死の町アイスフロストリーフ④-016
第十六話
イラア一行は、氷に閉ざされた街「アイスフロストリーフ」に滞在していた。
そしてイラアと佑月は、国王軍・戦闘総隊長であるゲルガニスターと対峙し、ついに勝利を収めた。
一方その頃、大島はかつての友・阻止雨と再会していた。
そのまた一方、国王軍本部では緊急会議が始まっていた。
静かな空気を破ったのは、国王軍最強部隊「カムイ七桀」の一人――豪傑ドルゥネ。
「ゲルガニスターがやられた」
その言葉に返すように、麗傑ゼロウスが鼻で笑った。
「ふん、あんな雑魚、アリ一匹でも勝てますわ」
才桀デンコウも口を開いた。
「最近の国王軍の訓練は甘すぎるからな。そりゃ負けるさ」
恋桀レノビィノは何も言わず、静かに目を閉じた。
そして、遊桀マヌレが陽気な声で言った。
「まぁまぁ、みんな仲良くしようじゃないの!」
その時、重々しい声が響いた。
「お前ら、もうすぐでカムイ総長がお見えになる。黙っておれ」
発したのは、厳格な赤桀ノデールだった。
残桀レグテンが結論を口にした。
「まぁ……ゲルガニスターの処遇については、後ほど考えるとしよう」
〝ガチャッ〟
扉の開く音とともに、部屋の空気が凍りついた。
姿を現したのは、カムイ七桀を束ねる最強の男――カムイ総長だった。
「……待たせたな、お前ら。眼帯の少年――イラアが見つかったらしいな」
赤桀ノデールが即答した。
「はい、ゲルガニスターが交戦しましたが、その後近くの川で倒れているのが発見されました」
カムイがゆっくりと頷いた。
「ほう……やはり最近の訓練はぬるいのう。よし、ゼロウス、行ってこい。眼帯の少年――イラアの首を持ち帰ってこい」
麗傑ゼロウスはうやうやしく頭を下げた。
「はっ。わたくしゼロウス、必ずやご期待にお応えいたしますわ」
〝ザッ〟
カムイは続けた。
「よし。そしてもう一人……五将眼を持つ“フルマラ”の件だが、目撃情報が入った。マヌレ、お前が行け」
「はーい、カムイ様♪」
カムイは短く言い放った。
「これにて、本会議を終える」
――そして場面は再び、アイスフロストリーフの街へ。
大島がイラアたちに向かって言った。
「よし、紹介しよう。こいつが……阻止雨だ」
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(七桀、ついに参戦)