表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いの断末魔  作者: 鯖承まどか
魔法使いの終結譚:第四章 氷術の君主編 後編
102/140

頂点を欲す者①-030

第三十話:頂点を欲す者①


 鳥は鳴き、風の音が響く。空は静かではない…。


 この浮く地に立つ俺たちは目の前の魔族を倒さなければならない。



「どこからでもかかってくると良い…。」



 漆黒の目を光らせ、俺たちにそう言った。

 言われなくてもわかる…。魔族になる呪いを自ら二回も受け、先ほどとは比べ物にならないくらい強くなっている。


 俺は足を一歩踏み込む。



「やってやる…」



「跳んだか……。今の私は魔族の魔法を扱える。第六魔法戦術…。レビリオ」


 〝スドッ〟


 腕で防ぐ…。焼けるほど痛い。


「おらぁぁぁっ!!」


「ほう、殴りで魔法を跳ね返すか…」



 魔法攻撃を破り、そのまま拳を羅雲に向ける。

 打ち込む…死蔵を…。



「死蔵…っな!?」



 …壁を蹴ったような感覚…。

 びくともしない…。



「言っただろう?私は超越魔族だ。」


 〝ドスッ〟


「ぐぁっ!!」


 腹に刀を刺された。というか…動きが早い。

 避けることができなかった…。これが超越魔族。

 楽喜との戦いを思い出した。


「こいつ…俺一人じゃ倒せないやつだ…」



 力が入らない…。なんだこの感覚は。



「刀に毒を塗っておいて良かった。君の体じゃ数分間はその状態だ…。」



 笑い俺を見下ろす。まずいぞ…。師匠、ラテここに来てくれないと全滅だ。


「サリム!!ラスティと逃げろ!!」



 俺は後ろの二人にそう呼びかける。



「いいや、その必要はないぞ!!」




 立っているのは、長身の男。

 赤い髪を風で靡かせ、剣を持っている。それに緑色のコート…。ラテと同じ服装…。


 魔法衛兵隊だ。



「誰だ…知らぬ間に…」



「俺の名はラスティだ!!」



 ラスティ…どういうことだ。



「フィナシェ、ここは俺が食い止める!!サリム、回復魔法で回復してやるんだ!!」



「は、はい!!」



 その男…いや、ラスティは剣を構える。


「はぁっ!!!」



〝ガキィンッ〟


「ふっ…筋がありそうな奴だなぁ…」


 

 羅雲は右手の刀身で、ラスティの一撃を受け止める。



「そちらの刀はナマクラのようだな!!」


「はぁ?」


〝パリィィィンッ〟


 羅雲の刃は真っ二つ。


「本撃が来るぞ!!」


 〝スッ〟


「なんだと…ぐぁぁぁぁ!!」


 斬撃が遅れてやってきた。


「なんだ…あれ…ラスティなのか?」


「い、今の…魔法でも加護でも何でもない素の状態であの斬撃…。〝龍殺し〟だ…。」



 サリムはラスティの剣技を見てそう言った。


「龍殺し?誰だそりゃ…」



「人名じゃなくて、西部に伝わる伝説の剣技です」


 羅雲はラスティの奇妙な剣技に驚かされる。



「何なんだ…何をした!!」



「遅い斬撃と早い斬撃を成しただけだ!!」


 輝くような笑みでラスティは言った。

 意味がわからん…。早すぎる斬撃で後から相手が切り付けられたのか?いや反対か?



「どんどん行くぞ!!」



 ラスティは剣を振るう。

 羅雲は切り落とされた右手の刀身をすぐに復活させ、身を守る。


「遅いぞ、羅雲!!」


 羅雲の後ろへ滑り込み、足を絡め体勢を崩す。

 

「ぬっ…」


 刀を羅雲の首に突きつける。


「…いいや…まずはこちらからか…」


 刀を胸へと運び、すぐさま二回ずつ両胸を刺す。


「ぐぁぁぁぁぁ!!!貴様ぁ!!!」



 羅雲は大きく叫び、大量の血を流す。

 

 ラスティは後ろに体を退き、俺たちの目の前に立つ。


「フィナシェ、大丈夫か!!」


「ああ、回復は十分だ…それよりも…あれは」



「ああ、奴は超越魔族と言っていた…。超越魔族には心臓が三つあると聞いたことがあってな。おそらく二つは壊すことができた!!」



 ラスティは刀を振り、羅雲の血を振り落とす。


 ラスティは俺の手を取り、引き上げる。


「今日あと人間になれるのは五分間…。後五分で決着をつけねばならない…いけるか?」


 状況は全く飲み込めないが…一人では部が悪い。

 ラスティが人間状態のうちに決着をつける。


「わ、私も…援護攻撃をするので…」


「頼んだ、サリム!!」



「こ、小賢しい…小賢しいぞ、クソどもぉぉぉ!!!」



 ラスティは素早く剣を振う。羅雲は気づいたのか、身を屈む。



「もう、後ろから斬っている…」


〝シャキン〟!!

 静かに羅雲の背中を切り裂く。


「がっ…強化魔法か…」


「止まっている暇はないぞ…死蔵!!」


「ぐぁっ!!」



 死蔵が入った…サリムの強化魔法でかなり技が強くなっている。

 羅雲はかなりのダメージを負うが、すぐに再生を開始する。


「強化したのならば…こちらは防御力を上げるとしよう」


 羅雲は魔法で皮膚が硬化する。


「第九魔法戦術っ!!ロード・オブ・デザート!!」


 羅雲は砂の攻撃を放つ。だがこちらにも魔法使いはいる。

 サリムは魔法を言い放つ。


「ウォーター!!」


 サリムの水魔法で砂は固り、無効化される、



 羅雲は苛立ちを隠せず、魔法攻撃をやめない。


「…うぉぉぉぉぉぉ!!!」


 魔法陣からは一度に数十発の攻撃が繰り出させれる。


 だが、そんなものは奴に通用しない。


「ほら、ほら、ほら!!どんどん撃ってこい!!俺が全てを斬り裂く!!」



「くっ……フィナシェはどこだ!?」


「ここだ…死蔵…碧落へきら…」



 〝ズシャァッッ〟


 俺の拳は紫の光を放つ、五将眼の部位強化を最大限に活用した技…。反動はかなり大きい。


 拳は羅雲顔面をメリメリと歪ませる。


「ごはぁっ……。なんだ…先ほどと比べ物にならない。回復が追いつかん…」


「心臓を二つも破壊されりゃ…回復能力も機能しにくくなるだろ…」



 羅雲顔面はぐちゃぐちゃに…このままこいつを殺す…。


 強烈な痛みが俺を包む。


「このまま……っがっ…ぐぁ!!なんだ、なんだこれは…」



「フィナシェ!?大丈夫か!!」


 ラスティの声が遠のく…。早く…とにかく早く羅雲を倒さなければならないのに。


 なんだこの苦しみは…息が…意識が…。



〝バタン〟


 身体が倒れる音共に、またもや鳥の鳴き声が響き渡った。


「ふはっ…良かったよ……もう彼は蝕まれいている…私の呪いにな…。」



つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