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魔法使いの断末魔  作者: 鯖承まどか
魔法使いの殺伐:第二章 魔族到来編
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今からのことじゃなくこれからのこと-014


第十四話:今からのことじゃなくこれからののこと


「彼らのこととって…あんたに何がわかるのよ!!」


 話を進めようとする、阻止雨の師匠は一喝…でもどうせほぼバレていると同然だし話しても良いのではないだろうか。


「別に俺も鬼じゃない…訳を聞かせろ」


「そうだマリー…少しでも信じてもらわねぇと…だが椿っていうのがめんどくせえな」


 …こやつらは喧嘩してばかりだな…。

 二人の頭をポンと叩き、阻止雨に話を求める。


「この人たちは君主と呼ばれる魔王討伐者たちだ」


「それが難解なのだ、凶魔王が死に、またもや魔王が復活したってわけか?」


「魔王復活の呪いよ…奴は殺しても破片から再生し、新たな魔王になる」


 イラアたちが倒したのが、一代目魔王…そして師匠たちが倒し二代目魔王の凶魔王…。

 

「そう、君主っていうのは魔王を倒せる神秘的な確率を持った者たちのこと…断末魔の君主イラア、魔導の君主大島、鋼の君主佑月、殺伐の君主ワーズ、魔法の君主マリー、最速の君主フェニックス、剣の君主メービー…これが歴代の君主たちだ」 


 歴代の君主たち…たくさんいるとは思っていたが、こんなにもいるとは思わなかった。

 そして、三代目魔王を倒すのが師匠の得意魔法によると…魔法の君主の師匠、光の君主のラテ…そして君主名がわからぬ俺。


「ほう、全くわからん…が、その復活の呪いで魔王復活した、そしてお前らがそれを倒す君主たちというわけか」


 首を傾げた様子で、椿は言った。

 かなり要約されているが彼もかなり理解が早いようだ。

 

「まあ、そういうことだね、あのオズという男もその魔王の配下だ」


「そのオズってやつが、マリー・ゼロウスを世界の敵に仕立てたと…」


「その通り、本当にムカつくわ!!」


 なぜかクッションを椿の顔面に投げつけ、一人でキレながら阻止雨に言った。


「それで、あんたはなんで私たちのことに詳しいのよ!!」


「まあ、大島たちとは古い仲でね、彼に魔王復活のことを教えてもらったんだよ…」


「大島さんと知り合いなの!?」


「それで私は魔王について君主についてを調べあげたんだ、有力な情報を掴んだんだが、その時には王国は全滅さ」


 この男、魔王討伐に大きく関係していたようだ、ただの大賢者と呼ばれている男だと思っていたがかなりすごい人物であった。


「それで、あるものを取りにここに帰ってきたのだが、本当にちょうどいいところに君たちがいてね…ついてきたまえ」


 ある物と言い、阻止雨は自分たちを連れ屋敷の奥の部屋へと行く。

 しかしあんなタイミングで現れるとは偶然にも程があるな。

 そんなことを思うと阻止雨にラテが言う。


「まさか最後の君主だったりするんじゃないのか?」


「すまないが、私は君主ではない、彼女の腕も反応を示さないし」


 それ以前にだか、本当に君主じゃないと魔王を倒せないのか?

 前君主たちは自分が君主だと知らない状態で魔王を倒した、偶然だとは思えない。

 気づいたらドアが開いていた、その中はなんとも広い図書館だ。


「いや、広いのはわかるんだけど…」


「なぜ、こんなにある本棚に一冊しか本が入っていないんだ…」


 師匠と椿、代弁ツッコミ感謝する、というか本当に不思議な光景だ。

 数百ありそうな本棚の一つに本一冊とはぶっ飛んだ発想だ。


「なにも私たちは、ミステリーツアーに来たわけではないのよ」


「悪かったね、ではマリーさんその本を取ってくれ」


 かなり高い本棚に背伸びをし手で本を掴んだ師匠、するとその本は勢いよく開いた。


「うわ、なにこれ呪い?いや魔力のようね」


「はははっ、驚かせるのは楽しいね、この部屋は私の特異魔法…宇宙本棚スペースブックスペースさ」


 まさかの、この空間自体が阻止雨の特異魔法だったというわけらしい。

 特異魔法というのは自身の体に影響を与える者だと思っていたが空間などにも影響するものだったらしい。

 一同が驚く中で阻止雨は落ち着いた様子で話を続ける。


「この本は僕に読むことはできない、なにか目的がある他人の有益な情報を書き示すことができるんだ」


「私の特異魔法と少し毛色が似てるわね…ちょっと読ませてくれるかしら?」


 読ませてくれるかしら、と言いながら阻止雨から思い切り本をぶんどり熱心に読み始める師匠。


「マリー・ゼロウス、俺にも読ませろ出世の方法が書いているやもしれん…」


「黙りなさい…ええっと南に氷術の君主いたり…」


 氷術の君主、それで最後というわけらしい。

 君主の名前は法則的にその者にちなんだ名だ、つまり次の君主は氷関係か。


「南といえば、寒い地域…それに氷術」


 ラテは推理しているようで多分よくわかっていない顔をしている。

 ラテの肩にぶつかるように椿が前に出て皆に言った。


「俺の家系は氷術使いだ、なにも魔族を祓う力を持っていてな、名をヤキザケ村と言う」


「ヤキザケ村って佑月さんの故郷の近くよね、ナズーク王国の近くの村だった気がするわ」


 ヤキザケ村、どうやらここから南のナズーク王国というところの外れにある村らしい。

 そのナズーク王国とやらには、師匠も色々と思入れがあるらしい。

 とりあえず最後の君主の情報が得られて、師匠は目を輝かせ、大喜びの様子だ。

 

「その村には数十と氷の力を使う巫女がいるが…詩紀しきという女が最適だろう」

 

「信用できるのか?」


「まあ、少し知り合いだからな」 


 ヤキザケ村の詩紀…そいつが君主だとすればかなり話は早くなる。


「そうとなれば、ヤキザケ村へ直行よ……うぐっ!!」


 トランクを持ち走ろうとする、それと同時に腰を抑えその場に倒れ込む。


「どうしたマリー!?」


 なんとも情けない顔で一言。


「腰やっちゃった⭐︎」


つづく

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