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魔法使いの断末魔  作者: かまぼこ太郎
魔法使いの終結譚
73/75

国の結末-001

———魔法使いの断末魔から続き、魔法使いの殺伐…そして魔法使いの終結譚。

この物語は一人の男と魔法使いの物語である。

第一話


「アイス・ファイアー!!」


大島が魔法を放った。

だが、その魔法は敵へと当たり砕け散る、敵へのダメージはゼロのようだ。


「…くっ、何故だイラアも死んだ、佑月もワーズも」


そこは活気のあるいつものシルバーレイク王国ではなかった。その世は戦乱…人々の死体しか残っていなかった。


「大島さん!」


「マリー、こちらへ来るんだっ……」


〝バタッ〟


「大島さん!?、みんな黒い灰になって消えていって…まって残ったのは…」


「ええ、その通りマリー・ゼロウスあなただけ、あとはそこに倒れた魔導士

さすがは二十歴の実力だ、かなりしぶとい…」


燃え上がる炎の中には、国王マリー・ゼロウスと一人の魔族であった。


「あんたを倒せば、仲間は生き返るのかしら?」


「それは、知ってからのお楽しみですよ」


「ふざけないでよ、落雷雷…うっ」


「……なんと二十歴の魔法使いと言っても、あっけなかったですね」


マリーは倒れ必死に呼吸を整える、だが彼女の視界はすでに霞んでいた。


「魔力が…空っぽだ…」


「魔力の全回復に一時間は必要としますが、私と魔王様は待てませんねー」


すでに王国は崩壊、国民そして救済へ駆けつけた戦士たちも魔族により葬られた。


「魔王は死体から分裂したからまた取り戻す

このサイクルは永遠と続きます、あなたたち人類の勝ち目はゼロ!」


「……そんなこと…全ての人間が許さない…マリー、手を!」


「…大島さん、まだ生きていたのですね…」


マリーはなんとか溜まった意識の中、差し出す大島の手を掴む。


「これが私の最後の力だ!」


その場は光、王国中を包んだ。そして大島は青い塵?になって消えていった。

一方マリーを見たものは誰もいなかった。


「な…、何を!」


炎が完全に消えた後、魔法衛兵隊や他の王国がシルバーレイク王国へ足を踏み入れた。

そこには、国王マリー・ゼロウスはおらず一人の男が証人として立ち塞がった。


そしてその男は世界に告ぐ…。


「マリー・ゼロウスがシルバーレイク王国を崩壊させた、マリー・ゼロウスを指名手配としろ…」


この物語は一人の男と魔法使いの物語である


————————————————————————


自分は誰なのか、そんなことはしょっちゅう考えるが結論が出たことはない、知るのは自分の名と右の眼だけ。

森の中一人の女が歩く、近くの村では立ち入り禁止のはずだ。

だが、その女はズカズカと種々を踏み歩く


「まっっったく!、ここにいる魔物倒したら、アレの場所教えてくれるったって、どこにいんのよ、その魔物!」


影から見るように貴族なのだろうか、それとも王族?…よくわからんが魔物を探しているようだ。

この森に魔物なんているはずはないが…


「あたりを見渡せば、草、木、それに………

珍しい!こんな大きいバッタ初めて見た!」


るんるんとした様子の女、この隙にあいつの持ち物を掻っ攫おう。

腹も減っていることだし…


女が立ち上がりギロリとこちらへ目を向ける


「木に隠れてるからって、魔力感知が効いてないなんて思ってないわよね…ゼビロボ!!」


まずい、気づかれた。

しかも魔力感知って、まさか魔法使いなのか?


