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旧魔法使いの断末魔  作者: かまぼこ太郎
魔法使いの断末魔
17/24

征服の能力①-017

          第十七話


「よし、イラア。お前は一週間、阻止雨に稽古をつけてもらえ」


大島はそう言い残し、イラアの肩をポンと叩いた。


「あなたが……阻止雨さんか。よろしくお願いします」


イラアはまっすぐに手を差し出した。


「ん?あぁ、よろしく。イラア」


阻止雨も手を差し出し、二人はしっかりと握手を交わした。


「よしイラア、私と佑月はそこら辺で用事を済ませてくる。一週間、しっかり頑張れよ」


そう言って、大島と佑月はその場を離れた。


残された二人。阻止雨は微笑みながら口を開いた。


「イラア……今、君の手に触れてわかった。君、ものすごい量の魔力を持っているね」


イラアは驚き、身を乗り出した。


「なぜ分かるんですか!?」


「魔法の原理というのは、自分の血液の循環の速さに比例しているんだ。君の血の巡りは……異常なほどに早い。力を磨けば、君はもっともっと強くなれる」


イラアは拳を握った。


「ありがとうございます。では、修行をお願いします!」


「よし……じゃあまずは魔力の放出の仕方からだ。全力で来い!」


――それから、イラアの過酷な修行が始まった。


毎日毎日、魔力の制御、放出、攻撃、回避――すべてを叩き込まれた。


そして6日目のことだった。


一枚の葉が風に乗ってヒラヒラと舞っていた。

その葉が地面に落ちた――その瞬間。


〝ドゴロォッンッ!〟


空から雷が落ちた。葉はチリひとつ残さず、跡形もなく消え去っていた。


「よし、イラア。よくやった。……今のお前は、俺でも手に負えないくらい強くなったな」


「いえ、阻止雨さんの修行があってこそです!」


イラアは謙虚に頭を下げた。


そう、彼はこの6日間で圧倒的に成長していた。

そして――ついに、魔力階級 15歴級 に到達したのだった。


「イラア、お前は……15歴級になった」


「ということは、魔力量の上限まで到達したということですか?」


だが阻止雨は首を横に振り、優しく笑った。


「ふふ、それは違う。実はな、15歴の上には――まだ一つだけ、16歴という階級が存在する」


「16歴……!?」


「そうだ。だが、15歴と16歴の間には〝域〟という段階がある。域は1から10まであってな、ちなみに私は7域だ」


「……そうか。まだ上があったというわけか」


「だからこそ、最後の修行だ。――一万キロ先の街まで、ワープ魔法を使わずに行って、明日までに戻ってこい」


「はい!では行ってきます!――〝スペリディ〟(脚強化)!」


〝ダダッ〟


――2時間後。


「よし、着いた!……またすぐ戻るぞ!」


そう思ったイラアだったが、ある異変に気づいた。


「……なんだ? 街に、人っ子一人いない」


不気味な静寂が街を包んでいた。

その時――どこからか、太鼓のような音が響いてきた。


〝ドドン……ドドン……〟


イラアは音のする方向へと向かう。


そこは街の中心部――寺のような建物。

無数の人々が集まり、何かを一斉に唱えていた。


「皆、この村の女神――ゼロウス様を讃えよ!」


人々の上に立つ、一人の女性が言った。


「よしよし、そうだ。私を讃えなさい」


そう――その女こそ、カムイ七桀の一人。

麗桀ゼロウスであった――!


←To Be Continued

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