ファイルーズのトゥーズドア①-006
六話
村を出て2日、イラアは草むらを歩いて行った。
「おいイラア、本当にこっちであってのんのかよー」
佑月がヘトヘトになりながらイラアに言った。
「佑月君のいうとおりだ。おかしいな、地図にはこのあと分かれ道があるのだけど…」
その時、向こうから身長180センチくらいの男がスタスタと歩いてきた。
「珍しいな。旅人か? イラア、あの人に聞こう」
そしてその男のところまで三人は歩いて行った。そして佑月が喋りかけた。
「おいそこのあんた、この先に別れ道はなかったかい?」
男は黒いフードをかぶっていて、顔はよくわからなかった。そしてその返事はなかった。
「…あー悪かったな、大丈夫だ」
その時、その男がイラアに指を指してこう言った。
「…お前、その眼帯はなぜしている?」
イラアはこの返事に答えられるわけがない。
五将眼のことがバレれば国王軍に捕まってしまうからだ。
「いや、これは一ものもらいだよ。ものもらい痛いんだよねー。あははは」
イラアはそう言い、誤魔化した。そうして男が言った。
「そうか…はははは」
その時、男の体から斧を持った手が出てきて、イラアは切りつけられてしまった。
「グハ…お前まさか」
男は不気味な笑みで答えた。
「あぁ、そう。私は国王軍の1人、真実の能力を持つファイルーズ。久しいなぁイラア」
「気おつけろ、2人とも! こいつはアビリティを持ってる。その名もトゥーズドア。嘘をついたものを、その体から出てきた斧で切りつける能力だッ」
2人は驚きながらも戦闘態勢をとった。イラアは自分の体を魔法で回復していた。
「自分は大丈夫。少し時間を稼いでくれ!」
← To Be Continued