〝ドシャアァァンッ〟


魔法使いは木に攻撃を仕掛けた。

俺は魔法使いの前に立つ。


「そっちから感じられるわ、禍々しい黒い魔力…あんたが魔物ね」


「女、俺は魔物ではない。だが、お前を殺す気もない。持ち物を全て置いてゆけ」


今ので少しはビビっただろうか…いいや逆に顔を顰めているな。


「そうねぇ〜、でも黒魔術を扱うのは魔物だけ…駆除させてもらうわ…

聖炎よ…不敬者を焼き尽くせ」


「ちっ、魔法か!、こっちから見たらあんたが不敬者だがな!!」


向かってくる炎を拳で殴り消す。

拳なら炎であろうがなんであろうが破壊できる、それが自分の拳…このまま女を…


「へぇ〜、妙な術を使うじゃない」


「なっ!?」


気づけば何故か女は俺の隣に立っている。

目で追えないスピードで走ったのか?、

やはりただ者ではない。


「ちっ、女だろうが容赦はしないぞ」


女へ拳を向け正面に突きつける。


「全く、これで死になさい…」


なに!?、なんで軽やか身のこなし…今のスピードなら確実に当てられたはず。

すぐさまそいつが、こちらの方向に杖を向け魔力を溜め始める。


「穏便に済まそうと思ったが、そうも言ってられないようだ…」


こいつ本当に魔族だと思ってやがる、だめだ殺られる前に殺らねば。


「………あんた、その眼は」


「開眼…五将眼……」


「そういうことね、………」


すぐさま目を開く


〝ズドドドドドドッ〟


眼で見る一直線が青い光により破壊されてゆく。



フィナシェ…それが自身の名前。そして、五将眼という力を持つ…

二年ほど前にこの森で目覚めた、それ以外は自分の正体をわかっていない。


「体、動かねえ…」


五将眼というのを使ったのはこれで三回目だが…やはり死を覚悟しなければ、使えない技だ。

とりあえず奴を今殺しておかなければ誤解で死ぬところだった。



「…見たところ五将眼抜きで見て、戦略性と力、合わせて十七歴ってとこね!」


「はぁ!?、てめ、なんで生きてやがる」


何故だ、あんな威力の攻撃を避けたのか?

あの速さに追いつける奴なんているのかよ。

見たところ砂埃さえ服に付いていない。


「どんな剣術でも魔法でも拳が一番速い、あんたそれ知って武術で挑んだ?」


「なに言ってやがる…殺すなら殺せよ」


あの力を使えば数時間は動けない、もう戦意喪失ってやつだな。


「五将眼…魔物の扱う黒魔術が構築した、いわゆる魔眼ってやつね

ごめんなさい、疑ってしまって…私の名は…」


話をする女の前で意識が朦朧としてゆく


「うぐっ…」


「ちょ、大丈夫…って倒れた!?」


嫌な夢を最近見てばかりだ…謎の影に追われる夢。

真っ暗な視界から少しの光が見えた。


「ここは、」


「…やっと起きたわね、…霧がやめば…結構綺麗な森じゃない」


体は回復したようだ、隣には先ほどの女だ

しょうもないような会話…だが自分の口は開く。


「そうだな、だから俺はここに住んでる」


「ずっとここに住んでるの?」


「…いいや、気づいたらこの森にいた…その後はたまに街に出たり…」


相手の物腰から思わずどんどんとしゃべっていってしまった。


「そうだ、お前は何者だ?その身なりだと…王族の魔法使いと言ったところだが…」


「王族ね…まあそんなところよ、そうだ申し遅れたわ、私はマリー・ゼロウスよろしく!」


そのピース、少しムカつく

マリー・ゼロウス…聞いたことがある


「ふっふっふっ、その反応は…そうそう、そういう反応が見たかったのよ!

そう、私こそシルバーレイク王国の国王よ!」


「いいや、別にあんたのことは知らないし、…聞き覚えがあるだけだ」


「え、えぇ…結構私の存在、有名だと思ってたのに…」


怒るのではなく、なんか悲しそうだ…だが、本当に聞いたことがあるだけだ。

どこで聞いたのだろうか、街で誰かが言っていたのか?


