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「俺のせいで美穂は死んだのか」
「俺が死ねば美穂は戻ってくるのかな」
毎日そんなことを考えながら、時間は残酷にも過ぎていき、美穂も萌もいない生活に徐々に慣れていく。荒れていく。酒に逃げる。とうとう仕事にも行けなくなった。
真夜中、コンビニに行くためふらっと外に出た。
歩道を渡っているところに、トラックが近付く。
体がトラックにぶつかる。
痛みは感じない。寒い。ボーとする。
「あっちで美穂に謝らないと・・・」
がばっと起きた。朝だ。夢だったのか。
しかしここはどこだ。家じゃない。病院でもない。懐かしい感じの・・・
「英二~おきなさーい」
おふくろの声がする。
鏡を見た。
高校生の自分だった。