旅路で再会①-022
第二十二話:旅路での再会①
「とにかく、明日にはフィナシェくんの裁判がまた始まる…今日のうちにマリーとラテ君を探し出さないとね、そういえば詩姫ちゃんはラテ君と関わりがあるんだっけ?」
ワーズはそう言った。
「はい、彼はナズーク王国に住んでいましたのでよく遊びに来られました」
というか、村へ来客する人間はいるんだな。まあ結婚争奪戦の影響もあるのか。
「とにかく僕は二人を探しにいく、三人は明日の裁判での証拠とかを捏造しておいてくれ!」
「さ、三人って…まさか」
「俺もいるぞ!」
ラスティは俺の肩に乗り、そう言った。
「ラスティはワーズと一緒に行かなくていいのか?」
「俺は足が遅いからな!いつもワーズの体内に入ってなきゃいけなくて、ちょっと嫌だから残るぞ!」
「忘れていたが、そんな理由なのか!?」
「とにかく今は人手が必要です、私の弟に協力してもらえそうな方がいます。まずは弟を見つけましょう」
弟…変わり者の頼陣たちの中にも協力してくれる奴がいるのか。
「わかった、じゃあ行くか!!」
「ああ!」
「その前に、ラスティ様!モフモフさせてください!」
「お、おい、くすぐったいぞ!!ちょ、やめ!」
「三人ともー、行ってくるよー!」
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場所は変わる。ヤキザケ村…頼陣家本家。
ここでは結婚争奪戦が行われいたのであった。
「結婚争奪戦、第三戦花札対決終了!!」
「ふぅ、危なかったぜ…」
ラテは安堵の表情。
「良かった…。お母様と昔やってたおかげだわ!」
マリーも安堵の表情である。
「いや、安堵の表情である。じゃあないわよ!!なんで私もこれに参加してるのよ!!」
マリーはキレやすいのである。
「うっさいわね!!」
「まあ仕方ないだろ、今はとにかく詩姫とフィナシェを見つけないといけねーし」
「いや、それよりなんで私が参加できるのよ…。私は白馬に乗った王子様と結婚するはずだったのに…」
「だからいつまでも独身なんじゃねーの?」
「殴るわよ?」
「ごめんなさい。」
二人が言い合いになっているのを割くように、一人の女性は言う。
「分かります、その気持ち…いつまで経っても王子様とは出会えない。自分から行かなければいけないことに気づくこの頃。」
「そうなのよ…意外と私モテるかもとか思ってたけどモテ期なんて夢のまた夢。気がつけばもう二十代後半…って、女の子!?」
黒髪で片目を隠した少女。フードのついた衣に身を包み、夢も希望もなさそうな目をしている。
「あ、あはは…。そうですよねこんな私なんかが世界魔法検定なんて…」
「いや、違う!何もかも間違えてるわこの人!」
マリーがツッコミを入れる。すると、和服を着た女が皆に言った。
「最終決戦は明後日の昼に行います。内容は一対一の決闘となります。」
マリーとラテは本家を出た。なにも考えていない二人はここ数日、地味に広いこの村で団子を食べるかたい焼きを食べるか…はたまた煎餅を食べるか…しかしていない。
そんな中、二人は先ほどの女と共にいた。
「そんな…女の人をかけて戦っていたとは…。やっぱり私って…どんくさい」
「アホみたいにネガティブな奴だな…」
「コラ、こういうのは自己肯定感が低い人って言いなさい!ていうか、どうしたら間違えるのよ…」
「魔法検定の会場がここだと聞いて…。」
「魔法検定って…。自分の階級を計りに行くやつだよな?」
「そうね、普通魔法学校とかが会場になるはずだけど…。」
すると、サリムはバックから受験用紙を取り出した。
「あ……ヤキザケ村じゃなくて…ヤケヤギ王国裏ヤケヤギ魔法学校でしたぁ。」
