作戦決行の鐘⑤-028
第二十八話:作戦決行の鐘⑤
ヤキザケ村の村民たちは上空を見上げた。
浮遊する地。そこには見るに耐えない形とかした羅雲。そしてそれに敵対する者たち。
「いやー、すごいねー!この村の最後の終結のフィニッシュの終末ってかんじだ!!」
「それよりも、なんで詩姫がここにいんだよ…」
「………ラテ様…光根…。私は…。」
詩姫は落ち込んでいた。そんな雰囲気の中、弓の狂塁は言った。
「元気だそうや!僕が頼陣家の倉庫から出してくれたんも詩姫ちゃんやろ?
一緒にみんなを見返そうゆうたやないか!!」
「狂塁…。」
ラテも詩姫に手を差し伸べる。
「俺らも協力する、お前は何がしたい?」
「…フィナシェ様は、私の弱いところを見つけてくれた…私はあの人のようになりたいです!!」
「ふっ、姉さんらしい…」
「フィナシェに惚れてんなら助けに行くぞ!!」
「べ、別にそういうのではないですよ……。とにかく…ラテ様、光根…。案があります…手伝ってください!!」
「僕のことも忘れんといてな!協力するで!」
「狂塁も…お願いします!!」
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その頃。ナズーク王国では騒ぎが起こっていた。
ヤキザケ村に浮かぶ地。そして、ナズーク城の崩壊。
「マリー!!こっちだ!!」
マリーたちは全力で街を駆け抜ける。曲がり角を壊し、障害物のなるものを全て攻撃魔法で消してゆく。
その後を追いかけるのは複製体大島。
「なんだありゃ…」「新手の鬼ごっこか!?」
「てか指名手配のマリー・ゼロウスじゃね!?」
「あら、あのイケメンだれかしら!」
そんなヤジが飛び交う中、二人は全力で駆け抜ける。
「ふっ、逃げながらでないと、この俺を倒せないと言うのか?」
「逃げるも戦術の一つさ!!」
「言ってもワーズ、さっきから私たち逃げてるだけじゃない」
「逃げてるか…ここまでくれば…」
ワーズは立ち止まる。大島は不思議そうに辺りを見渡す。
王国内の大広場。そこでは兵士の訓練で使われいるだろう訓練所にもなっている。
「切磋琢磨して腕を磨く兵士を見ているのは実に面白いと思わんか?」
「兵士なんてとっく殺しているくせに…」
複製体大島は目を見開く。
〝キィィィンッ〟
剣の音が響く。
「不意打ちなんて、らしくないわね…」
「はっ、貴様の弟のような卑怯な戦術がどれだけいいのかを試したまでだ」
「皮肉ってやつね…。落雷雷句!!」
大島はマリーの雷を受け止める。少しもダメージを受けていない大島にマリーは驚く。
「ふっ、その攻撃…もう慣れてしまったなあ…」
「くっ、あんた一体…」
マリーに休む暇など与えない、大島は剣を振りかざす。そしてその剣撃を魔法で受け応えるマリー。
状況はマリーの防戦一方だ。
「本当に面白い女だ…。いいだろう…羅雲の行動原理を教えてやる」
「羅雲の行動原理…」
ワーズは耳を傾ける。
「魔王軍は人間たちを魔族に変えようとしている。魔王軍と羅雲は手を組み、このナズーク王国を支配したんだ」
「つまり…ナズーク王国の国王は…魔王軍たちに殺されたと言うわけか…」
「その通り、俺はオズに初めて生み出された複製体…。高度な知能により、このナズークの支配者として置かれた。」
ーーーーーーーーーーーー空中戦線ーーーーー
「私は、飽き飽きしていたのだよ…。国の方針にね…若くして私はナズーク王国で高いの地位についた」
羅雲はナズーク王国を眺め、そう語る。
「ある王選挙の時だ…立候補したのは私と私の同僚だった。同僚は国でも聖人ともてはやされ、剣の腕前もあった。その点私は呪いを操る特異魔法を持ち気味悪がられていた…。もちろん王にはなれなかったよ…」
そりゃそうだ…。特異魔法以前に、これほどの支配欲を持ち、犠牲を払ってでも自分を上に上げるという身勝手さ…。
誰にも賞賛されるわけない…。
「やっぱり、お前の言っていることは理解できかねん…」
「いいさ、唯一私を理解してくれた者たちもいる…オズという男…。奴は私の話を親身に聞いてくれたよ…」
「今じゃ、あいつの言いなりというところだろう?」
「どうだろうな…。だが若い頃のような惨めな思いをしなくて済んでいるんだ、今の方がよっぽどいい…この力も手に入れたしな…」
ーーーーーーーーーーーーナズーク王国ーー
「ま、これが羅雲の全貌だ…」
大島が語り終える。
「最低な野郎ね…」
マリーと複製体大島は魔法を撃ち合っていた。
流星のように飛び交う魔法の中…。互いは隙をうかがっていた。
「ちなみに…あなたはなんで羅雲と協力してるの?オズに飼われてるわけでもなさそうだし」
「俺か?俺は戦いが好きでな…。お前のような強い奴と戦うために魔王軍とは協力している。」
「へぇ…あなたがこちら側についてくれれば…結構心強いんだけどな…」
大島は笑い、言う。
「俺は多くの強い者と戦い…殺すことのできる方につく…」
「そう…じゃあ…こちらから願い下げよ!!」
マリーは噴水の水を大島に向けて操る。
「水の加護よ…槍として悪きものを突き刺せ…」
「〝シルミラリア〟…鏡よ…俺を守れ…」
水は鋭く尖り、大島の張ったバリアを突き破る。
〝パリィィィンッ〟
「なっ…俺のバリアを破った…だと?」
「これは加護の力…。悪いけど魔法で防げるものじゃないわ!」
魔法と近い存在…加護…。加護に好かれるものはその恩恵を受けることができる。
その中でも最強の加護…。〝神の加護〟を持つ者はこの世に大島とワーズしかいない。
「必中攻撃か…たが威力はそれほど…。これでは俺を倒せないぞ?」
大島は手から黒い波動を発する。
複製体大島は魔法を撃つ速度を一段上げる。
今の大島は大島であって大島でない…。
「やっぱり…魔力は無限か…。」
戦いが始まり一時間…まだ一度も大島に致命傷を与えられていない。
マリーの魔力も三分の二ほど削られた。
「これで最後だ…クロニクル…インパクト!!」
濃縮した魔力玉をマリーに放つ。
「あ……これ…やば…」
「リサステーション・ザ・スパークル……マリー、魔力増やしとくぞ!」
ワーズはマリーに触れ、特異魔法を発動する。
大島の攻撃が直撃するその寸前。
マリーは杖を自信に向ける。
「最高よ…クソ弟!ハザードモード…解放。」
〝ドゴォォォォォォォォンッ〟!!
「なんだ…感じ取ると吐きそうになるこの魔力は…。」
普通の魔法使いが、この状態のマリーの魔力を感知しようとすると必ず失神する。
ハザードモードに達することでマリーの持つ魔力は超強力になる。
街の広場は壊れ、ほぼ荒地とかした。
瓦礫から大島を覗く影は笑っていた。
「それがお前の最高地点か…マリー・ゼロウス!!」
つづく
大魔導士大島:最強…関わった者たちは全員言う。




