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魔法使いの断末魔  作者: 鯖承まどか
魔法使いの終結譚:第四章 氷術の君主編 後編
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作戦決行の鐘②-025

第二十五話:作戦決行の鐘②


 マリーとワーズは、八年間大島と共に修行をしてきた。

 それ故に大島は二人の親のようになっていたのだ。


「たくさん魔法の練習付き合ってくれたっけ、あと数学とかも…。いろんなわからないを解決してくれた」


「ああ、僕らの思い出を壊す奴は絶対に許せないよ」


 二人は構える。恩師の複製体の前に…。

 黒い外套に身を包む大島は不気味な笑みを浮かべる。


「そうか、大島という奴のことをもっと聞きたかったのだかな…。いいだろう…いくぞ!」


 〝ズシィッ〟!!!

 大島は踏み込む。


「踏んだ場所が壊れてる……マリー気をつけろ!」


 ワーズはそのまま正面で攻撃姿勢をとった。


「武器錬成…ソードッ」


 大島は生成魔法で剣を生成した。


「良かったよ…今日は剣を持ってきてて…」


 ワーズは二刀の剣を後ろから出す。


「はぁっ!!」


 お互いの刃が激しくぶつかる。


〝キィンッ〟〝ガキィィンッ〟


「一撃一撃が恐ろしく早い…」


「ほう、これを全て受け止めるか…」


 大島は笑う。余裕の表情であるが、ワーズはそれを狙っていた。


「落雷雷句…」


 〝バリバリバリバリッ〟!!!!



「なぁぁっ…電撃だと!?」


 体を崩した、その瞬間…ワーズが大島を斬り裂く。


「がぁっ…」


「ナイス!マリー」


「気を緩めないで!!どんどん放つから!!」


「面白い…女だ!!かかってこい!!」


 大島はその場で飛んだ。浮遊魔術ではなく…異常な脚力で飛ぶ。するとマリーの前まで距離を縮めた。


「上等よ…ゼビロボ!!」


「…アイスファイヤー!!」


 〝ボワァァァァァッ〟〝スガガガガガッ〟


 激しい魔法同士のぶつかり合いの中…。互いの魔法から二人は現れた。


「〝堕者の双片〟!!」


 大島の周囲には数十の魔法陣が現れ、そこから黒い槍が飛び出した。


「そう簡単に二十歴魔法をポンポンと出して…。魔力量はやっぱり無限ね…」


 〝シュパパパッ〟


 マリーは杖をしなやかに振り、風魔法で向かってくる槍たちを全てへし折る。

 

 マリーは二十歴魔法使いであり、魔法のセンスが飛び抜けている。

 だが…魔力量がほぼ無限に等しい大島との戦闘は必ず消耗線となってしまう。


 つまり、相性は最悪である。


「どこかで大ダメージを与えないときついわね…これ…。」


「デビロボ…」


 マリーは魔法を避ける。


「はっ、かかったな…今の魔法は追尾魔法だ!」


「わかってるわよ…こんな基礎追尾魔法…落雷雷句!!」


〝バリバリバリバリッ〟


 雷によりマリーの背中に向かっていた攻撃は消滅した。


「やっぱり、性に合うわ…〝落雷雷句〟は…」


「ふっ、超高速魔法と言われる雷系魔法か……面白くなってきたぞ!!」


「来なさい…私たちが…大島さんの名誉を背負う!!」



「僕飛べないんだけどー」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 頼陣家…。秘密の地下室。


「ここの引き戸を三回…この紐を一回引けば…。」


 〝ゴゴゴゴゴゴッ〟


 大きな扉が開き始めた。かなり階段を下っただろう。ここが羅雲の秘密の地下室らしいが。


 詩姫は俯いていた。


「詩姫…どうした?」


「い…いえ、行きましょう」


 扉の奥へと俺たちは向かった。

 何も見えない…光が無いのだろうか。


「ファイア…」


 サリムが指先に炎を灯す…。

 

 明るくなった瞬間…その部屋の異常さに気づいた。


「こ、これは…なんだ生き物…か?」


 そこには生き物らしき死骸が多く積まれていた。


 あたりは研究室だろうか、フラスコや標本。床そこらには何かの資料が落ちている。

 すると肩に乗っていたラスティが床に降りてその死骸を観察する。


「ラスティ、なんなのかわかるか?」


「これは…イビルの死骸だ…」


「イビルって、魔族に改造された人間のことか?」



「そうだよ、言い換えれば…初代クロマゲの実験台さ…」


 その低い声が部屋に響いた瞬間。部屋中の照明がついた。


「お前は…」


「まだ魔力電源がの生きていたとはな…しかし久しぶりだ…この部屋に来るのは…。」


 羅雲だ。片手には刀…。


「詩姫…戻ってきなさい…。なぜこんな奴らの味方をする?」


 羅雲は少し近づき、詩姫にそう言った。

 詩姫はまた下を向いた。


「おい…羅雲…それ以上詩姫に変なこと言うんじゃねー…」


「なんだね?親の言うことを聞かない子供なんてただの不良だ。不良というのは部品で言えば不良品…。子に親の言うことを聞かせるのは当たり前だろう?」


 羅雲は淡々と喋る。ここまで残酷なことをしておいて…。村の人間たちから自由を奪い、呪いの実験…。


「お前のような……」


「あなたのような人間こそ!この世の不良品ですっ!!」


 詩姫は声を大きく、はっきりと言った。

 

「なんだ…貴様もか…。お前も逃げた姉に似てきたな」


「黙りなさい!!姉は自由を求めただけなのです。それが普通の人間に与えられたもの!!

自由は、誰かが操作していいものじゃ無い!」


 

 そうだ、人間というのは…本音を吐き出した時が一番強いのだ。

 俺がラテに仲間になって欲しかった時…師匠に決意を表した時…。

  

 本音を言った時が…一番自分を信じられる。


「私は…戦います!たとえ…敵があなただとしても!!」


 そうして、詩姫は弓を構えた。


「この…不良品がっ…」


「詩姫…本音…言えたな…」


 詩姫はふっと笑う。


「……逆境に打ち勝とうとする、あなたの影を追いかけたくなっただけです」


 詩姫は美しい笑顔で俺にそう言った。


「いいだろう…私もこれを使う時が来た…」


 そうすると羅雲は右手から黒いモヤを発する。


「あぁ、あれは…呪いです!」

 

 サリムが驚く。


「…君たちの会話は聞いていたが…この呪いについては分からなかったようだね…。がぁっ!」


 すると黒いモヤを羅雲自身の胸に当てて、羅雲は苦しみ始めた。


「ぐぁぁっ…。教えてやろう。クロマゲは人間を進化させる呪いだ…。

人間が魔族になるやり方として、従来では魔族は魔王によって生み出されるか…魔族の魔力で魔族にされるかのどちらかだった。」


「まさか…貴様…その呪いは…」


「適応した者は…魔族になれる!!それがこの呪の力だぁ!!」


 黒い光が羅雲を包む。人間が魔族に…。

 そのモヤからはカラスのような羽が生え、鋭い角が生えた羅雲…。


 いや、魔物が現れた。


「さぁ!!三審目と行こうか!!クソどもぉ!!」


つづく


落雷雷句:魔法の中でも少ない雷系魔法。昔までかなりマイナーであったが、マリーが多く使用していることで人気の魔法となった。

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