舞を披露した。


「光根…邪魔だ…必殺技が打てねー、だろ?」


「おっと、ごめんねー」


 兄弟たちは、目を向け合い、アイコンタクトをとった。


 この必殺技をくらえば…ここで三人リタイアだ…と。


「武楼兄…最前線に立って…。とにかくその必殺技技を食い止めるの!」


「僕は水をありったけ…衝撃を緩和させる」


「とにかく、茨で盾を作らなきゃ…」


 ラテは目を見開く。


「来る!!」


 三人たちは特異魔法を集中させ、そこで立ち止まった。


「馬鹿が…本当に引っかかるとはな…」


 笑みを浮かべる、ラテに三人は驚く。


「俺が放つのは……なんの変哲もない攻撃だ」


「なにぃ!?」


「遅い…。」


〝キンッ〟


 剣を鞘にしまう音が鳴り響く。

 気付かぬうちに三連撃を撃ち込んでいた…



「安心しろ…男以外は峰打ちだ…」


「があっ!」


「ぬぅっ…私の出番…これだけ…」


「くっ…ワーズ…様…」


 三人は倒れた。ラテはコートについた砂埃を手で払う。


「いやー、強力な技を打ち込むと思わせ、相手を守備体制にさせ動きを封じる…。さすが魔法衛兵隊さんだね!」


 光根は笑い、ラテに言った。


「騙し討ちは基本戦術だからな……。とにかくフィナシェたちを助太刀しにいくぞ!」


「わかったよ!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「お父様が…魔物…」


 状況は絶望的である。目の前にいるのは魔物というか悪魔のようだ。

 刀を担ぎ、俺たちにギロリと目をやる。


「魔力感知をしたところ……に、二十歴…」


 サリムは震える声を振り絞り、俺たちにそうはっきり伝えた。


「そうか………」


 かなりキツイかもしれない…二十歴…。世界に十もいない階級の強さ。


 体を引いてしまう…そんな威圧感に一歩を踏み出す者がいた。


「……氷奏…流麗ながれ!!」


 

 〝シュッ〟


 冷たい空気が場を包む。

 彼女の放つ氷の矢を羅雲は糸も容易くキャッチした。


「まるで玩具だな…貴様はこんなものを極めてきたのか…実に残…」


「…戒…」


 その一言を詩姫は発する。


 その途端、氷が羅雲の右腕を覆う。


「なっ…氷を…。貴様が魔法なんて使えないだろう!!そして唯一兄弟の中でお前は特異魔法を与えていない!!」


 

 空気を…歪ませる。


「死蔵…」


 〝ドシャァッ〟


 羅雲の腹に思い一撃を与える。詩姫の誘導あってこその一撃だ。


「かはぁっ…っっ!!」


「ぬぅぅぅ…貴様ぁ!!…詩姫貴様…力を隠していたのかぁ!?」


「力…そうやね…。僕はあんたはよ倒したくてうずうずして待っておったからな」


「なっ…誰だ!!」


「僕やて、耳遠いんちゃう?」


 そう、詩姫は魔法も持たないし、特異魔法も持っていない。

 …だがなぜ氷の能力が使えるのか…。

 

「まさか…その…弓か?」

 

「そ、僕がこの詩姫ちゃんに力を貸しているんや…」


 気楽な声で語りかけるのは……彼女の持つ弓であった。


 名を…〝狂塁〟。

 俺が聞いた限り、詩姫の持つ弓は生き物らしい…。


つづく


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