響く戦火④-012
第十二話:響く戦火④
「とりあえず…君たちから先に倒しちゃおっかな!」
どうすればいい…仮想空間というものならば、人を気にせず五将眼を使用することができるが。
だがそれが外れれば戦う術はなくなる。
「本当に…どう対処すればいいのか」
「おっと、二人とも喋ってる暇なんてあるの?」
「…貴様はさっきから止まってるが、攻撃をしてこねーのか?」
「ま、あんまり不意打ちなんて面白くないからね」
五将眼を持つ人間が二人もいるというのに全く退かないこの様子だ。
「肝が据わっているとは…はこいうことを言うのだな…」
とりあえず走る、そして拳を入れる、今できることはその一つしかない。
「正面からくるなんて…イケメンだねぇっと…危ない」
「…イケメンは一人で十分だ…」
椿も言う通り師匠とほぼ同等の強さだ、このまま大々的な隙が見られれば…どうにか技を叩き込むことができる。
「さあて…面白くなってきたっ!」
二本の指でその太刀を止めそのまま延伸力で椿を吹っ飛ばした。
すぐさま刀を手から離しその攻撃を避ける。
「握力どうなってんだよ…」
そうだ、こいつ生身の強さも桁違いだ。
すると椿は俺の耳打ちで作戦を伝える、…絶対に負けるだろうと言う作戦だが、もうこれしかないな。
「ちょっと、二人ともなに話してるの?」
〝シュバッ〟
血のついた脚で起こす赤い閃光のような蹴り…というか早すぎるだろ!
一瞬の蹴りを避け、椿はまた魔法攻撃で対抗する。
「こんなんじゃ、私は倒せないよ……あれどっか行っちゃった!?」
なにもこの攻撃で倒そうとはしていない…少しでも目眩し的なことをでにればいい。
とりあえずすぐに隠れられるように、すぐそこのロッカーに入ったが…。
「せまいな…」
「我慢しろ、これくらいしかないだろう」
一人の部屋で残された楽喜…とりあえず息を止める。
「でも、魔力感知でわかっちゃうよ!」
もちろんすぐ魔力感知で発見させられる…だが…ここでは無効。
この五将眼で創られた空間…城の中に閉じ込めるだけではなく、魔力感知遮断もできるなんてかなり強力な技だ。
「あ、あれれ…魔力感知が効かない…?」
それで問題は、次の工程だ死ぬか生きるかの賭け…だがやるなら今すぐの方が都合がいいのかもしれん。
椿は刀を生成し、俺の手にそっと渡す。
「お前が言っていた、あのオズとの関係…独断で考えたが、マリー・ゼロウスが全ての元凶ではないことがわかった」
「なんだ一体…」
「しばらく前俺の上司がある用事でシルバーレイク王国へと向かった、その後その上司がマリー・ゼロウスによって殺された…」
こいつの上司がシルバーレイク王国へと…か。
そういえば師匠がオズと対峙した際に一人の魔法衛兵隊も参戦したと言う……その名もメービー・ゼロウス。
なにも魔法衛兵隊が魔王復活を信じてもらえず、唯一その中でも知り合いの一人に呼びかけたそうだ。
「まあ、お前が信じてこの現状が変わるかは知らんが」
「別に…信じているわけではない…そろそろ行くぞ…〝爆〟」
〝ドガァァァンッ〟
椿はロッカーの外に爆発魔法を発動した、とりあえず楽喜に自分たちの位置をバラス…クリアだ。
そして爆風で奴の上空へと跳ぶ。
「おっ!、自分で出てきてくれたか!!」
奴の反応は早く…おそらく溜めていた魔法攻撃を自分に向かい五つほど発射した。
「あぁ、出てきてやったぞ…任せた椿!!」
「任された…死ぬなよ」
合図が出し、ここからは現実での勝負だ。
まずい跳びすぎた…かなり高いなとりあえず意識を保てるようにしよう。
「あれ、元に戻った!?」
〝五将眼部位転移強化〟…とにかくあの魔法攻撃をどうにかする。
追尾魔法…奴のバンバンと撃つ光線を拳で殴る、殴る…椿はしっかりやってのか?
「魔法攻撃を殴って壊すなんて…やっぱり逸材なんじゃ?」
楽喜は背中から出た黒い翼でこちらへ飛び向かってくる、魔族に翼がついているのは知っている…これが狙いだ。
「危なっ」
まっすぐと前進してくる楽喜かわした、と思ったが右腕から血が…。
「これで終わりだよ!!」
奴の細い指からでた鋭い爪をこちらへと、向け自分の心臓を狙う。
本当にヤバい椿はまだかくそ、これじゃ間に合わない。
〝グシャァァッ〟
「痛っっっっったぁぁぁっ」
響く高い声…楽喜の胸には二つほどの風穴…間に合ったようだな椿もあの様…と言うことはこの後に…。
「…炎壊一本打ち…」
「わわわわ、いだっ」
〝ドゴォォッ〟
下へと落下してゆく、ラテの重い一撃…これを待っていた。
すぐ様ラテは俺を掴みホウキに乗ってその場へと降りる。
「いきなりすぎるぜ本当…」
「すまない、だが椿の作戦が届いたようで良かった」
作戦とは五将眼の力を解いた瞬間、奴(楽喜)を俺の方に集中させてその隙に師匠達に攻撃を脳内通話で要請。
「なかなかの作戦だが、もしもマリーの攻撃が遅かったら……お前死んでたぞ…」
もちろん承知の上だ、というか師匠がヘマでもすれば本当に俺は死んでいた。
「馬鹿な師匠も、たまには役に立つな…」
「お前…それ本当にマリーのこと師匠と思ってんのかよ…」
そんなことを言っている暇はない…楽喜は死んだのか?
心臓に二つほど穴をあけられ、ラテの渾身の一撃が入ったが…推測ではわからんとにかく見に行くしかない。
ホウキから降る、ちょうど師匠と椿が一緒にいる。
「ちょ、フィナシェこいつどう言うことよ…手を組んでるの?」
「ちっ、だから言っているだろう…今だけだ、そして魔王のこと、オズのことや今の現状を教えろ」
椿はとにかく師匠を睨みつけている…そしてそれを怯えて俺に助けを求める師匠。
「とりあえず…落ち着け執行部隊の椿…」
「てめー、ラテお前は何してやがる…こんな奴らを助けて衛兵隊を裏切ったのか!?」
なんだこいつら知り合いだったのか、椿はラテの胸ぐらを掴み猛犬のように叫ぶ。
「やめろ、二人とも…こんなところで喧嘩している場合じゃ…」
「…五将眼の子見っけ!」
くそっ、まだ生きているのかよ…
つづく