「とりあえず、あんたがすごい奴だということはわかった。それで誰が俺を魔物だって言った?」


「ああ、それね確か森を出た街の人の証言だったんだけど…十メートルくらいの魔物がいたって」


俺から魔物の雰囲気が漂っていたところまではまだわかるが。

なぜこいつは十メートルの魔物と俺を間違えたんだよ…。


「…で、見た目は?」


「そうね、…確か、羽が生えて…ああちょうどその後ろのやつね!」


ニコニコと、指を指しその方向を見てみると…


「グォォォォォォォッ」



「なんで、こんなところにドラゴンがいるんだよ!!」


「知らないわよ!ドラゴンの成長は早いの、どっかで卵があって気づかなかったんじゃないの!?」


すぐさま立ち上がる、数時間寝たのだろうか。


「体が軽い…」


「気絶しちゃったのは私のせいだもの、回復にできるだけの治療はしたわよ!」


「勝手なことしやがって、呪いとかつけられてたらどうすんだよ」


「大丈夫、大丈夫とりあえず私はあんたの本当の実力を見せて欲しいの!」


手を合わせてこちらに色目を使ってきている…

だが、面倒なことはさっさと終わらせたい。


「いいだろう食らわせてやる…五将眼…部位転移強化…死…」


ガシャッ…思い切り力を込めた拳は何故か止まった。

よく見れば魔法の鎖のような物だ。

ドラゴンも鎖で繋がれている


「はーいタイムねー、」


〝ドゴッ〟


「痛っ!なにすんだよ!!」


「あんた…この森壊す気!?、とんだバカのようね!見たわよここまで来る途中に、何個ものクレーターが数十個も…何回その技使ったの?」


「いいや、それは…」


この技は五将眼の力を体の一部分に宿し、強力な力を繰り出す技…体力消耗の削減はできるが…制御することは不可能だ。


「私はね!、力があるのに…意思があるのに……半端な努力しかしない奴が一番嫌いなのよ!」


「なっ…、じゃあどうすんだよ、そんなウダウダ言ってると!…」


「素質があるあんたにはね…私直々にコーチしてあげる」


「…そりゃありがてえ、つまり師弟関係ってことか?、死んでもごめんだ!」


「じゃ、その鎖解いてあーげない」


こいつ、強制だろ…

…だが人と喋るのは久々だったな俺を気にかれるやつも。


「くそっ、じゃあどうすればいいんだ…師匠」


「なによ、結構素直じゃない…その師匠っていう響きも気持ちいいわ!」


鎖が解けた、同時にドラゴンもだ。


「いい?、力を込めすぎずリラックスが大事…それでもって集中は怠らず…それは魔法と同じ…」


そんな哲学的なことを言われてもまるでもって、わからない魔法なんて使えないのだから。

ドラゴンが爪を振り下ろす。


「もう殴っていいか!?」


このままじゃ死ぬドラゴンの鋭い爪で死ぬなんて…ごめんだぞ、だがマリーの顔を見ても奴は余裕そうな表情…本当に信じていいのか!?


「だめ、まだ完全に準備オーケーじゃないでしょ!」


「爪が降ってくるぞ!!」


「うるさい!!!」


「はぁぁ?」


「返事は、オーケー師匠!!」


「……オーケー師匠!!」


喋って数分の中だが、師匠の人間性はだいぶ分かってきた。

少しの気の緩みも許さない…なにか情熱を持っているような気がする。


「力の使い方…今日でわかったぞ、師匠!!」


ここだ、今が一番強い攻撃を放てる気がする。

それがまだまだでも、今日が原点なんだ

師匠とのこれからの鍛錬で原点を超えてゆく


「相手の急所…全ての神経がつながる魔族の弱点それは、胸にかけて首の辺りよ〝死臓拳〟それが魔族を倒す一つの武術…」


〝ドガァァァッ〟


渾身の一撃それは初めて制御できた己の技だ。


「フッ、今の数秒でこれほどの力とはね、ドラゴンだけを破壊…周りは損傷なし!…その代わりもうちょっと威力の調整をしたほうがいいかなー」


「ま、まぁ…」


師匠の顔にはその威力で飛び散った血がクリーンヒット。

まだ完成したわけではないということは、この力この一戦でわかった。

この人になら…名前くらい教えても良いだろう。


「…フィナシェだ覚えておけ、師匠」


「フィナシェ!、いい感じの名前ね、じゃあ弟子一号早速だけどあなたは私と旅に出るわ!」


「旅…と、その前になぜ王族のあんたが旅なんかを…ましてや国王様が…」


「そうね…簡単にいうとー、私の国…魔王に乗っ取られちゃった⭐︎」


「は?」


とりあえず俺は、一国の国王の弟子となったらしい。

これは王国を取り戻す旅…魔王を倒す旅、…だということはこの森を抜けるまでは知ることはなかった。


つづく

ありがとうございます。

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