「ヤケヤギって……。ここから一大陸先だぞ…。」
「ああ…。だから私は外に出てはダメなんだ。いつもこう…私は私に足を引っ張られ失敗する。私が生きてていいなんか誰も言わないよね…。クズクズクズ…」
ラテは呆れる。
涙を浮かべハンカチで鼻をかむ少女はなんとも幸が薄そうだった。
「ま、まあ、お団子奢るから元気だしなさい…、あなた名前は?」
マリーはそう言う。彼女はもう一枚ハンカチを取り出し目元をおさえ言った。
「サ…サリムです…サリム・バッファー…。十四歳です。」
「私はマリー、こっちはラテよ…。十四歳か…意外と幼く見えないわね。」
「よっ、よろしくお願いじばす、ズビッ」
泣きながら鼻をかむ彼女。二人はただ呆れるだけである。
「どうしようかしら…この子…」
「いや知らねーよ…ほっときゃいいだろ、今はとにかく詩姫とフィナシェを見つけねーと」
「それもそうね、じゃ、さようなら…」
「うああぁん!!おいていかないでぇ!!!」
マリーたちがその場を後にしようとしたその時。
「なんだ?このトロピカルな香りは…」
「ん〜…いい髪質だ…涙が綺麗なお嬢さん…」
「えぇ、私ですか!?…髪触られている!?」
男は真っ白な歯を輝かせ、サリムに言う。
「君…僕の花嫁の妻のフィアンセの奥さんの運命の人になってくれないか?」
「なに…あいつ…。キャバクラ好きクソ浮気者の弟に似てる。」
「なんか同じ言葉並べてるな…てか…なんだあの髪色は」
赤、金、青の三色に髪を染め宝石をところどころに身につけている男。
「村の外の方かい?僕の名は頼陣光根…頼陣家の中で最もパーフェクトですごい圧倒的な最高なセンスを持つ人間さ!!」
「頼陣!?てことは…フィナシェの居場所を探し出すチャンス、ちょっとそこの野郎、ちょっといいかしら!!」
そう言うマリーを引っ張るラテ。
「馬鹿、この村で頼陣を怒らせるとワンチャン死罪だぞ!!」
「あー、大丈夫だよー…。僕そんなに厳しくないからー!
てか、そっちの子もキューテーで美しくて可愛いね!僕と愛あるきらびやかなデートしないかい?」
「へ、私が可愛い!?…見る目あるじゃない…」
「…なんだこいつ…ただの女たらしじゃねーか」
ラテが呆れた顔で言った。
「ん?、もしかして君ラテくんかい!?」
「あ?なんで俺の名前知ってんだよ」
「いやいや、いつも遊びに来ていたじゃないか…詩姫姉さんといつも遊んでくれていたじゃないか」
「ラテ、この人知り合いなの?」
「いや、全くわからん…」
「酷いね!!」
「あ…あのぉ…」
サリムが申し訳なさそうな顔であった。
「悪かったね!!デートに行こうじゃないか」
「い…いや、すみません…私金属アレルギーなので…全身に金とかつけれいる人はちょっと…」
サムリは率直に断った。
「………そうか、史上最高の残念のアンラッキーの落ち込みだね!!」
「無理してんな…あれ」
「泣きそうじゃない…」
そんな事をやっていると、団子屋に二人の人影が現れる。
「おい、本当にここに協力してくれる人がいるんだろうな?」
「ええ、光根はいつもこの団子屋で観光客の女性に声をかけていますから」
「む、あの声は…」
「失礼します…すみません、光根はいますでしょうか…」
そう言う彼女は詩姫であった。その後ろにはフィナシェ…。
「ん?やあ!詩姫姉さん!!」
「フィナシェ!?」
「師匠にラテ!?なぜここにいるんだ」
「そりゃ、新聞に載ってたもの、とーにかく状況説明早く!」
「ああ、待て」
「詩姫…久しぶりだな!!」
「ラテ様…お久しぶりです…兄様は元気でしょうか。」
「え、ああ椿なら元気だよ」
「え、椿?」
「あれ、お前らに言ってなかったっけ、頼陣椿…あいつ頼陣家の長男なんだよ」
つづく




